【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

定額減税しきれない場合の給付金(調整給付)

2024-05-11 22:31:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
内閣官房のサイトに下記のような情報があります。

以下抜粋=========

(6)定額減税しきれないと見込まれる方への給付金(調整給付)
定額減税(5)において、納税者本人と扶養親族(配偶者を含む)の数から算定される減税額(定額減税可能額)が、定額減税を行う前の所得税額・個人住民税所得割額を上回っており、定額減税しきれないと見込まれる場合は、個人住民税を課税する市区町村が定額減税しきれない差額を給付します。
なお、国民のみなさまに早期に給付をお届けする観点から、2023(令和5)年の課税状況に基づき、給付額が算定されます。2024(令和6)年分の所得税額が確定した後、2023(令和5)年と比較して所得に変動があるなどの一定の事情によって、当初の給付額に不足があることが判明した場合は、追加で給付されます。

給付金の申請及び給付の方法
市区町村によっては、給付についてこの他に独自の要件を設けている場合があります。通常の場合、市区町村の準備が出来次第、給付対象者((1)~(4)については世帯主、(6)については納税者)に対してご案内がありますので、内容をご確認いただき、ご返送いただくかオンライン申請に対応している市区町村においてはオンラインでご提出いただくことで、支給が行われます。
給付金の支給に当たって住民の皆様に行っていただく手続や具体的な給付方法は、市区町村ごとに異なりますのでお住まいの市区町村から送付される申請書・確認書等の内容をご確認ください。給付ごとに各市区町村が定める申請期限がありますのでご注意ください。

=========抜粋終わり

定額減税額がその人の年間税額を超えるケースがあります。そのような場合はその超える部分が給付金として支給されます。支給するのは住所地の市町村です。この手続が始まる頃、役所は長蛇の列ができるでしょう。

給付が終了するのはいつになるでしょうかね・・・

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住民税の定額減税

2024-05-11 22:30:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
わが国の課税主体は国と地方団体で、個人の所得(給与や事業の儲けなど)に対する課税は国と地方団体の両方が行います。国は「所得税」として税務署が、地方団体は「住民税」として市町村が課税と徴収を行います。

◆定額減税も国税(所得税)と地方税(住民税)の両方で行われる

今回行われる定額減税、国税(所得税)だけでなく地方税(住民税)でも行われます。定額減税は1人当り4万円ですが、その内訳は国税(所得税)3万円、地方税(住民税)1万円です。

◆住民税の計算は所得税を基に行われる(所得税の計算結果は市町村に報告される)

給与についての年末調整、個人事業者や家主が行う確定申告、これらは所得税(国税)を計算するための手続です。住民税(地方税)は、所得税の計算手続である年末調整や確定申告の結果に基づいて計算されます。年末調整の結果は給与を支払う勤務先が、確定申告の結果は税務署が住民税を課税する市町村に報告をします。

◆住民税の定額減税額は市町村が計算してくれる(定額減税額は通知書で確認できる)

今回の定額減税についても勤務先や税務署からの所得税に関する報告に基づいて市町村が計算をします(所得税の報告には定額減税の計算に必要な「家族情報」も含まれています)。所得税の定額減税のように勤務先、個人事業者や家主が計算する必要はないということです。毎年6月上旬に、市町村は勤務先、個人事業者や家主にその年の住民税額を通知します。今年はその通知書に定額減税の額を記載して税額を計算することになります。

◆住民税の定額減税方法

住民税特別徴収(給与)の定額減税は所得税と比べてスマートです。しかし、減税されたという実感はわきません。住民税の年間税額から定額減税額を差し引き、それを「7月以降」翌年5月までの「11か月間」にわたり分割して徴収します。例年は「6月以降」翌年5月までの「12か月間」ですので、今年は6月分が徴収不要です。しかし、誤って6月から徴収してしまうケースも続出することでしょう。

個人事業者や家主は住民税を年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付しなければなりませんが、定額減税の総額を1回目から引いてきます。1回目で引ききれない場合は2回目以降で引かれます。

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定額減税の必要書類(給与の場合)

2024-04-28 12:31:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
給与に関して定額減税を行う場合の必要書類は下記のとおりです。一見難しそうですが、「同一生計配偶者と扶養親族を把握する」「どの月の給与から定額減税をしたかを記録する」というのがその目的ですので、そう考えれば恐れる必要はありません。

源泉徴収に係る定額減税のための申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書

難しい表題に戸惑うかもしれませんが「同一生計配偶者と扶養親族を把握する」ための書類です。これに必要事項を記入するのは定額減税を受ける従業員自身です。

「同一生計配偶者と扶養親族」に関して注意しなければならないのは、毎月の給与からの源泉徴収における「人数」と異なるケースがあるということです。例えば、定額減税においては16歳未満の扶養親族も人数に含まれます。

年末調整に係る定額減税のための申告書

定額減税は6月から行われますが最終的な精算は年末調整で行いますので年末調整の際に改めて申告が必要となります。この申告書の様式は未確定で10月頃に国税庁のサイトで公表されるそうです。今は、年末調整のことまで考える必要はありません。まずは6月の給与からの定額減税ができればいいのです。

各人別控除事績簿

「どの月の給与から定額減税をしたかを記録する」ための帳票です。各月の減税額の合計額がその人の減税額合計に達しているかの記録です。なお、国税庁が公表しているこの様式を使用する必要はなく、自身にとってわかりやすい様式を作成してもかまいません。形式ではなく定額減税を過不足なく行うことが大切だということです。

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★やはり難しいです!

定額減税、やはり難しいです。給与計算ソフトを導入している企業であれば簡単に(自動的に)できますが、そうでない企業(多くは中小零細企業)はできないと思います。

6月の給与明細を見て、「今月は手取りが増えた!」といえる人がどれだけになるのでしょうか。定額減税そのものをしていない企業も続出することでしょう。

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定額減税額の計算

2024-04-28 12:30:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
「企業の事務負担増大」「経済効果に対する疑問」など、何かと批判の多い定額減税ですが、法律で決まった以上、またそれを権利として期待している従業員がいる限りは文句をいってはいられません。

【国税庁】定額減税特別サイト
わざわざ、今回限りの定額減税のために国税庁がこのようなサイトを用意してくれています。このサイトを見れば定額減税はできます。

◆定額減税の対象者

令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1805万円以下である人です。給与収入のみの人であれば給与収入が2千万円以下である人になります。

◆定額減税額

次の金額の合計額です。ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、その所得税額が限度となります。

本人(居住者に限る)3万円
同一生計配偶者または扶養親族 (いずれも居住者に限る)1人につき3万円

妻(同一生計配偶者)と子(扶養親族)2人の場合、12万円になります。多いですね!しかし、年間の税額がこれを超えない人もいると思います。住宅ローン控除などで年間の税額が極めて少額(場合によってはゼロ)であれば12万円にまったく届かないでしょう。

◆給与の定額減税

今年6月1日以後最初に支払われる給与や賞与から本来は源泉徴収をされるべき所得税(含む復興特別所得税、以下同じ)の額から定額減税分を控除します。最初の給与や賞与で控除しきれない部分の金額は、以後、今年中に支払われる給与や賞与につき源泉徴収されるべき所得税の額から順次控除していきます。

定額減税額12万円として、6月に源泉徴収される額が8万円であれば6月は徴収はなし、7月に源泉徴収される額が同じく8万円であるとすれば7月は4万円の徴収となります。定額減税は6月に8万円、7月に4万円の合計12万円を行ったということです。

◆個人事業主の定額減税

原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から定額減税分を控除することができます。待ち遠しいですね!

しかし、予定納税(年度途中の納税)の対象となる人については、確定申告での控除を待たずに第1期分予定納税額(7月)から「本人分の定額減税額」に相当する金額が控除されます。3万円は自動的に第1期分予定納税額(7月)から控除されるということです。

なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別減税額については、予定納税額の減額申請の手続(通常の年度もある制度)により定額減税の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。

予定納税に苦しむ個人事業主は多いです。「とにかく年度途中の納税はしなくない!」人にとって定額減税はありがたいです。

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★これ(上記)でいいのだろうか?
定額減税は誰にとっても初めてのことですので(平成の初めごろに似たようなことがあったように記憶しています)、間違いに気をつけなければなりません。それには、まずは正確な減税額を把握することです。そのためにはそれに必要なデータが何かを知ることです。

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定額減税(月次減税?)

2024-03-30 18:31:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
大阪国税管内の各税務署が「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」というパンフレットを源泉徴収義務者あてに送付しました。

「なにがいいたいんや!?」
「なにをやれちゅうねん!?」
「インボイスと電子取引だけでも大変やのに」

【結論】定額減税は年末調整でするに限ります!

国税庁のパンフレットなど読む必要はありません。定額減税は年末調整でしましょう!

社長ひとり、あるいは社長とその親族だけの会社はこの方法に限ります。社員がいる会社でも、社員の同意が得られるのであればこの方法によってください。国税庁のパンフレットで説明されているように年度途中の源泉徴収税額から減額するのは間違いのもとです。

★月次減税?????

このような言葉があろうことか国税庁のパンフレットで使われています。わが国の所得税は暦年単位で課税されますので月次(月単位)での減税などという概念はありません。せめて、「源泉徴収免除額」とか「源泉徴収税額表調整額」などの言葉を使うべきです。

実際、月次で減税されて年間(年末調整)では増税(還付ではなく追加徴収)されるケースもあります。年末までに「大昇給した」「冬の賞与が多い」「扶養親族数が減った」場合はそうなる可能性があります。

「月次減税」、国民を愚弄した言葉です。「訂正!」といいたいところですが、今年だけですのでもういいでしょう。

★住民税特別徴収の定額減税

住民税特別徴収の定額減税はスマートです。しかし、減税されたという実感はわきません。年間税額から定額減税額を差し引き、それを「7月以降」翌年5月までの「11か月間」にわたり分割して徴収します。例年は「6月以降」翌年5月までの「12か月間」ですので、今年は6月分が徴収不要です。しかし、誤って6月から徴収してしまうケースも続出することでしょう。

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今年の夏の賞与からは所得税が源泉徴収されない(手取りが増える)!

「昇給はある」「減税で手取りは増える」、なのでその分を消費に回す。この制度の効果はこれでしょう。

このところ日米とも株価が上昇していますが、減税が行われる6月以降も株価が堅調であることを祈るばかりです。マイナス金利の解除に反して円安が止まらない(輸入物価の上昇が止まらない)のも気掛かりです。

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