ちと日にちが経ってしもうたが、前回の渋谷日記の続きでございます。
西武渋谷店の展覧会の後、渋谷区立松濤美術館「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」を観ましたのじゃ。
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/175misawa/
白井晟一設計の建物もお気に入りの松濤美術館が、「アニマルハウス 謎の館」に大変身。
館の主人である彫刻家の三沢厚彦が、親交の深い4人の作家(舟越桂、小林正人、杉戸洋、浅田政志)を客人として招き、館中に5人の作品を展示し、会期中も作品を制作したりしますのじゃ。
そして、館を訪れるわたくし達も客人なのじゃ。
三沢厚彦は、樟(クスノキ)の丸太から鑿と彫刻刀で等身大の動物を掘り出し、油絵具で着彩するのでございます。
1階ロビーで、まずは大きなトラと、浅田政志が撮影した肖像写真がお出迎え。
こちらのトラのみ写真撮影可ですが、館中の作品を撮りたくてジタバタいたしましたぞ。
【謎の館 大広間】地下・第1会場
三沢厚彦の動物たちは、羽根の1枚1枚が力強い白い鳥やら、陶器のようにツヤツヤなミミズクやら、逞しいキリンやら、明らかに等身大より巨大なライオンなどなど、種類もさまざま。
動物だけでなく、初期の作品も棚にまとまって展示され、興味深うございます。
舟越桂の彫刻4点とドローイング5点、小林正人の帆のような大きな絵画なども展示。
舟越のドローイングと、その一部に被さった三沢のコウモリの取り合わせがツボでニンマリ。
謎の館の執事によると、小林正人&杉戸洋が何かをなさるご予定とか。
世間ではそれを「公開制作」と申すそうでございます。
【謎の館 客間】2階・第2会場
サロン・ミューゼに足を踏み入れた途端、うわ~!と思わず声が。
独特な香りが漂う、まるでアトリエの如き客間に、5人の作品がずら~り。
中央にはまだ制作途中らしき2体、一木造りの大きなシロクマと、木の板を組み合わせたオカピ。
その横の作業台のような木の机には、オカピのスケッチなど。
奥の小部屋には、舟越桂の作品と興味深いメモ書きなどもございます。
この各人のスペースの割り振りや設定は、杉戸洋にやってもらったとか。
CDやレコードも積まれ、音楽が流れております。
わたくし、いつもは美術館の展覧会のBGMには否定的ですが、今回は全く気になりませぬ。
なんたって謎の館の客間ですからの、音楽もあって当然じゃ。
心の中できゃ~きゃ~言いながらぐるぐる観た後、大きなソファに座ってまったり。
以前はここで、作品を眺めながらコーヒーや紅茶が頂けましたのじゃ。
カフェは廃止になってしもうたが、この謎の館の客間では復活して欲しいのぅ・・・
などと思っておると、ひとりの男性がやおらオカピに近づき、電動釘打ち機?で木の板をガガガガガと打ち付けるではありませぬか。
と次の瞬間身をひるがえし、隣のシロクマにカンカンカンと鑿をふるうではありませぬか~。
何と館の主人、三沢厚彦その人でありました。
何でも質問して下さいとの事で、明らかに作風の違うオカピについてお伺いしたらば、オカピのスケッチは舟越桂が描いたもので、これを元にみんなで作っていくのだそうな。
既に白く塗られて完成したかに見えるシロクマを彫っているのは、気に入らないところがあるので彫り直しているのだそうな。
鑿で彫る度に独特な香りが強くなりますが、樟の香りだったのですな。
「床に飛び散った木屑はご自由にお持ち下さい」とのお言葉に、遠慮なく頂いてまいりました。
まだ香っておりまする。
シロクマとオカピがどう仕上がるのか、地下のコラボ作品がどうなるのか、再訪して確かめる所存にござります。
この館を永久保存したいくらい、ツボな展覧会でありました。
てか、もうここに住みたいぞよ~。
なれどひとつだけ・・・
謎の館ゆえ作品リストはないとの事じゃが、やはりリストは欲しゅうござります。
会期は11月26日まで。ご興味ある方はぜひ客人になりなされ。
階段の途中や窓の外にいる動物たちもお見逃しなく。
ちなみに図録はまだ出来ておらず、会場で申し込むと後日送られて来るそうな。
さて、この後はBunkamuraの展覧会を観たのじゃが、長くなりますゆえまた後日。
ああ~、でもまだ「怖い絵展」などの美術館話や、ツボなギャラリー話も書いてない~(汗)
★おまけ画像:其の壱
久々に亀十のどらやき。
わたくしには甘さが足りませぬが、ふわふわで美味しいのじゃ。
★おまけ画像:其の弐
ふなわかふぇで、芋ようかんソフト。
今度行ったら、芋ようかんパフェ食べますぞ。