一昨日は、東京国立博物館・平成館「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」を観たのでございます。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1861
会期の後になればなるほど混むと思い、初日のお昼にまいりましたのじゃ。
初日の朝イチも混みそうじゃからのぅ。
もし行列ならば、表慶館と東洋館の特別展だけ観ようと思うたら、嬉しい事に行列はなく、中もそれなりに混んではおるもののしっかり観られる状態でありました。
興福寺中金堂が約300年ぶりに再建されるのを記念して開催された展覧会。
運慶の作とされる現存する仏像31躯のうち、何と22躯が各地から大集結。
更に運慶の父・康慶や、実子・湛慶、康弁らの作品なども加え、展示される約70躯の殆どが国宝か重要文化財なのじゃ。
ありがたやありがたや~。
すぐ近くから360度ぐるっと観られる作品が多いのも嬉しいですのぅ。
会場デザインも雰囲気あり。作品リストが読めぬほど暗いのが少々難じゃが。
構成は以下の3章。
お気に入りや気になった作品など、リスト順に挙げておきまする。
【第1章 運慶を生んだ系譜ー康慶から運慶へ】
・運慶作《大日如来坐像》奈良・円成寺
運慶のデビュー作。
20歳の運慶が、父・康慶のもとで1年弱かけて作ったそうな。
・康慶作《四天王立像》奈良・興福寺
その父の、2m近い大作。かっちょいい。
【第2章 運慶の彫刻ーその独創性】
・運慶作《不動明王立像》神奈川・浄楽寺
真っ赤な炎を背負って、玉眼で睨む表情も迫力あり。
・《大日如来坐像》栃木・光得寺
大日如来の回りで雲に乗るたくさんの菩薩たちも、台座の獅子たちもツボ。
像も厨子も、制作当時の姿なのですと。
像内納入品のX線写真には、舎利などの他に人の歯も写っておりまする。
・運慶作《八大童子立像》和歌山・金剛峯寺蔵
お供のEは、2014年のサントリー美術館「高野山の名宝」展で8躯観ましたが、今回は運慶作の6躯が来ておりまする。
特に《制多伽童子》、5つに結ったユニークな髪型と理知的なお顔のギャップもツボでお気に入り。
・運慶・湛慶作《聖観音菩薩立像》愛知・瀧山寺蔵
他とは明らかに異なる鮮やかな色彩は、明治時代に塗られたから。
お顔や、蓮の花を持つ手や、細密な光背も綺麗じゃ。
源頼朝の3回忌供養の為、頼朝の等身大で作られ、頼朝の髪と歯が納められているそうな。
・《四天王立像》奈良・興福寺
展示室の四隅に立つ、身長約2mの四天王、ダイナミックでかっちょいい~。
巻きスカートは着けておりませぬ。
特に《多聞天》、高くかかげた左手を仰ぎ見るポーズや表情も素敵で惚れました~。
2番目にお気に入りは《増長天》じゃった。
運慶作《阿弥陀如来坐像および両脇侍立像》も観とうござりましたが、10月21日からの展示で涙。
【第3章 運慶風の展開ー運慶の息子と周辺の仏師】
・《四天王立像》京都・海住山寺
ガラスケースに入った小さな四天王、当時の彩色が鮮やかに残り、ぱっと見フィギュアかと思うたほどじゃ。
小顔でスタイルも良いしのぅ。
小さくとも目ヂカラありありで、開いた口にはちっちゃな白い歯も見えておる。
・《神鹿》京都・高山寺
座ったお姿も、色も、玉眼の目もリアルで可愛い。
牡鹿はおすまし顔、牝鹿は首を伸ばしておりまする。
・《子犬》京都・高山寺
首をかしげてお座りした、まるっとした子犬。
もう可愛いとしか言えませぬ。
・康弁作(龍燈鬼)《天燈鬼立像 龍燈鬼立像》
筋肉モリモリな体からは想像もつかぬユーモラスなお顔に、思わずぐふふと笑いが。
運慶の三男とみられる康弁の、現存する唯一の作品。
・《十二神将立像》東京国立博物館、東京・静嘉堂文庫美術館
最後にどど~んと12躯、それぞれの干支が頭に乗り、表情やポーズもそれっぽい。
わたくしのお仲間の兎神もおりまする。
辰神、巳神はかっこいい系、申神はひょうきん顔、午神は怖い顔なのにポーズが乙女。
観応えある展覧会でありました。
会期は11月26日まで。
特設ショップで色々買おうと思うたが、展覧会限定おたべのみ購入。
仏像チックなスペシャルなお味(どんなお味じゃw)を期待するも、普通にニッキと抹茶味じゃった。
もちろん美味しゅうござりました。
1階の運慶学園お写真撮影コーナー。
(運慶学園はこちら→) http://unkei2017.jp/gakuen
わたくし、運慶学園入試の結果は全問正解の特待生じゃったのに、スマホもPCプリンターも持っておらぬゆえ、校章シールは貰えぬのじゃ。しくしく
この後、表慶館でもたいそうツボな展覧会を観たのですが、長くなりますゆえまた後日。
東洋館「マジカル・アジア」や、国立科学博物館「フローラ・ヤポニカ」も観とうございましたが、気力がもたず断念。
後日行かねば。
帰りに新宿へ。
伊勢丹新宿店アートギャラリー「時を感じるアート展」最終日に滑り込みセーフでございます。
http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/floor/main_5f/art/index.html
終わってしもうた展覧会ゆえ詳しくは書きませぬが、21名の作家による、時をテーマにした展覧会だったのじゃ。
坪内好子の4点のうち、銅版画に金箔、手彩色の《時間旅行 月の船》が美しくてツボ。
長瀬萬純の石粉粘土の3体1組《なぞなぞ》もユーモラスで楽しい。
そして前回の「罠兎の企み」展でお迎えした罠兎ピアスを受け取り、Eは早速着けて帰ったのでございます。