「妹姫、うしろ」
姉の声と同時にグルラディーヌが術を一閃。
『風矢陣』
小さな鎌鼬が起こり、次の瞬間、赤い光が弾けて消えた。しかし
「きゃあっ」
「どわぁっ」
水際ぎりぎりにいたレトとグリシーヌに水が襲い掛かる。
「姉姫、レト」
背後で二人の悲鳴にグルラディーヌの注意がそれる。そこへ、足元から水を跳ね上げて生命樹の根が襲い掛かった。
『砕牙剣』
とっさに、術でその根を断ち切ろうとして
「術が効かない」
その手に魔術の剣が現れる事無く、その根に閉じ込められた。
「それに、魔術は効かん」
いつの間に現れたのか、樹の裏側から灰色のローブを身にまとった男が姿を現した。
「わ、出たっ」
グルラディーヌのその言い様に少々むっとした顔をしたものの、正面から目の前の少女を見上げた。
「最初は、これの肥料にするつもりだったが、これがお前達を気に入ったようなので、それも出来ん。まったく、ようやく花を咲かせる事が出来ると思ったら、これではまた、どこかから肥料になる人間を調達せねばならん」
わがままな子供に手を焼く親のような様子で、男が樹の幹をなでる。
「命拾いをしたな娘。これの花が咲くまで、そこで大人しく待っているがいい」
言うが早いか、男はグルラディーヌに向けて衝撃波を浴びせかけた。
姉の声と同時にグルラディーヌが術を一閃。
『風矢陣』
小さな鎌鼬が起こり、次の瞬間、赤い光が弾けて消えた。しかし
「きゃあっ」
「どわぁっ」
水際ぎりぎりにいたレトとグリシーヌに水が襲い掛かる。
「姉姫、レト」
背後で二人の悲鳴にグルラディーヌの注意がそれる。そこへ、足元から水を跳ね上げて生命樹の根が襲い掛かった。
『砕牙剣』
とっさに、術でその根を断ち切ろうとして
「術が効かない」
その手に魔術の剣が現れる事無く、その根に閉じ込められた。
「それに、魔術は効かん」
いつの間に現れたのか、樹の裏側から灰色のローブを身にまとった男が姿を現した。
「わ、出たっ」
グルラディーヌのその言い様に少々むっとした顔をしたものの、正面から目の前の少女を見上げた。
「最初は、これの肥料にするつもりだったが、これがお前達を気に入ったようなので、それも出来ん。まったく、ようやく花を咲かせる事が出来ると思ったら、これではまた、どこかから肥料になる人間を調達せねばならん」
わがままな子供に手を焼く親のような様子で、男が樹の幹をなでる。
「命拾いをしたな娘。これの花が咲くまで、そこで大人しく待っているがいい」
言うが早いか、男はグルラディーヌに向けて衝撃波を浴びせかけた。