お好み夜話-Ver2

解除しない!!

先週土曜日、激しく降った雨上がりの午後8時過ぎ、店を閉めて駅へ向かうと、コンビニ前に10人ほどの大学生くらいの男女が輪になって手に手に缶チューハイなど持ってたむろしていた。

道を塞いだその連中はあごマスクもいれば完全にノーマスクもいて、笑い合い去りがたく、かといって2軒目か3軒目の店を探すでもなく、お手軽なコンビニ前会食を決め込んでいた。

駅前には5、6人のグループがそこかしこにたむろしていて、鵜の目鷹の目の呼び込みがその連中を物色し、歓送迎会の時期の普通の光景ができあがっていた。

学生風はもちろんのことネクタイの中年世代も多々いて、マスクをしていたとしてもとても緊急事態宣言下の街とは思えない。

政府の言うことも都知事の言うことももはやこの連中にはなんら響かず、やがて桜が咲き誇り暖かくなったらさらにエスカレートするのは火を見るより明らかだ。


日曜日、若者3人がカウンターに並んだ。

もしオヤジが入り口にいたら入店を断ったろうが、ちょうどUberの調理をしているところで、かあちゃんは何も考えずにwelcomeしてしまった。

その男3人組はすでに赤ら顔の2軒目か3軒目で、マスクをはずすと大声の酔声、なんでもいいと二人がほざきデカイ態度のもう一人がハイボールを3つオーダー。

聞くともなしに漏れ聞いていると、大学生ではなくどこぞの会社勤めをしているサラリーマンで、年収何千万だのスキルアップだのととても向上心のお高いような御託を並べ、彼らより3倍近く生きながらえちまったオヤジはむず痒くなるような気持ちでいた。

どうでもいいエロ話しのついでに、一人がこうほざいた。

「一度コロナにかかってみて~よ」

キレそうになった・・・。

しかしここ数年テメエの体で切った張ったを繰り返したオヤジは、体は貧弱になったが態度は少し丸くなった。

それを寄る年波といわば言え、あと半年は良い子にしていなけりゃ体が安定しないから、つまんないことに関わりたくはないのだ。

せっかく来てくれたお客様ではありますが、もうとっととおかえりくださいの心境で押し黙って洗い物などしていた。


ここのところ、夜の街の往来は増えているようだ。

先日なんか外灯を消してシャッターを半分占めてUberの配達員を待っていたら、2軒目か3軒目の男女が戸を開けて、

「まだやってますかー」

と顔をのぞかせた。

「この状態みてやってると思う?」

というと、

「ですよねー」

と戸も閉めずにフラフラ行ってしまった。

そんなことが2度あり、カウンターでいくばくかの酒を飲んだカップルの何組かがマスクを忘れていくことも数度、店の前のエアコンの室外機の上に飲み残したチューハイの缶が数本、まわりには吸い殻が数十本捨ててあることが頻繁になった。

当たり前の酔っ払いの日常が戻ってきつつあるのでしょうかΣ( ̄。 ̄ノ)ノ


22日までの緊急事態宣言が解除になるんだって。

そりゃそうだ、これ以上やったってなんの効果も上がるまい。

響かない連中には何をどういったって届かないし、響かない。

ましてヘッポコお上の言うことなんざ、見てないし聞いていないのだから。

時短営業せよと罰則まででっちあげたけれど、誰がどう見たって不公平な協力金という慰め金でお茶を濁し、テメエたちばかりお国のためだと会食しまくって、バカを見るのは庶民なりだ。

緊急事態宣言が解除されても何にも変わらない、とくにウチの場合は。

どうでもいい酒をかっくらった連中が2軒目か3軒目になんでもいいと来る率は高くなるだけで、ちっともいいことなんてない。

そういう連中は「客は選べねぇんだよ、偉そうに」と言う。

しかし申し訳ないが、今後は選ばせてもらおう。

2軒目、3軒目の方お断り、マスクをしていない人、4人以上は入店不可。

時短が解除されたってせいぜい10時がいいとこだ、それ以上やったって今はリスクが高いし、少なくとも今年いっぱいは用心するに越したことはない。

世間はどうでも、こちらの気持ちは緊急事態宣言は解除しない。

PCR検査を4度クリアしたって、5度目もOKとは限らないしね。

今は粛々と自己防衛をしながら営業を続けるのだ。

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