いきなり『ツンボだ～』

中学生の健康診断の出来事だった

どういう訳か在校生が手伝っていたんだろうな～

目を閉じたかどうかは忘れた

片方の耳から聞こえたらそちらの方の腕を上げる

何とも原始的な検査方法だった

実はその時まで左耳が聞こえないと意識してなかった

その『ツンボだ～』の叫びに疑った・・何を考えたか覚えてない

一人皆から取り残された孤独感に襲われた

それが左耳の難聴を意識した瞬間だった

いつ聞こえなくなったか思い出してもわからないが

キッと小学校入学後幼い頃横浜のおばさんの所へ

港祭りに遊びに行っていた１週間位だと思われる

滞在中におたふく風邪にかかり左顎が膨れて左耳が痛かった

２・３日で家に戻ったが『おたふく風邪だよ』・・のお袋の一言で

医者にも行かず『耳が痛い』の訴えにも『メンソレータム塗ってれば治るから・・』

だけで済ませた

それだけしか原因が思いつかない

左耳は成人してから耳鼻科の診断で全く聞こえない事が診断された

片方の耳が聴こえないと言うことは方向がわからない事なんだ

昔からどちらから呼ばれているか全くわからない

人の耳は僅かな時間差で左右の音の入り方で方向がわかる

俺にはそれがわからないから人の声も車の音も救急車のサイレンも

何処で聴こえるのか判断が付かないからキョロキョロする

ステレオの音って体感したこと無い

今でも耳から離れない『こいつツンボだ～』