短い物語
物語 「 羽衣 」 5-5 完
笑える秘密ーーー
秘密の秘密ーーー
#
#
#
雄太はあの時から自分の方がなんでもよく知っていると思っていたし、ちょっと自慢だった。
ある意味、綾子の羽衣を自分がこっそり持っている事を気にしながらも、
雄太がちょっと優越感に浸っていた秘密だったが、、、
綾子にとっては、飛んでいった羽衣などもうどうでもいい事だった。
母が気が付かなければそれでよかったのだ。
母が大事にしていたショールをこっそりと持ち出して「天の羽衣」ごっこをしていたけれど、飛んでいったショールに綾子はもう未練はなかった。
早くもタンスの中の別のショールを思い浮かべていた。
それに、、、
ある時から、綾子はあの羽衣を雄太がこっそりと持っている事にも気が付いていた。
そして知っている事を黙っている、、、
「綾子ちゃんの事なら何でも知っているよ」と小さいころから口癖だったそんな雄太の秘密をちょっと冷ややかに楽しんでいる綾子である。
でも、いつかはちゃんと「知っているよ」と笑ってあげようと思っている綾子だった。
雄太も、そろそろ教えてやろうと思い始めている。
あの時何も出来なくて一部始終を見ていた事がばれてしまう、、、
またばれるのがちょっともったいないような気がする、、、
けれど、そろそろ「告白」しようと考えている。
しかし、いつ、、、
どのタイミングで?
なかなか言い出せないまま半年が過ぎてしまった。
完
、、、人の感情や心の変化は男女や人によってもそれぞれ?
ーーーーーあっけなく、物語はここで終わる
雄太の人生に人工知能の助けが必要になった時を考えてみたが、かなり長くなりそうなので今回の物語はここまで。
産まれてからこの先死ぬまでの雄太の心の変化や感情など、同じ心を持ったAIが完成したら、、、?
人とAIが対等に気持ちを通い合わせる時代がくる、、、のは怖い。
人間の感情を100%データ化する技術は生まれない。
人間にとっての豊かさって?
自然環境や生物にとっていい事なのか、世の中にとってどこまで必要な事なのか、様々な状況を考えるのは面白いけれど、恐ろしくもなる。