知る人ぞ知る岐阜県多治見市の三千盛。2013年物。褒めも腐しもしない。もう一度買うかと問われれば、首を横に振る。幸せは、二種類ある。自らの手で掴むものと、巡り合わせで運良く得るものと。この10年を、この古酒を嘗めつつ振り返る。天と地の間に流転する自分の物語の展開は誰にも読めない。この瓶の中には過ぎ去った10年が閉じ込められているのか?それを知りたい者は、一口一口味わいながら飲むしかない。この10年、さよならも言わずに別れた人々の幾人かを思い出しつつ、それでも何も言えずに。
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