プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 「夏目漱石全集 4 虞美人草 坑夫 (ちくま文庫版)」

2024年11月28日 | ◇読んだ本の感想。
「虞美人草」、久しぶりに読んだー。やっぱり漱石は面白いなあ。

蔵書なので一度は読んだはずだが、はるか昔でもあり内容はほぼ覚えていなかった。
女主人公が美しく、毒があって、めんどくさい女だった気が……程度しか。
虞美人草はヒナゲシ。ヒナゲシという花に藤尾のイメージは重ならないが、
これはやはり「虞美人草」という字面と由来の助けを借りてでしょうね。

こういう話でしたか。記憶にあるよりシンプルなストーリーだったなあ。
なるほどなるほど。こういう風にめんどくさかったわけですね。
複雑な話だった気がしていたけれどもわりとシンプルですね。
当時大学生くらいで、そんなに理解力がなかったわけではない気がするのだが……

ただキャラクターの人間関係は、見方によるけど浅いかね。
この小説は(わりと)絢爛たる描写と哲学的な思索がメインで、そこを愉しむもんだと思う。
逆に言えばその部分が愉しめないと全然面白くないだろう。

藤尾はいい人では全然ないし、実生活では友達になりたくない人だが印象的だよね。
小野さんはぼんやりしている。藤尾との関係性でもぼんやりしているし、
恩師の娘との付き合い方はさらにぼんやりしている。
甲野も韜晦しながら哲学しているし、宗近はまあまあはっきりしているけど、
立ち位置的にはかがいかない。
継母は上手く立ち回ろうとして韜晦しているのでぼんやりしている。

でも途中で宗近が急にしっかりしますよね。おやおや、突然いいこと言い始めたよと思った。
それだけではなく、お父さんを上手く使って立ち回らせ、前半はぼんやりしていた妹も
突然ピントが合い始めて。はっきり意見を言い始める。
宗近家は最後になってみればみんな気持ちいい人々でしたよ。
こういう人たちなら付き合ってもいい。

甲野はいやだね。まだるっこしい。
小野さんも嫌だね。最終的には義理を選ぶとはいえ、最初は計算ずくで選ぶつもりでしょ。
しかも藤尾を選ぼうとしていた人が、目が覚めて恩師の娘を選んだところで、
そちらを幸せにしてあげられるのかは甚だ心もとない。
結局何年か経てば、今度は上司のお嬢さんとかに目が眩んで、
恩師の娘と結婚したことを後悔する人生を送りそうな気がする。

今回で小野の目は開かれたのでしょうか。ほんとに?

甲野家もそれ以上に前途多難だよねえ。こっちのうちは、とにかく糸さんの気働きが
どう出るかにかかっている。甲野さん自体は悠々としてそんなに現実にまで
食い込んでいかないでしょう。全てを糸さんが回すようになっちゃう。
義母があれでは苦労だろうなあ。
あまりめでたしめでたしにはならない結末。




「坑夫」の方は、暗いというか地味というか。書きぶりはほのかにユーモラスなんだけど。

坑夫の生活を書いてみようというその挑戦はいいが、
おそらく漱石からはほとんど真反対の世界のことでしょう。
そこを青書生というか、坊ちゃんに視点を与えてうまく乗り越えているが、
だからといってプロレタリア文学になるわけではないから。

坑の中の描写は詳細で驚いたくらいだから、実際に取材には行ったんだろう。
だが完全に頭脳労働者の漱石には、やはり遠い世界の出来事だったはずだ。
わたしにとっても知らない世界のことで、そこを読めたのはいいんだけれど、
群盲象を撫でるという傾向があるのは否めない。

まあ本人が範囲を広げようという意欲を買うべき作品といっていいんじゃないかな。
結局最後もどうなるってわけじゃないしね。
坑の中に入った後は、20ページくらいか?もう少しあるか?で終わってしまうし。


まあでも。漱石は好きですよ。



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< ア・ターブル! ~ノスタルジックな休日~ >

2024年11月25日 | ドラマ。
前作「ア・ターブル!~歴史のレシピを作って食べる~」の続編。
前作とほとんど同じの環境映像。いや、むしろ歴史のレシピの要素が全くなくなったことで、
仕掛け的な部分がほとんどなくなり、ノスタルジーのみで構成されるおだやか映像。

わたしは市川実日子が好きだし、住んでいる家のたたずまいもなかなか良いと思うけど、
特に話がないのでドラマとしては退屈だなあと思っている。
ま、これは好き好きで、この何も起こらなさがいいという人も多くいるだろうから、
それはいいんだけれども。
わたしは市川実日子の笑顔を見るために見ましたよ。

オープニングの、線を強調した写真を「こういう撮り方も面白いなあ」と思いながら
見られたのが今回の美点。東京タワーを超ズームで撮る。
昭和っぽいテイストに惹かれる人もいるかもしれないが、わたしはそこはそんなに
惹かれない。わかるわかるとは思うけど。

だが前回「歴史のレシピ」ってことで多少なりとも新知識というか、
中身を感じたのに対して、今回のコンセプトではさらに密度を感じなくなっているから……
アドリブっぽい台詞もあまりも可愛い雰囲気にしようとして、いつも同じテイストに
なっている。甘すぎるんだよね。わたしの好みからすると。

もっとピリッとしたところがあれば面白くなる。
でもそこは脚本家ががんばるところだよね。役者ではなく。

シーズン3があったとして、次を見る気になるかどうか。
見ないかもしれないなあ。
モヤモヤするようなドラマの後に見るにはいいんだけどね。その要員として見るか。

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◆ 特別展 多賀城1300年

2024年11月22日 | ◆美しいもの。
12月15日まで東北歴史博物館で開催中。

うん。まあ。予想通り程度。そんなんでもないだろうなーと思って見に行って、
そんなんでもなかったので特に問題ない。まあうっすら面白かったところもあったし。

やっぱり見せ方が稚拙な気がしますよ、東北歴史博物館さん……。
多賀城のおひざ元にある博物館なんだから、そのアドバンテージを存分に生かすべきだった。
まさか本格的な模型がないとは思わなかったよ。
まあ模型は常設展の方にけっこう凝ったのがあったか?
今回常設展は見なかったので忘れたが。

多賀城1300年という特別展で、先立っては郡山遺跡のこととか、
のちには胆沢城かと払田の柵について展示するのも間違ってはいないし、
藤原京との比較を出してくるのもまあいいんだけども、
それぞれのメリハリがないので肝心の多賀城の印象が薄れる。
薄れないように作るべきだった。
主役は誰だと思ったよ。

そんなに歴史に興味のない人には、いくら人形を並べても漆紙文書を並べても
かわらけをあちこちで並べてもそこまで面白みはないんじゃないか……
わたしは物によってはギリギリ面白かったが。
1300年前の人が書いたへなちょこな漢字とか、味わいがありますよね。

あとは……まあ土器とか並んでました。硯とか。
それに不満は持たないけれど、もう少し派手なものも欲しかったなー。
エキシビならば。やっぱりエキシビはエンタメ性も必要だと思うの。

まあでも1300年記念ということで、このテーマは必要だった。
おつかれさまでした。


※※※※※※※※※


そして、先日完成したらしい多賀城南大門も見てきました。
イメージよりけっこう小さめ。わたしは平城宮の復元大極殿のイメージが残ってたから、
ちょっと過大に想像していたのかもしれない。

こういうのがあるのとないのとでは、観光地としての厚みが変わるかもね。
今までは何もない多賀城址だったけれど、今回南大門が出来て往時を想像しやすくなった。
いいことだと思う。
官庁群なんてのも作ってたんですねー。この調子で復元をガンバレ。

――が、南大門は出来たんだけれども、周辺は引き続き整備中なので、
実際に見に行くのはもっと後でもいいと思いますよー。
今は写真を撮ろうとしても、引きで撮ると工事機械が写ってしまうので映えません。
もう少し経ったら政庁跡、壺の碑、東北歴史博物館とセットでお出かけください。

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89ers、イオン名取にグッズショップ開店。

2024年11月18日 | 仙台89ers。
グッズショップの開店なんてそうそうあることじゃないので行ってみました。
試合と試合の間が空いて、暇だったしね。

事前情報的にそんなに大したことをするわけではないのは知っていた。
わたしが一番期待していたのは選手何人かでトークショーなのだが、それはなく、
各日選手一人との写真撮影会でした。タリキ選手が16日。ナベショーが17日。
写真撮影にはそれほど興味はない。ちょっと残念感があった。

そして、その写真撮影に応募するためには最低5千円のグッズ購入が必要というのがね……
開店に当たって売り上げも欲しかったんだろうが、せめて2千円くらいにならなかったか。
わたしは2千円でも買わなかったかもしれないけど。
あまり物が増えるのが好きではないのよねー。必要なものなら買うけど。
グッズってあまり実用性ないでしょう。

事前情報になかった2000円のお楽しみガチャポンを用意したのは良かった。
5000円以上のイベントだけだったら楽しみが少なかった。

でもまあ、開店祝いにと思って選手タオルを一枚買いました。
毎シーズン選手タオルを買うわけではなく、贔屓の選手のタオルもブースタークラブの
特典に付いてた頃のものだったりするんだけど、去年買う買うと言って
結局買わなかったナベショーの分は先日会場で買い、
ネイサンのタオルはショップで買おうと思って取っておいた。

これで今シーズン振らなきゃいけないタオルは4枚になり、……4枚のタオルを
会場に持っていくのは大変です。しかも振るチャンスがそうあるかというとね。
しかし振らなきゃせっかく買った意味もないし。痛しかゆし。

サインより写真撮影の方が選手側の負担は若干減るだろうね。
今回はたしか150人だったんだけど、150回もサインしてたら手首が死ぬ。

わたしとしては、グッズ購入2000円にして、選手に3人くらい来てもらって、
各選手150人合計450人というくらいのサービスでも良かったと思います。
ちょっと多いか。各100人でもいいか。

けっこうな来店人数で、10時半頃行ってあんなに並んでいるとは思わなかった。
ソフトバンクのショップに併設の場所だから、もしかしてほんのちょっとのスペースかと
思ったが、まあまあ面積があった。がんばってほしいですね。売上的に。

でも写真撮影しているところを遠くから見られてちょっと楽しかったし、
その後はさんざんイオンをうろうろして久しぶりに買い物を楽しんだし、
全体的には楽しい一日でした。満足。



あっ!そういえばティナに行き会って写真撮ってもらったんだった!
それが満足感の源かも。ティナはあの大きな頭をこっちにもたせ掛けてくれて、
「仲良し!」ってポーズをしてくれたので嬉しかった。

さて。次は群馬戦ですねえ。
勝率的に――分は悪い。が、大阪にも勝てたもんね!最初からあきらめちゃいけないよね!
勝てると思ったところに負け、負けると思ったところに勝つこともあるんだから
バスケは面白いんだからね!
楽しみにしています。

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< 八犬伝 >

2024年11月15日 | ☆映画館で見た映画。
そんなに見たいとは思わなかったんだけど、12月の半ばで映画館のポイントが切れる予定で、
他に見たい映画がなかったための苦渋の選択。
12月半ばに「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「聖☆おにいさん」が気になっているが、
ちょっと遅いのよねー。もう一週間早かったら良かったのに。

しかし銭天堂の方は様子見をする。わたしは天海祐希はかなり好きなんだけど、
この人の出演作選びは合わないのよねー。面白くないかもしれない。

「聖☆おにいさん」は、ドラマはちょっと見て退屈だったけど、
映画はもう少し力を入れてくれて面白い予定なので。(原作マンガは面白いし、
設定も良いし役者も大丈夫。ドラマが退屈だったのは制作陣の怠慢。……か予算不足)


それはさておき、この映画、けっこう面白かったです。

「八犬伝」といいつつ、八犬伝自体は劇中劇ですね。
いい選択だったと思う。八犬伝って基本的に極彩色の伝奇物だから、
大人が見るには少々ツライ物語。

劇中劇以外の部分は、滝沢馬琴の(うっすらとした)伝記。
葛飾北斎との会話劇。そんなに大したことを喋ってるわけではないが、
役所広司と内野聖陽の空気感で面白く見られた。

対して劇中劇の方は若手を多用し、がっつりファンタジー。冒険活劇。いうたら戦隊物。
2.5次元という言葉が脳に去来していた。
実際戦隊物に出た役者も多かったようだ。そしてみな若くてイケメンなので、
……見分けはつかないのであった。

映像的には派手で良かったかも。
衣装デザインや色合い、セット(CG)は浮世絵がだいぶ参考にされていたね。
特に源八と信乃の大屋根の捕り物なんかはそうだった。
屋根の崩れ方はいかにも不自然だったが、むしろあれは人外の力が働いているんだろうと
納得出来た。

わりと細かいところまで作ってた印象。
鶴屋南北の赤い目とか。そのわりに舞台中の奈落に人っ子一人いない、という描写には
違和感があったが。

2番目の家の柱が一本だけ新しいのも、リフォームを表しているんだとしたら芸が細かい。
だが1番目の家の、あの視点から向かいの2階の窓が見えるのは違和感。
それから、2番目の家に引っ越した時、引き出しや冊子がまったく同じように
積んであるのは違和感。
まったく同じにすることでこだわる馬琴の性格を表そうとしたのかもしれないが、
そしたら広くなったんだし、素直に本棚を使って欲しかったわね。絵面が同じになるし。

玉梓の化け物表現は適度に抽象化され、きれいで良かった。
珠もきれいで良かった。あまりグロく作らなかったことも奏功。

玉梓は栗山千明だったんですね。3回くらい人格が変わってて、
最初は処刑された人、次になんだっけ?なんかもう一つ出て来て、
最後は怪物に変わる。……が、1回目は誰これ?と思ってて、2回目でもわからなくて、
実は最後は大塚寧々だと思って見ていた。まあ今回特殊メイクが大活躍してはいたが、
大塚寧々と栗山千明を間違えるようではあきませんわ。

役所広司もすっかり大物になって、それほど食指が動く役者ではなくなっているけど、
今回の内野聖陽との掛け合いは面白く見られた。
馬琴は、もっと偏屈で強圧的でうっとうしい造型でも良かったかも。
わたしのイメージでしかないが、嫁のお路には無理強いしたんじゃないかと思うんですよね。
お路が申し出たことにすれば美談だけれども。
まあでもこの映画で馬琴がうっとうしいと、見るのがうっとうしくなるので
これくらいで良かったのか。

浜路がもう少し美女でも良かった。信乃が美形で、それにつり合うくらいの美女で良かった。
ちょい役だからこそ余計。原作ではもう少し重い役柄ですけどね。
今回の八犬伝は相当にダイジェスト版だから。

寺島しのぶも相変わらず癖の強い芝居を……。すっかり癖者役者として定着してますね。
最後もああやって死ぬのか。しぶとい。きれいに死なせる手もあったろうになあ。
黒木華はぴったりかもねー。しかし無学の女に見えるかどうかは微妙。

磯村勇斗はわたしが見るドラマにけっこう出ている。
が、わたしの予想よりは普通になった。もっと癖の強い役者になると思っていた。
まあ癖の強い役は数的に限られてますからね。



全体的にストーリーはダイジェスト化が成功。
しかしああいう作り方すると、「全部全部悪いのはアンタ(里見義実)のせいやんか!」と
いいたくなるわね。伏姫が八房に連れ去られるのも、玉梓に里見家が呪われるのも、
全部口の軽さによる災い。アンタが悪い。

八房はもう少し可愛げを加えて欲しかったなあ。
でかい犬で迫力はあるべきだけど、八房は伏姫をほんとに好きだったんだよ。
そういう部分を描いて欲しかった。その方が厚みが出ませんでしたか。

まあまあでも、期待しないで見に行ってこのくらい面白ければ重畳。
あんまり食指が動く映画がない昨今、半年に一度くらいは見たい映画に不自由しないように
なればいいな。



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◇ 木々康子「林忠正とその時代 世紀末のパリと日本美術」

2024年11月12日 | ◇読んだ本の感想。
1987年出版の本。女性学者の人文書が出るのは、この年代では珍しいかもなあ……と
思いながら読み始めたが、読んでいるうちに学者ではなくて、林忠正の小説を書いた人
という情報が出て来て「おや」と思い、さらに途中であとがきを読むと、
「祖父林忠正」という一文が出て来て「おやおや」と思った。

(ついでに言えば、Wikiでは「義祖父」とあったが、義祖父って?
いろいろな場合があるから義祖父ってだけ言われても難しいよね。
そう書くならば、その関係性まで書いといて欲しいなあ)

まあちょっと詳しすぎるきらいはあったけどね。
本人は評伝といってるが、むしろ史料的な価値を目指したんだろうと思う。
なので、林忠正の概観を一本道で辿るというよりは、パリにおける日本人の状況と
周囲の交友関係、日本美術のパリにおける状況の詳細がメイン。

少し引用が多すぎる&長すぎるとも感じた。
でもこういうの、以後、林忠正で本を書く人には本当に有難いんだと思うよ。
年表もあるし、索引もついてるし。
いや、密な内容で労作でした。

内容で一番印象的なのは、林忠正自身についてではなく、
明治初期の日本人美術商の常識においては「日本美術は大したことない。
中国美術こそ高級」という志向があったということ。
なるほど。浮世絵が価値を認められていなかったというのは理解していたが、
それよりもっと広い範囲で日本美術の価値が低かったのか。

それは美術商ならではの価値観ではあると思うけどね。
隣の八ッつぁんが作っている根付よりは、はるばる海を越えてきた美術品の方が
有難味があるし、それだけ高値を付けられる。
やっぱりブランド信仰というのはいつの時代でもあるだろうし。

が、そういうことを置いても、日本美術を認めるなんて
(高級)美術商の沽券にかかわるという風潮まであったとは想像しなかった。
いや、この本ではそこまで書いてあったわけじゃないが。人にもよるだろうし。


林の人物に焦点があまり充てられていなかったのが、少し物足りなかったかな。
まあそれは小説を読んだ方がいいんだろうけど。
書きぶりが冷静だった。身内のことを書いてる感はほぼ感じなかった。
身内のことだったらもう少しかばって書いても良かったくらい。
毀誉褒貶半ばする人物のようだから。日本美術を流出させた悪党だとかね。

でもこういう人が海外で流行らせなかったら、日本美術への日本人自身の評価は
低いままだったろう。
もちろん商売だし、利益を追求した部分も大きいだろうが、それとともに
日本美術の良さを広告した功績は大きいと思うね。

次は別の視点から見た林を読んでみたい。

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< ビリオン×スクール >

2024年11月09日 | ドラマ。
3話目か4話目で話が若干うざったくなったので視聴を止めようかと思ったのだが、
持ち直して結局最後まで見た。……と言いたかったが、最終話がなぜか録画失敗していた。
なんでや!

わたしは山田涼介が出るコメディがすごく好みなのよ。
素で喋ってるところを見たことがないから、本人自体は好きかどうか不明だが、
軽くて可愛くておバカなコメディ。今までけっこう見ている。
「もみ消して冬」「セミオトコ」「王様に捧ぐ薬指」……あれ?こんなもんか?

今作は「セミオトコ」に引き続いて木南晴夏とのコンビ。
木南晴夏好きなので嬉しい~。「セミオトコ」とは関係性が全然違ったので素直に楽しめた。
あの愛ある角突き合わせは嫌いではない。

あと職員室の面々が面白かった。うるさかったけど。
一人くらい宥め役がいてもいいだろうと思ったが、
まあうるさく作りたかったんだろうから仕方ない。

あれは芸でしたね。特に永野宗典なる人と坂口涼太郎のはじけっぷり。うるさいけど。
10話あたりで、カメラに映ってない他の面々の笑いが映っていたが、あれは素でしょう。
本編に持ってくるなんてズルいな。面白かったからいいけどさ。

キャストは豪華だと思うし、安達祐実もハマってたと思うが、
神木隆之介の役は特に必要だったと思えない……
いなくても良かった気が。
あ、でももしかしてわたしの見てない最終話で重要な役柄を演じるのか?


ただ(このタイトルで、あらすじを見て、それでも見たんだから悪いのはわたしだが)
高校生のイジメのドラマを見てもつまんないんだよねー。
イジメの構図が薄っぺらかったし。3話4話がうざったかったのはそれ。
もう少し大人側に寄せれば良かったのに。と思いながら見ていたが、
終盤に向けてああいう話になるなら、イジメという軸を外すわけにいかないよなあ……。

でも若者の役者たちは総じて良かったですね。24、5歳の人もいたようだ。
ちゃんとした芝居をしていた。
昨今は少年役にちゃんとした芝居をする人を起用している印象がありますね。
話部分をもうちょっと面白くしてくれればもっと活きたが。

水沢何某という人は次の大河に出るんだね。ちょっと見てみたい。
あと金髪の子が……役名がわからないが、森田剛の若い頃と狩野英孝を足して
2で割ったような人だなーと思って見ていた。
あと雪美と仲良しだった女の子が、飯豊まりえに似てるなーと思っていた。
映画好きの子が神木隆之介っぽいと思っていた。
まあそれほど賛同は得られないかもしれないが。

若い頃の仲間づきあいはなつかしい。少し。
まあ脚本をくさしたけれど、その甘酸っぱさを思い出させてくれたことはありがたいのか。
とにかく最終話が見られなかったのが不満。なんで録画出来なかったんだろうね?



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◇ 中村弦「ロスト・トレイン」

2024年11月06日 | ◇読んだ本の感想。
はるか昔――な気でいたが、「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」を読んだのは
2017年でそこそこ最近でした。7年前を最近というかは人によるだろうが。
「天使の歩廊」は日本ファンタジーノベル大賞受賞作。まあまあ好きだった。
今作は2作目。

いい意味で地味で小粒な作品。……うーん、悪い意味も含んでるかな。2%くらい。
序盤は地味で、最後まで読み続けられるか心配になった。
台詞に「?」を多用するのもちょっと気になった。
でも20ページくらい読んだら話が動いて、ちゃんと入り込めました。

真面目で地道な主人公が、年の離れた人品卑しからぬ老人と出会い、親交を深めるも、
彼は謎の失踪を遂げ、老人の行方を追う過程で知り合った女の子と一緒に旅に出る話。

そう書くとミステリっぽいが、基本的にはファンタジーです。
後半ちょっとだけミステリ、全体的にはサスペンスな雰囲気もあるけど、何しろ地味。
一番美味しいクライマックスの前に一部種明かしをしちゃうくらい。
ある意味、人がいい。良すぎる。もったいな!と思った。

けっこうな比重で鉄オタ&鉄子の要素があるので、鉄分があれば余計面白みを感じるだろう。
わたしも鉄分は若干あるので楽しめた。
でも作者はそんなに鉄オタではない気がする。もし本人が鉄オタで、それをこんな風に
ふんわりと仕上げているのであれば、それは腕。

結末は、そうするのとそうしないのと、どっちが正解かなと思った。
ちょっとねー。彼女の感情の流れが納得できないのよね。
わたしだったら続行一択で、心変わりはない気がする。
でもこれが最後のチャンスじゃないという意味では、いいのか、これで。

そして「奇跡」の部分はちょっと描写的に弱かったかなー。
ここはもう少し、わざとらしいくらい盛り上げても良かったかもね。
もったいないその2。

とはいえ――この地味さは映像化に向いてるかもなあと思いながら読んでいた。
あんまり派手なファンタジーだと実写ドラマ化は難しいが、
地に足がついたファンタジーなので、クライマックスのCGさえがんばれば
(ここで手を抜いたら駄目だけれども)けっこういいドラマになりそうじゃない?

主人公は思いつかなかったけど、それっぽく雰囲気を作れる役者なら
そんなに難しい役ではない。ヒロインは綾瀬はるかの若い頃をイメージしていた。
邪気のない感じの女優さんで誰か。
10回とかでやる話ではないから、NHKの6回か8回でちょうどいい気がする。


派手さはない。でも面白く読んだ。
ただ確かにねー。癖がない分、ファンはつきにくかったかもなあ……
この人は2011年に3作目を出版したのを最後に以来出版はなし。
もう書かないんだろうな。少し惜しい。




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89ers、11月2日の試合。

2024年11月03日 | 仙台89ers。
ああ、がっかりする試合だったねえ。

まあ負けたことは仕方ないとしよう。
しかし最終盤のあのダメダメさは一体なんね!ターンオーバーの連続。
あれはブースターをがっかりさせるシーンではありました。
いや、がっかりではない。憤激。

序盤は「勝てる」と思ったんだけどなー。
名古屋は全体的に粗いと思った。力技で来ているので、
そこは徐々にこちらの堅実なディフェンスで抑えられるだろうと。

だが結局、最後まで主導権は握れずにだいぶ差をつけられて試合は終わりました。
ああいう力技で来るところはたしかに苦手かもしれないが……
抑えられそうなんだけどな。でも真正面から突っ込んでくる相手を止められず、
ひょいひょいレイアップされていて、抑えられてないのよね。
全然堅実じゃない。

相手もそこまで3ポイント試投数も少なかったんだから、まあ3ポイントに対応したから
広がって中に切れ込まれていたのかもしれないが、もう少し守りを密にするべきだった。

片岡をもう3分、早く出して欲しかったなー。
相当ひいき目が入ってるとはいえ、片岡は流れを変える人なんだから。
ここで出さないとは今日は出さないと決めているのか、体調が良くないのか、と思ったのに
後でちゃんと出てくるじゃんね。だったらもう少し早めに出すべきだっただろう!
ぷんぷん。

ヤン、青木がこれだけ出ていて0点なのは……まあ青木はPGとして得点だけが
仕事じゃないが、アシスト5はいいとして、ターンオーバーが4はいただけないねえ。
青木がボールを持つとドリブルが長くて嫌なのよ。ボールが動かない。

そして角度がない3ポイントの位置に選手をずっと貼り付けておく戦術は納得できない。
5人のうち2人を張り付けておけば、動く選手は3人だけで、しかもその足も止まり勝ち。
ボールが動かないのだ!

フリースローも全然もらえないのよねー。
ゴールに向かっていく気持ちが足りない。気持ちというよりも戦術が足りない。
そこらへんは多嶋が出来ていると思うので、他の人は見習ってほしい。


……まあ負けたのだから仕方ない。
明日だ、明日。同じことをやっていたら負ける。戦術を練ってしっかり対抗してほしい。


怒りまくって忘れていたが、今日は山蔭ヒーロさんがゲストで来てくれてました。
2018ー2019までのシーズン、ずいぶん長くアリーナDJをやってた。
好きだったので懐かしかった。画面が見えなかったので顔はほぼわからなかったが、
病気でたしか辞めたんだよね。元気で良かった。
30日、マラカイの代打でMCに来るんだってよ。嬉しいな。



※※※※※※※※※



そして……
今日も昨日と同じでした!以上!


大差がついて負けちゃったよ。
いやー、せっかく来場者5000人超えたのにこんな試合をしていては。
次は水曜日なんですね?忘れていた。相手は北海道。

次は勝て!




※※※※※※※※※



11月16日、17日は名取のイオン(ダイヤモンドエアリ)で、
89ersショップオープン記念でイベント……というので、行こうと思って
楽しみにしていたが、その内容が、

5000円以上買った人に対しての選手との撮影会なんだって。

これはちょっとつまらないなあ。撮影会に興味がない人も大勢いるでしょうに。
そして5000円というのも高すぎると感じる。
まあ撮影会にするんだったら、そんなに人数は増やせないけれども。

もっとみんなで楽しめる、トークショーとかが良かったよ。
売上げは伸びないだろうけど。でも目先の売り上げも大事だが、
こういう感じ悪い商売をしていくのはどうかねえ。

3000円買ったら椅子に座ってトークショーを聴ける、それ以外の人は立ち見。
とかならお互いに負担は少なかった気がする。
シーズン最中なので、選手の3人程度でいいと思う。
どうせ社長が来るんなら、MCは社長に任せれば安心だし。


ついでに、仙台市体育館の駐車料金4000円ってのも高すぎると感じる……
こういうところで儲けようとするのは違うと思う。
赤字にはしなくていいけど、4000円はちょっとねえ。
家族4人で来たってけっこう……と思ったが、市街から車で来る場合には
それでも安くなる場合はあるのか。あのあたりコインパーキングも少ないしね。
うーん。

と、文句ばかりな回になってしまいました。
勝ってくれないのが悪い。……とりあえず水曜日は勝ってくれ!


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< 昭和元禄落語心中(アニメ) >

2024年10月31日 | ドラマ。
期間限定で全話やってくれてたので見た。ありがたいことです。

2018年の実写ドラマは見た。まあまあ印象はいい。
役者たちも落語がんばってたしね。
でもまあ、芸としての落語というか、語りはアニメの圧勝でしょうね。
比べるものではないですか。

本作は本当に声優さんの芸を味わえました。ここまでの作品はなかなかない。
関智一と石田彰はちゃんと作品を見たの初。
山寺宏一は銭形警部以外でじっくり聞いたの初。
林原めぐみも灰原以外初。多分。

今や押しも押されもせぬベテランたちですが、6、7年前は……まあ当時もベテランだが。
彼らが能力を存分に開放して、多分苦労して取り組んだ作品だと思う。

震えたのは、気が乗らない時の落語から、だんだん興がのってくる落語に移行するところ。
下手から上手になっていくところ。
ここの微妙な段階というか、グラデーションがねえ。
演者もすごいが、それを要求してジャッジした演出もすごいわ。訳わからなくなるよね。
すごい。



こういう話をアニメにしてくれた有難味は重々感じている。
クオリティも高かったと思う。

――が、それはそれとして、実写もそうだがアニメを見ても、
根本的な話のバランスの悪さは解消されなかったんだよなあ。
ここがすっごい気になる。

これは元々のマンガからそうなの?それともマンガは上手くいってるのに、
アニメ・実写の組み立て方が下手だったということなの?

せっかくいいものを描いてるのに、力の入れ処が中途半端というか。
要素としては、
1.助六と菊比古の愛憎と友情
2.みよ吉と菊比古の愛憎、助六を含めた三角関係
3.与太郎の話

このバランスがねえ……

うーん。与太郎→回想→与太郎って流れは変えようはないのかなあ。
与太郎はたしかに救いであり、ハッピーエンドに導いてくれる人物だが……
プロローグ、エピローグとするにはちょっと与太郎の比重が大きすぎるのよね。
与太郎パートを最後に固める方が自然だったのではないか。

回想で、誰が誰に語ってるのかってところが納得できないのよね。
まあ、誰ともつかない読者に当ててるんだろうけど。
これは回想として描かれるより、現在形の話の方が自然だったんじゃないかな。

菊比古が師匠の家に連れられてくるところから始まる。
助六との葛藤。
みよ吉との葛藤。
居なくなって、迎えに行って、心中。
小夏を連れ帰る。

……その後から与太郎が出て来ても仕方ないかなあ。
与太郎ってハッピーエンドに導く役柄ってだけで、特に重いエピソードがないから、
後から出すと感情移入出来る要素がないのよね。
そしたら与太郎をむしろ出さずに、小夏のエピソードを深めた方が、
話としては納得出来た気がする。小夏と八雲なんて作ろうと思えば
親子二代の因縁があるんだから、いろいろ創れたと思うよー。

むしろ小夏が話のなかでこの程度の扱いで終わってしまうのがやはり
バランスが悪いと感じる。

小夏が助六を継ぐという話でも良かったんだから。
まあ女性が大名跡を継いだ例はないだろうが、将来的には開放方向にいくだろうし、
フィクションでそっと後押しをするのはありだと思う。
まあそのためには女性声優さんにも落語をみっちりがんばってもらわねばならないけど。

もっと素直に一人息子を残したって話なら簡単なのよ。
そうなるとちょっと月並みすぎますね。助六と娘の組み合わせの方が絶対雰囲気あるしね。
しかも女の子を育てるのと男の子を育てる苦労は、
特に菊比古にとってはだいぶ差があるし。

与太郎の存在が無理くりだったね。話の中心がずれてしまった。


あと、みよ吉の心情をもっと深く描いてくれたらと思った。
みよ吉は、自分のために菊比古が迎えに来てくれたと思ったんだね。
それをずーっと待っていたんだね。そこにもっと焦点を当てて描いてくれてたら。
そうしたら3人の関係も美しく……なったかどうかはわからないが、
もっと切なくはなったと思う。現行のみよ吉ではあんまり共感出来ないんだよね。

与太郎の軽みや明るさは良いキャラクターではあるんだけど。
単なる弟弟子にとどめておいて、後半は小夏のストーリーを作ってあげて欲しかった。
与太郎ではなく。

とはいえ作品として面白かったし、なにより声優さんのすごさを感じたので、
今回期間限定の公開で見せてくれたことに大変感謝しています。
どうもありがとう。



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89ers、10月26日と27日の試合。

2024年10月28日 | 仙台89ers。
うおぉぉぉぉぉ!勝ったぉぉぉ!やったぁぁぁぁ!

23日にアウェイでやった京都戦が今シーズンの初日。(=初白星)
やっとですよ。ぎりぎりでしたよ。3Qまでは例によってかなりリードしてたのに、
4Qだけで見れば16-30のダブルスコア。
今日もまた最後、まくられて負けるのか……というところ、かろうじてかわして勝利。

いや、うれしかったね~~~~。
「よっしゃあぁぁぁぁ!」と叫んだ。家で。
1勝6敗は数字的には悲惨だが、それでもまだ全24チーム中最下位だが、
とにかく1勝しなければ何も始まらない。

そして、26日ですよ!!

いやもう、キビシイ試合でしたよ……。ドキドキして、見ているのが嫌になった。
現地観戦だったら心臓が保たなかったに違いない。
4Qで逃げ切れずにオーバータイム。オーバータイムで追いつかれてダブルオーバータイム。
ああ、もうこれで負けちゃったらどうしたらいいかわからないよう!

しかしダブルオーバータイムで何とか。
流れがこちらに来て、点差もまあ確保出来て、結局9点差で勝てました。
良かったよ~~~~(泣)。
最後に点差つくまでは息が苦しいほどだったのに、点差がある程度開いてきたら、
現金なもので、相手選手のカイ・ソット選手のかっこよさに目を惹かれたりしていた。

はー。勝てて良かった。


※※※※※※※※※


27日は現地観戦でした。

同じ相手に2つ勝つことがどれほど難しいか。
今までのブースター人生でよくわかっている。
でも今回は勝つはずだ。昨日の死闘を制したことが彼らを成長させているはずだもの。

そう思って見ると、彼らも今までのような浮足立っているところはなかった。
というより、浮足立つには疲れすぎていたんだと思う、
見てるだけのこっちだって相当疲れたから。

それが奏功したのか、……勝ちました!2連勝!!わーい!
ようやく勝率3割3分3厘だよ~~~。

今回は、ほとんどの場面リード出来た。
相変わらず最後の最後にまくられるわけだが。そこでキッドですよ!
3本くらい一人でシュートを決めてくれて、試合を勝たせてくれました。
その最終盤に弱いところは何とかしなけりゃいけん。

とはいえ、もう勝ったからなんでもいいんです!

多嶋は、ちょっと個性的な動き方をするね。それが奏功。
コールネームを「あさひたん」にしているのが謎。
青木がけっこうここぞというところで決めましたね。
わたしは青木、ボールを止めがちなところが若干気に入らないわけだが。
もう少しさっさとパス出しをしてほしいなあ。

ネイサンは安定の遠目のシュート。
やっぱりキッドが得点しましたね。ヒーローインタビューでも長めに喋るし、
頭の良さそうな喋り方な気がする。たまに無理くりのカットインが気になるかな……
外国籍3人は上手に分散出来ている気がする。

昨日は韓国デーということで、辛ラーメンが配られました。
ヤン・ジェミンも多めに出場。
前回観戦時には出てなかった片岡も出場し、出てすぐ3ポイントを決めてた。
かっこ良かった~。

相手もうちも、フリースローの決定率が悪かったですね。
キッドなんか8分の1ですよ。いや、そんなに悪かった?
ホームで43%は情けない。アウェイだとしても情けないけど。
フリースローをもうちょっともらうような戦略も必要だと思うなあ。

あと、今シーズンはファウル多めですよね。
積極的に攻めなくてはならないから、単純に少なくしろともいえないが、
やはりファウルトラブルは苦しくなる要因だから改善はしてほしいよね。

半澤は成長を期待してはいるけど、2日連続ヘッドコーチ賞でなくてもいいと思うー。
MVPと違って、地味にチームを支える選手の顕彰という意味の賞なんだから。
「今までに取ったことがない選手」という視点も含めた方がいいと思うよ。

あと落合さんは、ヘッドコーチチャレンジをするならしろ!
手元でちっちゃくスクリーン作ってるだけじゃダメだってば!

越谷も全然弱いチームではなかった。
結果としての点数ではまあまあ無難に勝ったんだろうと見えるが、
内容はうちが2連敗したとしても全然おかしくない。
とにかくカイ・ソットがでかすぎるんや!縮んでくれないかなーと思ったくらい。
1勝8敗のチームではないよ。
こういう相手ばっかりなんだろうなあ。楽に勝たせてくれる相手はなさそうだ。

来週のファイ名古屋も勝ちたいなあ……
やっぱり勝率5割は目指したい。その次北海道で、その次は大阪。アウェイで。
藤田さんとゲルンがいる。順調に勝っているらしいが、ここに1つ勝ちたい。

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◇ 万城目学「ヒトコブラクダ層ゼット」

2024年10月26日 | ◇読んだ本の感想。
万城目学は8年前にそれまでの出版はたしか全部読んで、ひとまず終了。
課題図書リストの順番が回ってきたらまた読もう。

で、今回課題図書リストの順番がきた。
「バベル九朔」「パーマネント神喜劇」「べらぼうくん」と読んで来て、
本作が(わたしが再会した後の)4冊目。

相変わらず訳の分からない話を書きますね。←褒めてる。
初期の数作――「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「偉大なるしゅららぼん」の系譜。
ドタバタ幻想というか、シュールファンタジーというか。
ここら辺を読んでいた頃は、ずっとこの方向で行くんだろうなあと思っていたが、
久々に読んだ「バベル九朔」は、万城目学らしからぬ若干重苦しさのある長編。
おや?芸風変わった?と思っていた。


本作は久々にザ・万城目学というドタバタ幻想。
しかし前は舞台が京都・奈良・滋賀という近所(?)だったのに対して、
今回はなんと古代メソポタミアですからね!時間的にも空間的にも遠距離。
いや、古代メソポタミアを舞台にした小説なんてめったにないからありがたい。

まあ、古代都市をまるで見てきたかのように書けたかというと、
そこまでではなかったが……。もう少し描写力が欲しいと思わないではなかった。
とはいえ、それは相当に求めすぎだと思うから、最初に古代メソポタミアの町の想像図
なんかを一枚ぺらっと入れていただけるとありがたかった。

なんだったら装丁に組み入れてくれても良かった。
かろうじて復元ジグラットは何かで写真を見たことがあるけど、街並みなんかは全然。
――でもこのタイトルから突然古代メソポタミアへ話が飛ぶ意外性も魅力の一つかと
思うから、ネタバレになる装丁はダメかなあ。


長い話。単行本上下巻合計900ページ超。
これ10時間じゃきかないか。12時間くらいかかっただろうか。
苦労して描写をがんばっているのはわかったが、もう少し短くても良かった。
その解決としてやはり図版を……あ、見返しに印刷というのが一番オシャレだったかもね?

展開が全然読めなくて、まったく脈絡なくコロコロと話が展開していくので、
「え、そっち?そっち?」と10回くらい意外な方向に引っ張られた。
ここの部分は面白かった。

そして最後はまあまあめでたしめでたし。
爽快感は別にないけど、ほのぼのとした終わり方。
こういう話がいいよね。遠くまでひっぱっていって、楽しませてくれて、軟着陸してくれる。
ただ大団円は、複雑化した話をひたすら解説していく部分ではあるので、
楽しく読めはしたけど小説としての旨味は減じる。とはキビシすぎか。


万城目学にはこれからもこういうフィクションの愉しみを味わわせて欲しいと思うよ。
広げるだけ広げた風呂敷を苦労して畳む。
面白く膨らますのも才能だから、ここで勝負してほしい。
凡百が真似してもほとんどが失敗するだろう。



ところで、昔からの疑問なんですが。
双子の人や三つ子の人って、兄弟順にかなりこだわりますか?
わたし自身は双子ではない。昔、知りあいに双子が2組いて、
片方はお姉ちゃんと妹が厳然と決まっていて、妹は「お姉ちゃん」と呼んでいた。
もう一組の方は長幼の意識はあまりなかったように見えた。

youtubeで見る、体操やってる三つ子の人たちは長男次男三男といつも言ってるんだよね。
そして本作の主人公たちは長幼の順を峻別している。
一緒に生まれたのに、兄、弟って意識になるのかなあといつも不思議なのよね。

まあこの小説の場合は長男、次男、三男っていうのが必須だと思うが。
というより、別に年子の三兄弟でも良かったくらいだよね。
これだけ長幼の順にこだわるんだからさ。

ただ、三つ子じゃないと、梵天・梵地・梵人というネーミングにはならないでしょうね。
しかも梵天・梵人はまあなんとかだが、梵地という名前は無理を感じるが……
まあヨイ。



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< クラスメイトの女子、全員好きでした >

2024年10月23日 | ドラマ。
いや、全然期待しないで見たんだけど!面白かったよ、これ!

タイトルからして、内容が想像出来そうじゃないですか。
そんなに面白くはなさそうかな。でもまあ、木村昴が初主演だそうだし、
ご祝儀的に見てあげようか。多分1話だけね。

そしたらこれがわたしの好みのチープコメディで。
チープなコメディって難しいですよ。手を抜いたのがわかるとチープなのがそのまま
瑕になるけれども、こういうユルいのを上手に作っているドラマは好き。

そしてきむすばがこの役に本当に合っていた。
基本的に上手い人だと思うが、あんまり見たことなくて。
正直声優としても「ハイキュー!!」と「平家物語」しか見たことないのよ。

きむすばじゃなければ、こんな可愛げのある造型になってなかったと思う。
主演に人を得た、幸せなドラマだったねえ。キャスティングの勝利。でかした。

そして中学生時の主役をやった及川桃利なる人も愛嬌があってとても良かった。
現時点でwikiもない状態のようだけど、今後期待したい子役。

新川優愛という人は聞いたこともない人だった。作品も、確認してみたが、
かろうじて「IQ246」だけだな……
正直それほど、という印象だが、実況に呼ばれるほど野球好きということで
ちょっと好感度が上がった。

中学生役の女の子たちも総じてなかなか良かった気がするよ。
クラスメイトの成長後は、橋本淳が良かった。こういう立場で上品な造型だったのが新鮮。
愛を感じた。
長井短はこないだ刑事役で初めて見たけど、さすがに刑事役は無理があったので、
こういういかにもな役が大正解。クセがあっていいですね。

木村昴は今後も上手く作品を選んで欲しいなあ。
コメディが上手いと思うし、それは大きな財産だが、チョイ役のシリアス・汚れ役もやって
幅を広げて欲しい。イメージを固定しないことが10年後の仕事の幅を生むと思うからね。

まあすでに時代劇(大河)に出て、今回コメディの主役をやってるわけだから、
次は魅力的な悪役をやって欲しいかな。悪役はハマりすぎてて難しいかな。
ヤクザなんかはすぐやれると思うが、イージーな役は安っぽくなっちゃいそう。
このドラマのように、面白い役をやってください。



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89ers、10月19日の試合。

2024年10月20日 | 仙台89ers。
勝ちたかったよぉぉぉぉ!

今季初現地観戦。
第1節横浜戦はリードする時間帯は長かったのに、最後まくられて2連敗。
第2節島根戦は1試合目はぼろっぼろに負け、2試合目はだいぶいい試合したけど負け。
4連敗自体はそこまでツラくないけど、シーズン白星がなかなか取れないのがイタイ。

そこで5戦目ですよ!
ここで勝たなあかんやろ!……相手宇都宮で強いけど。

そしたらこれが大変いい試合で。負けたから悪い試合だけど!
もうほんとに、もう少しで!あとちょっとで!惜しかったんだけどなー。
序盤はまあまあリードした。宇都宮のシュート精度が悪かった。うちが悪いのは通常営業。
ターンオーバーとかも多々あったけど、1点を争う好ゲームではあった。

3点リードされた、残り20秒まではギリギリの勝負だったが。
そのスローインでこちらの受け手が床で滑り、ボールを受けられなかったのが決定的。
やっぱり試合が決まった瞬間ってのはありますよね。

勝ちきれないのはやはり力がないんだろう。
これは、HCの経験値の差かと思ってしまう。まあ安易ですが。
誰にでもキャリアの最初はあるし、それは仕方ない。
落合さんには2倍速くらいで経験を身に着けて欲しい。

半澤のディフェンスからの得点、という瞬間があったので、
半澤のディフェンスはいい気がする。
全体的にもう少し足が動いて欲しいなーと思う瞬間は多々あった。
片岡は出なかったよね。どこか怪我だろうか。

惜しかった。口惜しい試合だった。




そしてそして……20日の試合も!
かああああ!惜しかったなぁぁぁぁぁ!

延長戦で負けたんですからね。
4Qぎりぎりで決められてたら……初勝利だったのに!
でも延長5分で9点差がつくんだから、やはり実力差は大きい。
でもでも、勝たないといつまでも未勝利なんだよーっ!

広島が勝ったので、今シーズン未勝利はうちだけ。取り残されてしまいました!
これはツライ。

6連敗するほど悪くないのに!もうちょっとだけのことなのに!
今までの序盤で箸にも棒にもかからないシーズンなんていくらでもありましたよ。
今シーズンは全然そんなことなくて、島根のぼろ負けは全然ダメだったけど、
それ以外はいい試合をしているじゃないですか!

それなのにあとちょっとのところで勝てない。口惜しいわー。
3勝3敗くらいでも全然おかしくないのに!
……惜しい負けを4つで1勝に計算してくれるとかってありませんかね?

いや、でもこの勝ち切れなさが、シーズン後半の上手さや粘りを準備してくれると……
そう信じる!糧になると思う!

落合さんは試合の終盤の詰将棋を模索してくれ!
詰将棋といえば浜口炎さんを思い出すな。歴代HCの中でどうなのかというのは
わからないが、わたしがバスケを見始めて最初のHCだし、
初めて「これは詰将棋だ」と感じさせてくれた人だから印象深い。

落合さんはこの経験で、終盤の畳み方を研究するだろう。
それがチームの糧になるだろう。
次は水曜日の京都戦。昨季と比べてけっこう強いんですよね。
そして来週は越谷戦。越谷も1勝5敗とはいえ、あの島根に勝ってるんだから。

とにかくうちは戦績的にはどこも格上の状態だ。
でも臆さずに強気でぶつかって行って欲しい。空元気じゃなくて。自信を持って。
TOUHOKU CUP優勝したんだよ。行けるよ。やれる。
ただの元気づけじゃなくて、いい試合をしている。やれるのが見えている。

この時期に新しいメンバーが多くてここまでやれてるんだから、
あとは組み上げていくだけだ。越谷戦は連勝を見に行くつもりで行くからね。
頼んだよ。

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◇ 千田嘉博「真田丸の謎 戦国時代を「城」で読み解く」

2024年10月19日 | ◇読んだ本の感想。

前に千田さんの本を読んだ時には、テレビで見るイメージとはかけ離れた
ガッチガチの文章で若干腰が引けた。
2冊目であるこれもガッチガチかと思ってちょっと怖々だった。
そしたらこっちは話し言葉で柔らかく、初心者向けでしたねー。
前のも新書だった気がするがなー。一体なんでそんなに書き方を変えたのか。
わからん。

本書では、
1.真田丸要害説
2.真田氏と城づくり
3.日本の城の歴史の(簡単な)概説
を書いている。だから「真田丸の謎」というタイトルに合致しているのは
第2章までだね。
しかしこの3つの内容はそれぞれ面白かったので不満はない。
むしろ順番的には3→2→1と進むべきではないかと疑問は持つけど。

1については、今まで真田丸は大阪城の馬出しとして作られたというのが定説だが、
実は独立した柵、要害として作られていたのではないかという話。
細かい検証は読んでも忘れたが、

馬出しというには大阪城との位置関係が離れすぎてる。
間になんか細かい地形があって直接的な連携がとりにくい。
馬出しならば本当はもっと西側にあるべきものだが、
東に寄せることで高い位置に建てて要害性を高めている。

こんな話だったように思う。けっこう納得できる話だった。
なんかうっすら真田丸には違和感を持ってて。
馬出しがそこまで防御性と攻撃性を持つか?と思っていた。むしろ要害の方が納得。

そして、真田幸村の――昨今真田信繁になっているが、幸村の方が馴染みがあるのよ――
当時の大阪方内での立ち位置は、そこまで重んじられてはいなかっただろうというのも納得。
父の昌幸の戦上手は知られていても、幸村自身の戦功はほぼゼロ。実績がない。
名も知られてない。

それに加えて、豊臣恩顧の武将ってわけでもないものねえ。
幸村が総大将になる選択肢はなかったんだ。ドラマとかで見てると、
「なぜ幸村に指揮をとらせなかったのか」と歯がゆく思うけれども。

2は特に思うことはなし。最近武田氏関連の本をなんぼか読んだので、
なるほどなるほどと思いながら読んだ。

3は北条・上杉・武田・今川、各大名の城づくりが面白かった。
やはり武田が滅びたのは必然だったのかもしれない。
城から具体的な統治の仕組みが読み取れるというのは面白いなあ。
ちなみに定説になっている「信玄が上洛途中に急死したので武田軍は途中で引き返した」
というのは千田さん的にナシ。であれば3万ぽっちの軍勢は少なすぎるとのこと。


読んでてなんかしみじみと思ったんだが。
家康が豊臣家を滅ぼしたのは、――権力欲を別としても必然だったんだなって。
狸親父が、秀吉に託された秀頼を死に追いやったのはエグイと思っていたけれど、
何の苦労もないおぼっちゃんの秀頼と、
苦労はしたけど全日本国という視点は持てない淀君と、
いくら有能でも生きてきた世界が狭く、官僚でしかない石田三成では
戦のない世を作るのはどう考えても無理だっただろう。

家康は、権力を求めたのも、その権力を子々孫々に伝えていきたいのも
たしかにあっただったろうけど、「厭離穢土欣求浄土」の理想を持っていたのは多分本当。
その理想を実現するためには、秀頼の存在は邪魔だ。

長い時間をかければ、もしかしたらうまく秀頼を一大名に格下げして、
家康が権力を握ることも出来たかもしれないが、
家康にはそれほど長い寿命は残されていなかった。



わたしはこのくらいの軽い読み物でお願いしたいですよ、千田さん。
千田さんの著作は今後も読んでいきたいと思う。
まあもう少し経ってから。
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