トランプ氏は大統領選で次期大統領に当選してから、デンマーク領のグリーンランドを購入しアメリカの領土にすること、かつてアメリカ領だったパナマ運河の再領有、メキシコ湾の「アメリカ湾」への改名を主張するなど、ぶっ飛んだ発言をしている。当選する前はこれらの発言はしなかったので、本性を現したなという感がある。
アメリカの歴史上で領土を購入した例は何回かあった。いわゆる西部開拓時代、イギリス、フランス、スペイン、メキシコ、ロシアから領土を購入して領土を拡大し、現在の国土となった。アラスカに関してはかつてロシア領だったが、ロシアが売却したためそれをアメリカが購入した。
しかし、それは昔のこと。21世紀の現代、領土を購入するという発想は時代遅れだ。その地域の住人にとっては自分たちの住んでいる地域が違う国に変わるので迷惑なことだ。
トランプ氏はグリーンランド周辺でロシアや中国の船が多数航行しているのはけしからんと言って、安全保障上の問題からもグリーンランドをアメリカの管理下に置くべきだと主張し、デンマークとの交渉がうまくいかなかった場合、武力行使もありえると発言。
パナマ運河はパナマの独立以来パナマと締結した条約によってアメリカが領有していたが、1999年にパナマに返還された。しかし、トランプ氏は高額な通行料に不満を示し、それを理由に再びアメリカが領有すべきだと主張している。これに関してもうまくいかなかった場合の武力行使も示唆している。
他国の土地を一方的に自国に取り込もうとし、そのために武力行使も示唆する点はウクライナへ侵攻したロシアのプーチンと同じではないか。グリーンランドやパナマ運河の件で本当に武力行使したとしたら、領土が欲しければ他国に侵攻して領土を奪っても良いという口実ができてしまい、真似する国が出かねない。
トランプ氏はメキシコ湾を「アメリカ湾」に改名すべきだとも主張している。複数の国に面した海域は名称をめぐってもめることはよくあり、例えば日本海を韓国では「東海」と呼ぶ。なので、これに関しては珍しい事例ではない。いずれにせよ「アメリカ湾」と呼ぶことを他国にまで強要することは避けるべきだ。
また、トランプ氏はカナダを51番目の州に、つまり、カナダをアメリカに併合しようという発言もしたが、これに関しては冗談だったようだ。
なかなか出口の見えないウクライナ戦争を終わらせると主張し期待されていたトランプ氏だが、当選後の過激な発言には大きな不安を感じる。彼が本気でグリーンランドの購入やパナマ運河の再領有をしようとしても、議会や大臣など周りの政治家が阻止する機能がきちんと働くことを祈るばかりだ。
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