いやあ、本当に驚いた。
あんな普通の店であんなに美味しい蕎麦が出てくるなんて。
これまで栃木中心で40店近く回っていると思うが恐らくナンバーワンだと思う。
場所は詳しく書かないが那須塩原市の『胡桃亭』という店。
国道沿いのあまり静かとは言えないような場所にあるが別に良い蕎麦粉と腕の良い職人さんが居ればどんな場所だって美味しい蕎麦は出せるという典型のような店だ。
まあこれまでも山奥とか蕎麦畑の真ん中とかロケーション的に最高の場所でも色々な蕎麦を出された思い出もあるし、やはり作り手の問題は大きいと感じていたが今日ほどそれを強く感じた日は無かった。
大胆さの中の繊細さ、動の中の静とでも言おうか見た目は非常に上品に仕上がっているのに一度口に含むと蕎麦の香りが強く立ち舌には独特の甘みが伝わってくる。普段は一口だけ汁を付けずに食べてみるのだが今日は半分ほども汁を付けずに味わってしまった。写真を良く見て頂くと解かるが粗挽きと細かく挽いた粉がブレンドされ甘皮なども絶妙に残されていて1本の蕎麦の中に職人の意気込みが感じられる十割蕎麦に仕上がっている。
汁も主張しすぎず蕎麦の香りを残す絶妙な出汁加減で素晴らしかった。
最後に蕎麦湯が大きな急須で出てきたが蕎麦がたっぷりと使われており何とも嬉しい限りの物だった。自分たちは比較的開店と同時に店に入ることが多いのだがせっかく旨い蕎麦を出されても最後に白湯のような蕎麦湯が出てくることが多く非常に残念な気分になることも多かったのだ。
8/20、世間では海の日で祭日、気温は32℃とかなり蒸し暑い日だったがせいろ2枚を食べ爽やかな気分で店を後にする事ができた。