とんとん
ドアの音で、ふ と意識が戻った。
ぼんやりとした頭で体を起こす。
「・・・はい」
ボケた声で返事をして、ドアを開ける。と、そこにいたのは、マドカだった。
「あ、悪い。寝てたか?」
「ん、大丈夫。どうぞ」
大きくドアを開く。
「これ、作ってくれた」
マドカが持っていた包みをミイコに渡す。
「なにこれ?」
「それ、厨房の人が作ってくれた、おにぎり。お前、あんまり食べてないから、後で腹減るだろうからって。それとお茶」
「へぇ、わざわざ作ってくれたの? あとで、お礼言わなきゃね」
ミイコが包みを開けながら、マットレスの上に座った。
「二つあるけど、マドカちゃんもたべる?」
「いい。俺、さっき食ったし」
「そう・・・・。ところで、一度部屋に戻れないかな」
おにぎりにかぶりつきながら、ミイコがマドカに言う。
「戻るって?」
「だって、あと十日もすればって言ってたけど、それまで着の身着のままってのもなんだし。お店にバッグも置いてきちゃったし」
現在、自分の部屋がどうなっているか見てみたいと言う好奇心もある。それに、もしかしたらトシが部屋に戻ってるかもしれない。
「ま、俺は別にかまね~けど。そんじゃ、さっきの人に聞いてみるか?」
しょうがねえなぁ。と言う感じで、マドカがミイコの隣に寝転がる。
「うん。行くときは、あたしも一緒に行くから、よろしく」
一緒に入れてくれたお茶を飲みながら、残りのおにぎりを口に放り込んだ。
ドアの音で、ふ と意識が戻った。
ぼんやりとした頭で体を起こす。
「・・・はい」
ボケた声で返事をして、ドアを開ける。と、そこにいたのは、マドカだった。
「あ、悪い。寝てたか?」
「ん、大丈夫。どうぞ」
大きくドアを開く。
「これ、作ってくれた」
マドカが持っていた包みをミイコに渡す。
「なにこれ?」
「それ、厨房の人が作ってくれた、おにぎり。お前、あんまり食べてないから、後で腹減るだろうからって。それとお茶」
「へぇ、わざわざ作ってくれたの? あとで、お礼言わなきゃね」
ミイコが包みを開けながら、マットレスの上に座った。
「二つあるけど、マドカちゃんもたべる?」
「いい。俺、さっき食ったし」
「そう・・・・。ところで、一度部屋に戻れないかな」
おにぎりにかぶりつきながら、ミイコがマドカに言う。
「戻るって?」
「だって、あと十日もすればって言ってたけど、それまで着の身着のままってのもなんだし。お店にバッグも置いてきちゃったし」
現在、自分の部屋がどうなっているか見てみたいと言う好奇心もある。それに、もしかしたらトシが部屋に戻ってるかもしれない。
「ま、俺は別にかまね~けど。そんじゃ、さっきの人に聞いてみるか?」
しょうがねえなぁ。と言う感じで、マドカがミイコの隣に寝転がる。
「うん。行くときは、あたしも一緒に行くから、よろしく」
一緒に入れてくれたお茶を飲みながら、残りのおにぎりを口に放り込んだ。
月の光の中で別の存在に変化をしていくトシ。
蒼く輝く外装に包まれ、触覚と白く透き通る翅が月の光に輝かせて。夕陽色に輝く瞳でこちらを見て、そして・・・・。
「ミイコ」
突然、手で目元を覆ったミイコの顔をマドカが覗き込んだ。
「大丈夫か? 顔色悪いぞ」
「う~。大丈夫」
じゃない、頭痛てー。これは、かなり強烈だ~。むりやり、ねじ込まれた感じ。何なのこれ。
「部屋、戻るか?」
マドカの言葉にミイコが頷いた。
「じゃ、ちょっと待ってろ。これ、戻してくるから」
マドカが二人分のお盆をカウンターに戻し、ミイコを抱えるように立ち上がらせる。
ミイコとしては、しばらく休めば頭痛が引くのは分かっているが、出来れば静かなところでゆっくりと確認してみたかった。
「それじゃ、隣の部屋に居るから、何あったら知らせろよ」
ミイコを寝かせ、毛布をかけたマドカがそう言ってドアを閉める。すぐに、隣の部屋のドアの音が聞こえた。
それを聞いたミイコ、ふぅ と息を吐き、目を閉じて呼吸を整えると意識を集中する。
さっき見た蒼いその姿をもう一度脳裏に映し出す。少しずつピントを合わせるようにその姿を呼び起こしていった。
薄暗い廊下を泣きながら男の子が歩いている。
あぁ、この子は・・・・。月の光の子だ。
右手であふれる涙をぬぐう。
その子が顔を上げて言った。
「左手が、動かないんだ」
見ると、その左手というか左腕は、子供の腕とは思えないほど細く筋張り青緑に変色していた。手の指は細く爪は尖り、だが全く動く気配はなく、モノのように肩からぶら下がっていた。
蒼く輝く外装に包まれ、触覚と白く透き通る翅が月の光に輝かせて。夕陽色に輝く瞳でこちらを見て、そして・・・・。
「ミイコ」
突然、手で目元を覆ったミイコの顔をマドカが覗き込んだ。
「大丈夫か? 顔色悪いぞ」
「う~。大丈夫」
じゃない、頭痛てー。これは、かなり強烈だ~。むりやり、ねじ込まれた感じ。何なのこれ。
「部屋、戻るか?」
マドカの言葉にミイコが頷いた。
「じゃ、ちょっと待ってろ。これ、戻してくるから」
マドカが二人分のお盆をカウンターに戻し、ミイコを抱えるように立ち上がらせる。
ミイコとしては、しばらく休めば頭痛が引くのは分かっているが、出来れば静かなところでゆっくりと確認してみたかった。
「それじゃ、隣の部屋に居るから、何あったら知らせろよ」
ミイコを寝かせ、毛布をかけたマドカがそう言ってドアを閉める。すぐに、隣の部屋のドアの音が聞こえた。
それを聞いたミイコ、ふぅ と息を吐き、目を閉じて呼吸を整えると意識を集中する。
さっき見た蒼いその姿をもう一度脳裏に映し出す。少しずつピントを合わせるようにその姿を呼び起こしていった。
薄暗い廊下を泣きながら男の子が歩いている。
あぁ、この子は・・・・。月の光の子だ。
右手であふれる涙をぬぐう。
その子が顔を上げて言った。
「左手が、動かないんだ」
見ると、その左手というか左腕は、子供の腕とは思えないほど細く筋張り青緑に変色していた。手の指は細く爪は尖り、だが全く動く気配はなく、モノのように肩からぶら下がっていた。
出張から戻り、ようやく『月影の門』再開です。
本当は、お待たせしました。と言いたいところですが、待ってる人がいないと寂しいので・・・・。
この先は、どうなるのか風樹も分かりません。
ラストが決まっていないんです・・・・。
多分、こうなるだろうな。というのはありますが、毎度の事、登場人物たちに振り回されています。
今回は、今までよりも長丁場になりそうで怖いです。
本当は、別の話の番外編のつもりで書いただけなのに・・・・。
そんな風樹ですが、この話も(呼んでくださる方がいたら)よろしくお付き合い下さい。
風樹の独り言でした。
本当は、お待たせしました。と言いたいところですが、待ってる人がいないと寂しいので・・・・。
この先は、どうなるのか風樹も分かりません。
ラストが決まっていないんです・・・・。
多分、こうなるだろうな。というのはありますが、毎度の事、登場人物たちに振り回されています。
今回は、今までよりも長丁場になりそうで怖いです。
本当は、別の話の番外編のつもりで書いただけなのに・・・・。
そんな風樹ですが、この話も(呼んでくださる方がいたら)よろしくお付き合い下さい。
風樹の独り言でした。
当たり前のことだが、ここにいるもの達は、全員ヘルメットを脱いでいた(じゃなければ、食えないって)。
食堂のカウンター近くに昨日受付をしてくれた男を見つけ近づくと、向こうもこちらに気づき手招きをしてくれた。
「お早うございます。お休みになれましたか?」
穏やかそうな表情で、“どうぞ”と目の前の椅子を指差す。
「え、え、まあ・・・」
あいまいな返事をするミイコに
「あと、十日もすれば住まいへ戻れると思いますので、それまで窮屈でしょうが我慢してください」
言って自分の食事を中断し、二人分の食事を注文してくれた。
「あの、直で伺いますが、トシ・・・私達の連れは、見つかりそうでしょうか?」
目の前に定食の乗ったお盆を置き、目の前に座る青年に問いかける。
「そうですね・・・。今のところ何とも言えません。昨夜も遅かったですし、捜索開始は今日からになるでしょう。ただ、お二人が見たと言うモルドの件もありますし。場合によっては、別働隊が保護している可能性もあります」
「別働隊・・・・て?」
「あぁ、我々の他にも部隊がいくつかありまして、元々はアトフという一つの組織だったのですが、以前モルドの大群に襲われて、本部が壊滅。かろうじて支部の生き残りがこうして細々と活動していると言う有様なんですよ。せめて、・・・・アーマーが残っていれば・・・」
彼はため息をつき、次の瞬間また穏やかな顔になって
「あ、どうぞ、さめますよ。食べ終わったら、そこの返却口に戻してください。何かあったら報告します。では・・・」
そう言って、二人に軽く会釈し席を立った。
「まあな、昨夜の今朝じゃ無理か・・・」
「そうね・・・」
二人隣り合ったまま、無言でもそもそと朝食をとる。
と、突如、ミイコの脳裏に昔見たトシの姿がフラッシュバックのようによみがえって来た。
食堂のカウンター近くに昨日受付をしてくれた男を見つけ近づくと、向こうもこちらに気づき手招きをしてくれた。
「お早うございます。お休みになれましたか?」
穏やかそうな表情で、“どうぞ”と目の前の椅子を指差す。
「え、え、まあ・・・」
あいまいな返事をするミイコに
「あと、十日もすれば住まいへ戻れると思いますので、それまで窮屈でしょうが我慢してください」
言って自分の食事を中断し、二人分の食事を注文してくれた。
「あの、直で伺いますが、トシ・・・私達の連れは、見つかりそうでしょうか?」
目の前に定食の乗ったお盆を置き、目の前に座る青年に問いかける。
「そうですね・・・。今のところ何とも言えません。昨夜も遅かったですし、捜索開始は今日からになるでしょう。ただ、お二人が見たと言うモルドの件もありますし。場合によっては、別働隊が保護している可能性もあります」
「別働隊・・・・て?」
「あぁ、我々の他にも部隊がいくつかありまして、元々はアトフという一つの組織だったのですが、以前モルドの大群に襲われて、本部が壊滅。かろうじて支部の生き残りがこうして細々と活動していると言う有様なんですよ。せめて、・・・・アーマーが残っていれば・・・」
彼はため息をつき、次の瞬間また穏やかな顔になって
「あ、どうぞ、さめますよ。食べ終わったら、そこの返却口に戻してください。何かあったら報告します。では・・・」
そう言って、二人に軽く会釈し席を立った。
「まあな、昨夜の今朝じゃ無理か・・・」
「そうね・・・」
二人隣り合ったまま、無言でもそもそと朝食をとる。
と、突如、ミイコの脳裏に昔見たトシの姿がフラッシュバックのようによみがえって来た。
出張最終夜
宇都宮では見られないビルの明かり
仙台って、七夕祭のイメージばかり頭にあったのですが、驚く程都会で とっても寒いです。
今度は、ゆっくり来たいな。仕事意外で…。
2009/02/19 19:10 撮影
宇都宮では見られないビルの明かり
仙台って、七夕祭のイメージばかり頭にあったのですが、驚く程都会で とっても寒いです。
今度は、ゆっくり来たいな。仕事意外で…。
2009/02/19 19:10 撮影
昨日の続きで
これは、なんと レモン なのだそうです
なぜ、レモンの鉢植えが我が家の茶の間に・・・・
2009/02/15 09:42 撮影
追加 3/1
レモンの鉢植え、今までは、庭にあったうような・・・・。
これは、なんと レモン なのだそうです
なぜ、レモンの鉢植えが我が家の茶の間に・・・・
2009/02/15 09:42 撮影
追加 3/1
レモンの鉢植え、今までは、庭にあったうような・・・・。