Jean Sebergの残念な死から42年、ベルモンドもこの世から去った。自分にとっては、心に深く刻まれる出来事だ。どれもこれも幻のようなイメージと言ってしまう事も出来るが、その幻影のようなはかないものが、心の奥に巣食っていて、何かの折に鮮明に蘇ることがある。そして、自分勝手にそこから心を暖める光のようなものを導き入れる。どういう新しい決意をする訳ではないが、今目の前の景色をまるで初めて降り立った惑星のそれのように見るともなしに見るだけだ。人間は本当にどこかへ行っても、どこへも行ってないのではないか。確かに酔いや苦味はある。希望や不安もある。でも、自分はいつもただ細い道で、薄明かりの中で、あてもなく待っているだけのような気がする。死ぬのは、船長さんの奥さんが僕に言ったように、ただ単に順番なのだろう。ベルモンドの順番が来たんだな。
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