楽善な日々

新社会人となった楽と、大学生善、おとん、そしておかんの日々を綴ります。新しい街に引っ越して、新しいスタートを切りました。

昔昔の思い出~バラの家の夏

2019年08月16日 | 思い出
昔の思い出第2弾。
転勤生活中に住んでいたある家での思い出。
その家はとても広くてぼろの一軒家。
私たちが最後の住人と決まっていたらしく格安で借りていた。
広すぎる庭にはバラがたくさん咲いていて、バラの家と呼んでいた。
楽と善はそのころ保育園児だった。

パワフルでがんがん動く体の大きな女の子、楽。
楽はよく男子と一緒に悪さして怒られていたっけ。
「あんな~。トイレの紙を濡らしてお団子にして天井に投げると、
ペタってくっつくんよ。くっつけとったら、怒られた」
そりゃ、怒られるわ!!

泣き虫で甘えん坊で、いつもみんなにかわいがられていた善。
楽のクラスの虫少年も善のファンで、善に虫を見せに来てくれた。
善が喜んでいたので、どれどれと手元を覗くと、
お化けみたいな大きさのカマキリ!!!
心臓が止まると思ったわ!!
一年中裸足で保育園の床をぺたぺた駆け回っていたっけ。
おかんはデパートの一番上の階で、キッズ英会話教室の室長をしてた。

夏といえばプール、水遊び。
保育園ではかなり大きなプールを毎年出して、
毎日水遊びをさせてくれていた。
プール開きでは、なんと!!鯉をプールに放して、鯉の手づかみ競争。
今、家に、楽が鯉を抱いている写真が飾ってある。
見事手づかみ成功の瞬間。

楽も善も、このころから泳ぎが得意だった。

英会話教室がお休みで早めにお迎えに行けたある日。
保育園の先生がプールサイドで手招きしている。
行ってみると、水面にぷっかり浮かぶ善。
「さいきん、善、浮かぶの好きなんよ。ずーっと浮かんでる。面白いから、横から覗いてみて」
側面が透明なプールなので、側面から善を覗いてみる。
目をぱっちり開けて、口元をにんまり笑顔にしている。
なんだか、こわーい。
「もうね、ずーっとずーっとやりよるけ~。お母さんに見せたかったんよ」

楽もすごかった。
保育園では、年中さんくらいになると、小学校のプールを借りて、
50メートルを使って泳ぐことを目指す。
面白いのが、先生たちは泳ぎ方を一切教えない。
自分で沈まない動きを工夫して、とにかく前進できるようになることを目指す。
この日も、たまたま、仕事がなくてプールを見学しにいけた。
楽は、何度も何度も失敗して、結局、平泳ぎと犬かきを絶妙に混ぜたような動きを発明。
記録会に臨んだ。足がつくまでどんどん泳いで何メートルいけたか記録する。
楽の番。変な動きでひょこんひょこん進む。
進む進む!50メートル到達そして折り返す。進む進む!折り返す。
なんだなんだ!全然止まらないぞ!!
そしてそのまま300メートルの記録を出した。
さすがガタイの大きなパワフル楽さん。すごい!!!

2人は小学生になって、水泳教室に通って、ちゃんとした泳ぎを学び、
楽も善も選手コースに進んで、いろんな大会に出場した。
今では、善の肩幅は「衣文かけ」と呼ばれている。
そして、楽の肩幅は楽のコンプレックスとなっている。

おかんも、実は区大会に出たのだけど、二人とも全然信じてくれない。
なんで、信じられないのか?
二人は、おかんは自転車も乗れないと思っているらしい。
なんでなのか?
まさか、おかんは何もできない人、と思っているのでは?

バラの家があった街での夏の思い出。
                 おかん


実は2度目の単身赴任~昔々の思い出

2019年07月06日 | 思い出
おとんの単身赴任、よくよく考えてみると、2回目だった。
田舎生活のテレビを見ていたら、ふと思い出した。

子供たちが保育園のころ、我が家は転勤族だった。
関西方面を転々と3年ごとに移住する日々。
そんなとき、おとんの関東異動がきまった。
そして、おとんは半年の間、関東で単身赴任することに。
おとんが先に引っ越をしたのだ。
家族で同時に引っ越しするのも考えたけど、
楽しいこと満載の保育園ライフを、楽善二人とも大いに気に入っていたので、
一区切りするまで関西に残ろうと、3人生活を決心したのだったっけ。

楽は保育園年長さん、善は年少さん。
冬でも裸足で駆け回り、
鼻水たらしながら元気に保育園ライフをすごしていた。
初めての3人生活に若かったおかんは心細くなったけど、
小さな楽善は日々ドタバタとたくさん騒動を起こし、
心細さをしみじみ味わう暇さえなかった。

楽善ふたりが大好きだったのが、押し入れの秘密基地。
おとんの荷物がなくなったから、押し入れががらーんとした。
そこに絵本やら、お菓子やら、座布団やら、ぬいぐるみを持ち込んで、
折り紙を細く切ってはチェーンを作り、飾りつけもしていた。
押し入れの入り口には、段ボールに「おうち」と書いた表札があった。
保育園から帰ると、2人でなにやら楽し気に押し入れで過ごしていたっけ。
私も押し入れまでおやつをお届けにあがったりしていた。
トイレとか麦茶とか、用事があるたびに、押し入れから飛び降りるので、
気が気でないおかんは、押し入れの下にお布団などを敷いたりした。

お風呂が大変だった。
おとんがいたころは、洗い係と、上がった子供を居間で拭く係に分かれたものだったけど、
一人となると毎日結構ドタバタでたいへん。
自分のことなんて、洗ったかどうかさえ実感できないお風呂タイム。
一度、保育園ママ友が、ご主人が釣ってきたタコを届けに来てくれたことがあった。
私たち3人はちょうどお風呂に入っていたのだけど、それこそナイスタイミング!
窓を開けるとすぐ玄関なので、窓から顔を出して、
「今、楽に玄関の鍵開けさせるけ~、居間で待っとって~」と声をかける。
「これから、楽と善が上がるけ~、受け取って~」と頼んで手伝ってもらったっけ。
すると、ママ友が「ゆっくり入り~。いつもゆっくりできんじゃろ」って。
久しぶりにのんびり洗えた!
ナイスタイミング!タコとのんびりお風呂タイムをありがとう!感謝!

夜は、おとんがいなくなったら、とたんに広すぎるくらいに思えた和室に、
押し入れから飛び降りるときのクッションとなっていたお布団を川の字に並べて、
3人で横になる。毎晩、おかんが真ん中に寝て、絵本を読んだっけ。
いやあ、今日も無事に過ごせました、という気持ちとともに。

懐かしい最初のおとん単身赴任の日々。
あの頃住んでいたのは、古い一軒家で、広い庭にはバラが咲いていた。
あまりに古いので、私たちが最後の住人と決まっていたらしい。
私たちが出ていくと取り壊しされる予定なので、格安で借りていた。
バラの家での日々、騒動はたくさんあって、書ききれない。
またいつか、少しずつ書いていこう。

今は、ガタイの大きくなった楽と善と、二回目の3人生活。
もう、3人で川の字に寝たり、絵本読んだりすることはないけど、
ドタバタであることは、変わらない。
生活とは、ドタバタである。
              おかん