【ご注意】下記の説明は会社を前提にしておりますので、個人事業者の扱いはこれとは異なります。
日銀の利上げに伴い「受取利息勘定」の存在が増してきました。マイナス金利時代は年間合計で100円未満であったものが1000円を超えるケースも珍しくありません。これで貧相であった損益計算書の営業外収益の部も見栄えがするようになりました。営業利益と経常利益の差額が支払利息だけでなくなりました。「営業利益に営業外収益を加えて営業外費用を差し引いたのが経常利益」という説明が現実味を帯びてきました。
◆預金利息からは所得税(及び復興特別所得税、以下同じ)が源泉徴収されている
「実は!」、預金利息からは所得税が源泉徴収されています。長らく「金利のない時代」が続いたことから若い人の中にはこのことを知らない人がいます。預金利息の金額があまりにも小さいので、預金利息の仕訳や税務処理など大勢に全く影響がないことから「受取利息8円!」と源泉徴収された所得税を意識することなくそそくさと処理を済ませます。
預金利息からは所得税(15%)と 復興特別所得税(0.315%)、合計15.315%が源泉徴収されます。
◆預金利息の仕訳
預金利息からは所得税が源泉徴収されているので預金利息の仕訳は「利息」「所得税」、そして結果として増えた「預金」の3つの要素を対象としなければなりません。
預金利息が100、所得税が15(便宜上の数値)、預金の増加が85とすれば次のとおりです。
【借方】預金85+法人税等15【貸方】受取利息100
◆預金利息から源泉徴収された所得税を計算する
定期預金の利息は満期時に金融機関が利息の計算とともに源泉徴収した所得税も知らせてくれますが、普通預金はそのような連絡はありません。そこで、手取り額(預金の増加額)から利息総額(源泉徴収前の金額)を逆算して差額としての所得税を計算します。
利息総額(源泉徴収前の金額)=預金増加額+利息総額×15.315%
預金増加額=利息総額-利息総額×15.315%
預金増加額=利息総額×84.685%(100%-15.315%)
これで計算できます。ちなみに源泉徴収する所得税は円未満切り捨てです。
実務上はこんな面倒臭いことはしないで、源泉徴収後の利息額を0.84685で「割り戻して」利息総額を計算し差額を所得税(円未満の端数処理は適当)、といった処理をそそくさとしています。これでもマイナス金利時代は大勢に影響はありませんでしたが、今後はこんなことではだめでしょうね。
◆法人税の計算と預金利息から源泉徴収された所得税
預金利息から源泉徴収された所得税は法人税から差し引くことができます。預金利息は利益計算(損益計算書)において受取利息として利益に加算され結果として法人税の対象となります。法人税の計算においては預金利息から源泉徴収された所得税を法人税の前払いとして差し引くという計算をします。
◆預金利息から源泉徴収された所得税が還付されるケースも
赤字(損益計算書の利益がマイナス)であれば法人税は課税されません。この場合、預金利息から源泉徴収された所得税は法人税から差し引けませんので還付されます。
法人税の申告を済ませてしばらくして、預金通帳に「数円の入金が税務署から」ありませんか?
それはこれです。
「毎年毎年、紛らわしい。もうこんなことをしないでほしい!」といって申告を依頼した税理士に文句をいう人もいると聞いています。しかし、今後は缶コーヒーが飲める程度の金額になると思います(笑)。
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日銀の利上げに伴い「受取利息勘定」の存在が増してきました。マイナス金利時代は年間合計で100円未満であったものが1000円を超えるケースも珍しくありません。これで貧相であった損益計算書の営業外収益の部も見栄えがするようになりました。営業利益と経常利益の差額が支払利息だけでなくなりました。「営業利益に営業外収益を加えて営業外費用を差し引いたのが経常利益」という説明が現実味を帯びてきました。
◆預金利息からは所得税(及び復興特別所得税、以下同じ)が源泉徴収されている
「実は!」、預金利息からは所得税が源泉徴収されています。長らく「金利のない時代」が続いたことから若い人の中にはこのことを知らない人がいます。預金利息の金額があまりにも小さいので、預金利息の仕訳や税務処理など大勢に全く影響がないことから「受取利息8円!」と源泉徴収された所得税を意識することなくそそくさと処理を済ませます。
預金利息からは所得税(15%)と 復興特別所得税(0.315%)、合計15.315%が源泉徴収されます。
◆預金利息の仕訳
預金利息からは所得税が源泉徴収されているので預金利息の仕訳は「利息」「所得税」、そして結果として増えた「預金」の3つの要素を対象としなければなりません。
預金利息が100、所得税が15(便宜上の数値)、預金の増加が85とすれば次のとおりです。
【借方】預金85+法人税等15【貸方】受取利息100
◆預金利息から源泉徴収された所得税を計算する
定期預金の利息は満期時に金融機関が利息の計算とともに源泉徴収した所得税も知らせてくれますが、普通預金はそのような連絡はありません。そこで、手取り額(預金の増加額)から利息総額(源泉徴収前の金額)を逆算して差額としての所得税を計算します。
利息総額(源泉徴収前の金額)=預金増加額+利息総額×15.315%
預金増加額=利息総額-利息総額×15.315%
預金増加額=利息総額×84.685%(100%-15.315%)
これで計算できます。ちなみに源泉徴収する所得税は円未満切り捨てです。
実務上はこんな面倒臭いことはしないで、源泉徴収後の利息額を0.84685で「割り戻して」利息総額を計算し差額を所得税(円未満の端数処理は適当)、といった処理をそそくさとしています。これでもマイナス金利時代は大勢に影響はありませんでしたが、今後はこんなことではだめでしょうね。
◆法人税の計算と預金利息から源泉徴収された所得税
預金利息から源泉徴収された所得税は法人税から差し引くことができます。預金利息は利益計算(損益計算書)において受取利息として利益に加算され結果として法人税の対象となります。法人税の計算においては預金利息から源泉徴収された所得税を法人税の前払いとして差し引くという計算をします。
◆預金利息から源泉徴収された所得税が還付されるケースも
赤字(損益計算書の利益がマイナス)であれば法人税は課税されません。この場合、預金利息から源泉徴収された所得税は法人税から差し引けませんので還付されます。
法人税の申告を済ませてしばらくして、預金通帳に「数円の入金が税務署から」ありませんか?
それはこれです。
「毎年毎年、紛らわしい。もうこんなことをしないでほしい!」といって申告を依頼した税理士に文句をいう人もいると聞いています。しかし、今後は缶コーヒーが飲める程度の金額になると思います(笑)。
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