梅雨が明けて、
来る日も来る日もカンカン照り。
ドアの取っ手に挟んであった朝刊が
じりじりと温められて、湯たんぽみたいにほかほかになっていた。
英語の勉強のために読んでいるBBCのニュースにも
"Europe heatwave breaks multiple June records"
「ヨーロッパ諸国を襲っている熱波、6月の数々の記録を更新」
地球は大丈夫かなと心配になる。
山から熊が下りてきて、住宅に侵入するニュースもある。
山も暑さでからからで、食べ物でも探しに来たのだろうか。
地球に優しく暮らしていきたい。
日々できる小さなことに気を付けながら。
宮沢賢治の「狼森と笊森、盗森」の一場面が好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そこで四人よつたりの男たちは、てんでにすきな方へ向いて、声を揃そろへて叫びました
「こゝへ畑起してもいゝかあ。」
「いゝぞお。」森が一斉にこたへました。
みんなは又叫びました。
「こゝに家建てゝもいゝかあ。」
「ようし。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた声をそろへてたづねました。
「こゝで火たいてもいいかあ。」
「いゝぞお。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた叫びました。
「すこし木きい貰もらつてもいゝかあ。」
「ようし。」森は一斉にこたへました。
「こゝへ畑起してもいゝかあ。」
「いゝぞお。」森が一斉にこたへました。
みんなは又叫びました。
「こゝに家建てゝもいゝかあ。」
「ようし。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた声をそろへてたづねました。
「こゝで火たいてもいいかあ。」
「いゝぞお。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた叫びました。
「すこし木きい貰もらつてもいゝかあ。」
「ようし。」森は一斉にこたへました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
森に許可を取って
「いいぞお」と言われたことだけしていけたらいいのだけど。
戦争が1万年以上もなかった時代があるそうだ。
それは、縄文時代らしい。
そんなに長い間戦争がなかった時代などないという。
なぜそれほどの長きにわたって戦争がなかったのかというと、
「所有」という概念を人々が持たなかったから。
弥生時代になって、
「ここが私の畑」と土地を四角く区切るようになってきてから、
戦争が起きるようになったのだそうだ。
みんなの地球だ。
森に「いゝかあ?」と許可を取りながら、
大事に大事に住んでいきたい。
7月1日 おかん