東京駅前。高層ビルの真下に向かって段々と近付くように、見上げながら歩いていくと、まるで昔の半蔀が各窓に設置されていて、それらが上方階から下方階へ整然と閉じていくように見えた。無機的なのに美しい、静的なのに動的な、何とも言えない錯覚に心が慄いた。どんな風になっていくんだろう、東京。