宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

月影の門 4

2009-01-31 21:04:57 | 小説 月影の門
「それじゃ、ライブ頑張ってね。あたしも、まどかちゃんと見に行くから」
 そう言って、ミイコは帰っていった。
 まどかちゃん と言うのは、同じアパートに住む 篠塚円 という名のれっきとした成人男性である。ただ、きれいな顔のため、子どもの頃、女の子の服を着せられるなどしたとの事で、ちゃん付けで呼ばれる事がコンプレックスになっているのだそうだ。
 それを知っていながら、年上の男性を まどかちゃん と呼ぶミイコも結構、いい性格かもしれない。

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月影の門 3

2009-01-30 07:47:40 | 小説 月影の門
 カフェ・ミーシャの看板を見つけ、そっとドアを開ける。
「いらっしゃいませ」
 元気の良い声が、ミイコを迎える。
「あれ、あずまみいこ ちゃん」
 黄色いエプロンをかけた朝倉君がカウンターの奥から出てきた。
「いつもの、お願い」
 言って、カウンターを通り過ぎ、奥の席に座る。
 例のコーヒー券を使いきった今、他に客のいない時は、そこがみいこの指定席になっていた。
「お待たせしました」
 持って来てくれるのは、勿論、浅倉君。
 ・・・と言っても良いのだろうか。彼は、現在、家出中の為、宇佐美智史 という偽名でアルバイトをしているのだ(もっとも、ここの店長は、彼の従兄なのでネタばれなのだが)。それだけでなく、借りているアパートの部屋にある表札も宇佐美になっている。
 それは、一週間ほど前、隣の空いていた部屋に新しい住民が引っ越してきた。一体どんな人かな? と部屋から覗いてみると、なんか見た事のある顔、・・・と思ったら、浅倉君だった。
 見られたのを知った浅倉君は、必死になって彼女を拝み倒した。そして、その十分後、みいこの手には、例のコーヒー券が・・・。
 こうして、彼女は、カフェ・ミーシャの常連となったのであった。
「ところでさ」
 コーヒーを運んできた浅倉・・・ではなく、宇佐美に声をかけた。
「なんか、あたしの名前呼ぶ時、ひらがなで発音してない?」
 う   、と詰まって、動きが止まり、
「それは、  つい。あのノートのインパクトが強すぎて・・・」
 もそもそと、口の中で呟く。
 そう、例のノートをコピーしたのを渡そうとした時、表紙に「あづまみいこ」と書いてあるノートを見られてしまったのだ。すぐに、「東 緑依子」と説明したのだが、それ以来、彼は、緑依子を「みいこちゃん」と呼ぶようになってしまったのだ。
 ちなみに、緑依子は、彼をトシ君と呼ぶようになった。これなら本名のアサクラマサトシと偽名のウサミサトシのどちらでも通用する。それに、店内でもトシと呼ばれているので、そのまま使わせてもらっている。
・・・店長の場合、子供の頃の癖でつい、“坊”と呼んで嫌がられている。
「ところで、トサカ君のライブに出るの? エミ達が騒いでたけど」
「う~ん、それなんだけど、いつの間にか出ることに決まってた・・・何でだろう?」
 腕組みをして首を傾げる彼の弁によると・・・。
ノートをとってくれたのは、みいこちゃんだし、予定が合えば、出てもいい・・・かな。と言ったのだと主張したのだが、戸坂君は、すでに決まったたから。の一言。
 おまけにそこへ集まってきたメンバー達に「トサカから聞いたよ。ライブ出てくれるんだって、助かるよ。今回出られないメンバーがいるんだ。よろしく頼むな」
 と先に言われてしまったのだ。さらに、
「たのむよ。これから、おまえのバイト先の店の常連になるし、ライブ後の打ち上げもお前の店でやるからさ」
 とまで言われてしまい、嫌とは言えなくなってしまったのだ。
「トシ君って、・・・もしかして、押しに弱かったりする?」
 そう、ミイコに言われたのだが、自分が押しに弱いのではなく、自分の周りに押しが強い人間が集まってしまったのではないかと思ってしまうトシであった。
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雲のある風景  

2009-01-28 21:48:21 | 空模様


遠い空を 雲が流れる 画像



   2009/01/28 07:06 撮影
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朝日 

2009-01-28 21:27:30 | 朝の画像


道の向こうから 朝日が出てきた画像です


   2009/01/28  07:05 撮影
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朝日 

2009-01-27 07:55:28 | 朝の画像



   2009/01/27 7:39 撮影
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月影の門 2

2009-01-26 20:45:26 | 小説 月影の門
「あれ、この人もバンドに入ってるの?」
 トサカ頭の戸坂君とさらさら黒髪の彼。ここまで正反対の2人が並ぶと笑えてしまう。
「ミイコってば、何笑ってるのよ。違うわよ、浅倉君は。でも、時々、バンドで演奏してるわよね、ピアノとか。結構上手よ、あたし好きだな」
 そういうエミの賞賛の声も聞こえないような顔で、パンを食べている彼。
「そうそう、それなんだけど。こいつ、誘ってるのに全然なびいてくんねーの。つれねーんだよな」
 エミの台詞に乗るように、トサカ君が浅倉君の首に腕を回す。
「だから、あさっては、だめなんだって」
 トサカ君の腕をはずしながら、仏頂面でそう言いながらも、手に持ったパンは、放さない。
「なんで、だめなんだよ。デートか?」
「だったらいいなー」
 パンをかじりながら、すっとぼける。
「まさか、何かやらかして警察の事情聴取とか?」
 しつこく食い下がるトサカ君に
「んな訳ねーだろう。とにかく、あさっては、だめなんだって」
 あさって、を強調する浅倉君。
「あさって?」
「そう、あさって。ついでに言っとくけど、講義も休むから。で、ノート代わりに録ってくれたら、この次は、予定が合えば、手伝ってもいいかな・・・」
 そう言う朝倉君に対し、パキっと固まるトサカ君。当然、ライブで講義を休むつもりの為、ノートなど取れるわけがない。
「そうだ、エミは?」
 助けを求めるように、エミの顔を見るトサカ君。しかし、
「だめよ、あたし、秘書科だもん。それに、その日は、でえと、なの」
 あっさりと振られてしまった。
「でえと、俺という男がいながら・・・」
 わざとらしく、暗い表情を作るトサカ君。
「トサカ君のことは、一ファンとして応援するわ。ライブ頑張ってね。彼と一緒に力いっぱい応援するから。やっぱり、遠くのスターより近くの男なの。わかって」
「ひどいわ、あんまりよ。あたしより、他の男選ぶなんて」
 身体をくねらせながら、女言葉で泣きまねをする、ハンカチで涙を拭くまねをする辺り、どうに行っている。しかし、
「それ、俺のだけど」
 口にくわえようとしたハンカチを、浅倉君に取り返されてしまった。
「なんだ、ケチ」
 子どもみたいなトサカ君の顔に、思わずミイコがふき出した。
「あ、そう言えば、ミイコ。情報処理のクラスよね」
 ふと、気がついたようにエミが振った言葉に、男子2人の視線が集中する。その結果、トサカ君からは、次回のライブチケット(の前売りの予約)、浅倉君からは、バイト先のコーヒー券(十一枚綴り)をゲット。
 どうせ、ノートをとるのは一緒なのに、これは結構おいしいかも。
 その場で渡されたコーヒー券を手にミイコは、思った。
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朝焼け 

2009-01-26 20:28:33 | 朝の画像

建物から太陽が顔を覗かせた時のもの



   2009/01/26 7:06 撮影
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朝日 

2009-01-25 17:40:59 | 朝の画像
木々の間を抜ける朝日(この時間じゃ、朝日とは言わんか・・・)


   2009/01/25 9:31  撮影
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まだ 凍てついてます

2009-01-25 10:06:20 | 植物
霜で白くなった木の枝

樹氷には負けますが・・・・。

春近し とはいえ 

やっぱり、朝は、まだ寒いです。


   2009/01/25 09:31 撮影
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冬空

2009-01-25 09:52:00 | 植物
葉も実もなくなり枝で冬空を抱く ウメモドキ

申し訳ありませんが、風邪と出張の為、小説 月影の門 暫く休ませていただきます。

写真は、時々アップさせていただく予定です。
よろしくお願いします。


   2009/01/25 09:30 撮影
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陽光 

2009-01-24 22:16:35 | 空模様
陽光と雲のコラボ



  2009/01/24 15:55  撮影
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風樹の独り言

2009-01-23 09:48:28 | 風樹のひとりごと
おはようございます 風樹です。

まだ、掲載したい画像があるのですが、そろそろ新小説の第1話ぐらい出さんとまずいだろう、との思いで発表した“月影の門”第一話です。

これも、本来は、長編の番外編として作った話ですが、そちらをやると終わるまでに何年かかるだろう? という長さになりそうなので、とりあえず前回と同じように比較的短い期間で終わりそうなのをと引っ張り出しました。

そのうち、2,3の話を平行に絡めながら書けるといいな~と思っています。

それまでに、書き手と読み手が飽きなければの、話ですが・・・。

残りの画像も掲載したいし・・・・。

この先は(も?)、ランダムで画像になったり小説になったりすると思います。節操のない奴ですみません。

これからも、よろしくお願いします。
                               風樹でした。
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月影の門

2009-01-23 09:35:29 | 小説 月影の門
 ミイコが初めて彼を見たのは、幼稚園の時だった。
 秋の夜、月影に照らされた同じくらいの年齢の男の子。その時ミイコは、彼が一人ぼっちだ、というように思えた。
 その日以来、ミイコは、彼を月の光の男の子と呼ぶようになった。
 次のその子を見たのは、小学校一年生の時。
 両親だろうか一組の大人の男女に連れられた彼は、以前のような古ぼけたシャツと半ズボン姿とは違い、高級そうなスーツを身に着けていた。
 次に見たのは、小学校3年の時。それは、泣き顔の彼だった。声をあげず、ただ、一人歯を食いしばり、声を殺して泣いていた。
 そのうち、中学生になって学ラン姿を見かけるようになり、友人たちと歩く姿。ある時は、彼女だろうか? 制服姿の少女と並んで歩く姿も見かけた。
 その後も幾度か彼の姿を見かけることがあったが、一度も声をかけることは出来なかった。

 最後に見たのは、月の光の中で別の存在に変化をしていく姿だった。
 それは、蒼く輝く外装に包まれ、二本の角(触覚?)のようなモノと白く透き通る翅が月の光に輝いていた。・・・が、それは、夢だったのかどうなのか、いまいち核心が持てないものだった。

 もしかしたら、月の光が見せた幻なのかも知れない。それとも・・・・。
 その後、彼の姿を見かけることがなくなり、時々、思い出すだけになり、ミイコも大学受験シーズンに突入すると、現実の事に忙しくなり、そして、や~っと、息をついたのは、大学に入学してからだった。
 構内や教室で彼を見かけるものの、声をかけるまでにはいたらず・・・。

「でね、ねね、聞いてよ。それでさ・・・」
 大学構内の食堂、いつものように意味もない会話で盛り上がる。
「で、ミイコもおいでよ、本当にカッコイイんだから」
 そして、はしゃいだ声でミイコを誘っているのは、同じ講義を取っているエミ。憧れのバンドのチケットが取れたと喜んでいるのだ。
 ミイコも聞いた事がある。アマチュアのバンドだがこの校内にそのバンドのメンバーがおり、エミ以外にもかなりのファンがいるらしい。
「ほら、見て。噂を知れば・・・」
 エミの指さすほうを見ると、数人の男子陣がかたまっていた。その中に、いたのだ。あの〝月の光の男の子〟が。しかし
「え、どの子?」
 ミイコは、冷静を装って聞いた。
「あの、赤い髪の・・・・」
 エミは、既に目がハート型になってしまっている。が、ミイコには、鶏のトサカにしか思えない。
「ふうん、あのトサカくんが・・・。もしかして、ロック?」
「勿論、・・・にしても、ミイコ。良く知ってるわね。初めてでしょ、戸坂君見るの」
 それを聞いて、ミイコは、目を丸くした。
「え、あの子。とさか君って言うの。本当に? 私は、鶏の鶏冠みたいだな、って」
「鶏の鶏冠って・・・・、ミイコそれ、あんまりよ」
 あまり声の大きさに、例の男性陣がこちらに気付いた。
「あれ、エミ。チケット買ってくれたんだって? サンキューな」
 そのトサカ君が、隣にいた月光君の腕を引っつかんでミイコ達の席に来た。
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夕陽

2009-01-20 17:26:04 | 夕空
薄っすらと 夕焼け

   
   2009/01/20 16:07 撮影
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朝焼け 

2009-01-19 22:40:15 | 朝の画像
薄っすらぼんやりの暁


  2009/01/19 7:08  撮影
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