飲み物やお菓子など、「糖質オフ」などと書かれている商品も多くなりました。
糖質を制限すると痩せる、健康に良いというイメージを持っている人も多いです。
糖質はご飯や麺などの主食にも多く含まれているため、主食を抜いたり量を減らしたりしてダイエットする人もいます。
しかし、ただ糖質を摂らないようにするだけでは、美しく健康的に痩せることはできません。
今回は、正しい糖質制限ダイエットについて解説しましょう。
■糖質を制限するってどういうこと?
糖質を多く含む食品の摂取量を減らし、体脂肪や体重を減少させようとする健康法は、一般的に「糖質制限ダイエット」と呼ばれています。
人間を太らせている脂肪の一種に中性脂肪がありますが、これは体の中にエネルギーを貯蓄しておく役割を持っています。
余分な糖質は皮下脂肪や内臓脂肪を蓄積させ、肥満や生活習慣病の原因に。
いっぽう糖質が不足すると、中性脂肪がケトン体という物質に変化し、ブドウ糖の代わりになって消費されていきます。
ケトン体は脂肪が燃焼することによって産み出されるエネルギーなので、糖質を制限すれば脂肪が燃えやすい体になると考えられるのです。
ただし不足しすぎると脳がエネルギー不足となり、集中力の低下や筋肉量の減少を引き起こすことも…
疲れやすくなったり、風邪を引きやすくなったり、体の機能を低下させる可能性もあります。
正しい糖質制限とは、1日の摂取量を守ること。
体質や身体活動によっても適切な糖質量が異なるため、生活習慣によって調節しましょう。
■正しい糖質制限のポイントは?
適切な糖質制限ダイエットを行うために、次の2つのポイントを意識しましょう。
・糖質は1日120gが基本
デスクワークが多く、運動量が少ない人の場合、1日に必要な糖質の量は250~330gだといわれています。
糖質を制限して脂肪燃焼効果を望むなら、半分以上減らして1日120gに抑えましょう。
これ以上減らすと脳のエネルギー不足を引き起こし、集中力や判断力の低下につながります。
1食当たり40gを目安とし、よく運動をする人や肉体労働をする人は少し多めにしても良いでしょう。
白いご飯ならお茶碗に軽く1杯(100g程度)で36.8g、6枚切りの食パンなら1枚で31.1gの糖質を摂取したことになります。
毎食しっかり主食を食べ、その他のおかずやおやつで糖質オフを意識するのがおすすめです。
・たんぱく質を積極的に摂る
ごはんやパン、麺などの主食には糖質が多いイメージがありますが、たんぱく質も含まれています。
糖質を制限するために主食の量を減らすと、結果的にたんぱく質の量も不足してしまう可能性があります。
たんぱく質は筋肉を作るもとになるため、積極的に摂取することでダイエットにも効果的です。
反対に、たんぱく質が不足すると筋肉がやせ細り、基礎代謝が落ちてしまいます。
主食を減らせば一時的に体重を減らせますが、代謝が悪くなれば脂肪が燃焼しづらい体になってしまうでしょう。
たんぱく質を摂って筋肉量を増やせば、むしろ痩せやすい体を作ることができるのです。
たんぱく質は肉や魚、豆類などに多く含まれています。
主食を減らした分は、たんぱく質を多く含む肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などの食品で補うことを意識しましょう。
正しい糖質制限ダイエットを実践すると、約1~2週間後で体重の減少がみられるといいます。
脂肪がケトン体に変化するのに必要な糖質制限の期間は人によって異なります。
ダイエット効果がすぐに感じられない場合もありますが、焦らず続けましょう。
■「チートデイ」は効果ある?
ボディビルダーやボクサーなどが実践している「チートデイ」とは、何でも好きなものを食べて良い日のことです。
減量や体脂肪率減少のために厳しい食事制限をしている人は、空腹や好きなものを我慢するストレスからリバウンドを起こしやすいといわれています。
辛い食事制限ダイエットは、途中で投げ出したり、食事のことしか考えられなくなったりする可能性があります。
甘いものが好きな人は、糖質量をチェックするだけで罪悪感を覚えるようになってしまうかもしれません。
ダイエットを無理なく続けるためにチートデイを設けることは有効で、モチベーションの維持やストレス解消に効果があるとされています。
どうしても糖質制限が辛くなった時は、1日だけ糖質を意識しないで好きなものを食べる日を作ってみましょう。
ただし、これまで我慢した分、ブレーキが利かなくなって暴飲暴食してしまうおそれもあります。
朝か昼にチートな食事を摂る、デザートを1週間に1つだけ食べるなどのルールを守れば、これまでの苦労が水の泡にならずに済むでしょう。
■どうして痩せないの!?主食以外にも糖質が含まれている
主食さえ食べなければ糖質を制限できると思っている人も多いですが、野菜ジュースや果物、おかず類にも多くの糖質が含まれています。
例えばカレーライスを食べる際、ご飯を少なめにする人もいますよね。
実はルーにも一かけ(20g)で8.2g程度の糖質が含まれています。
お代わりでご飯は盛らずに、ルーだけを足したからダイエットになっているはず!というのは間違いです。
また、野菜ジュースには200mlあたり13~17gの糖質が含まれている商品もあります。
果物を主食やおやつの代わりに食べる人もいますが、果糖が多いため糖質の摂りすぎにつながる可能性が高いです。
主食やこってりとしたもの、甘いものを控えれば糖質制限になるわけではありません。
食品の表示を見て、どのくらいの糖質が含まれているか確認するくせをつけましょう。
■ダイエット効果だけじゃない!糖質制限のメリット・デメリットは?
糖質制限をすることによって、脂肪がエネルギーとなって消費されるため体重が減ります。
これは単なるダイエットではなく、血中のブドウ糖増加を抑えて血糖値が急上昇するのを防ぐ効果もあるのです。
血糖値を下げるホルモンは「インスリン」と呼ばれていますが、取り込んだ糖質を脂肪に変える働きがあります。
つまり、血糖値が上がるほど脂肪が増えるというわけですね。
糖質制限によって血糖値が上がるのを防ぐと、インスリンの分泌量が最小限になり脂肪が増えすぎることもありません。
継続すれば1~2ヶ月の血糖平均値である「HbA1c」が徐々に下がっていき、糖尿病の予防にもなるでしょう。
ただし、糖質の代わりにたんぱく質を多く摂る必要があり、結果的に脂肪の多い食品の摂取量が増えます。
するとコレステロール値が高くなる傾向にあり、動脈硬化のリスクが高まってしまうので注意が必要です。
豚モモ肉や鶏の胸肉、ささみなどの脂身が少ない食材を選ぶと、良質なたんぱく質を摂りながらコレステロールの増加を抑えられるでしょう。
■見た目は白ご飯!?カリフラワーご飯で無理なく糖質オフ
最後に、糖質制限ダイエットにおすすめのメニューをご紹介しましょう。
ご飯派の方に喜ばれているのが、「カリフラワーご飯」です。
・作り方
米1合に対し、カリフラワー300gを加えます。
①通常通り米を研ぎ、1合の目盛りまで水を加える
②生のカリフラワーを細かく刻み、①に加えて炊く
・合わせるおかずは?
カリフラワーご飯は、見た目には普通の白いご飯と同じです。
おかずと一緒に食べれば美味しく糖質オフが叶います。
麻婆豆腐や親子丼など、カリフラワーご飯の上にあんかけ状のものをかけて食べると独特の食感も気にならないでしょう。
カレーライスやチャーハンにするのもおすすめです。
外食の際は、揚げ物やフライドポテトを控えるようにすると糖質の摂りすぎを防ぐことができます。
糖質量がチェックできる時は1食40g(1日120g)を目安にする、たんぱく質が豊富で脂肪分が少ない肉や魚、大豆製品をしっかり食べるよう意識しましょう。