「嬢ちゃん。あれが、幻か実体か見分けがつくか?」
そう、言いながら、レトが腰の剣に手をやる。
「実体の上に幻覚をかぶせているみたい。普通に生きているのは、いないみたいね」
奥から押し寄せる、音と匂いでグルラディーヌが判断する。
「普通に生きているのは・・・・ね」
レトがにやり と笑って剣の柄を ぽん と、叩いた。
何事かと姉妹の視線が集中する中、すらり と、剣を抜く。と、そこに現れたのは、刃のない細身の剣。
青白い光を放ち、刀身には複雑な文様が刻み込まれていた。
「妹姫、お願いしますわ」
グリシーヌがグルラディーヌに抜き身の剣を渡す。
それを受け取ったクルラディーヌが魔力を吹き込んだ。
外見は何の変化もないが、これなら妖魔などとも多少は渡り合える。
「嬢ちゃん。それ、絶対なくすんじゃねーぞ」
レトがグルラディーヌの抱えている袋を指差した。
「え、って、これなに?」
そう言えば、袋の中身を知らずに持っていたのだった。
「竪琴、だそうだ。ただ、魔力が込められたものだそうだ。俺には、よく分からんが。チョウカがそう言うんだから、そうなんだろう」
レトは、あまり興味がないようだが何かを感じたのだろう。
「ん、じゃ、行くか」
レトが廊下の奥に向かって、足を踏み出した。
そう、言いながら、レトが腰の剣に手をやる。
「実体の上に幻覚をかぶせているみたい。普通に生きているのは、いないみたいね」
奥から押し寄せる、音と匂いでグルラディーヌが判断する。
「普通に生きているのは・・・・ね」
レトがにやり と笑って剣の柄を ぽん と、叩いた。
何事かと姉妹の視線が集中する中、すらり と、剣を抜く。と、そこに現れたのは、刃のない細身の剣。
青白い光を放ち、刀身には複雑な文様が刻み込まれていた。
「妹姫、お願いしますわ」
グリシーヌがグルラディーヌに抜き身の剣を渡す。
それを受け取ったクルラディーヌが魔力を吹き込んだ。
外見は何の変化もないが、これなら妖魔などとも多少は渡り合える。
「嬢ちゃん。それ、絶対なくすんじゃねーぞ」
レトがグルラディーヌの抱えている袋を指差した。
「え、って、これなに?」
そう言えば、袋の中身を知らずに持っていたのだった。
「竪琴、だそうだ。ただ、魔力が込められたものだそうだ。俺には、よく分からんが。チョウカがそう言うんだから、そうなんだろう」
レトは、あまり興味がないようだが何かを感じたのだろう。
「ん、じゃ、行くか」
レトが廊下の奥に向かって、足を踏み出した。