プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 嘘解きレトリック >

2025年02月13日 | ドラマ。
このセットは大好物。金も手間もかけて、素晴らしいセットを作り上げた。素敵。
出演俳優もなかなかいい。多少小粒感はあるが、面白い役者を集めた。
衣装もなかなか。大正ロマンというか、ベルエポックというか、超丁寧。
話の骨子もまあまあ。少し甘々すぎるきらいはあるけど、ぎりぎり許容範囲。
ミステリとしてはレベルには達してないと思うが、人形屋敷とかはまあまあでしたよね。
総じて好きなドラマだった。楽しく見た。

……が、だからこそ、もう少し肉の部分を詰めて欲しかったよ~~~~!

逆にいえば、ここまで外堀を埋めても肉付けまでしっかりしてないと80点以上の
ドラマにはならないんだなー、と思った。やっぱり制作は大変ですね。

具体的には台詞回しなどの細部が気になった。
もうちょっと台詞にセンスがあったら面白いドラマ!100点!と言えたのになー。
全体的に台詞や流れがストレートすぎるよね。
じゃあどうやって変化球にするのか、というのは具体的には思いつかないわけだが。
ちょっとシンプルすぎて味わいがない。ここはなあ。
やっぱりいわく言い難い微妙なセンスの部分なんだろうなー。

まあ変にひねりすぎるよりはシンプルな方が無難なのかもしれないけど。
やー、ここは練って欲しかったねえ。

松本穂香という人は、こないだの「ミワさんなりすます」で大変面白く見た役者。
二度目のこれもほぼ同じ造型だからもっと別の役でも見てみたいが、
とにかくこれ系の役は鉄板ですね。
あとは「大河ドラマが生まれた日」にも出ているんですね。
ヒロインならばあの人だな、ということは記憶しているが、本人が演じていた記憶はない。
大丈夫、主演が生田斗真であることも全くおぼえてなかったから。
そもそも生田斗真の認識が出来てない。

鈴鹿央士……って、おうじって読むのか。初めて知った。
時々字面は見るけど、作品は見てないかもしれない。
だいぶカワイイ系男子ですね。ひと昔前ならワンチャン千葉雄大あたりがやった役かもね。
なかなか曲者の役柄を上手に演じていた気がする。
この曲者の部分を演出なり、脚本なりにもう少しいじって欲しかった。

瑞崎君は、なりはぴったりなんだけど、もうちょっと面白みが足せる気がして歯がゆい。
ここらへんの人を活かせればそれは面白いドラマなんだが……
その「面白み」があるのかないのか。そこが脚本力なんだよなー。
惜しい。

とはいえ、大倉孝二演じる和食屋の大将とその女将さんの磯山さやかは良かった。
特に磯山さやかはとても良かった。
1話では気づかず、「この女将さんの優しい物言い好きだなー」と思い、
確認したら磯山さやかだったので驚いた。もともと好きなタレントだが、
演技しているところを見たことがなかったので。

お嬢様の千代も、初登場の時はいま一つと感じたが、見ていくうちに見慣れて好きになった。
じーさんとばーさんは二役ですか!気づかなかった!それは面白い。

全体的にゲストはわたしが知らない人ばかりだった。
全員が演技が上手いわけではなく、さらに作品の旨味を減じているとも感じたが、
だからといって全員有名な人を揃えても違うと思うしなあ。



でも結局、最後のみんなでの記念撮影でとても幸せな気分になれたので後味がいい。
ここは大変脚本・演出を評価したい部分。
甘々すぎたけど、可愛すぎたけど、旨味はもう少し欲しかったけど、
好きになれるドラマだったよ。楽しかった。

これだけのセットを作ってまさか1クールのドラマで終わらせはしないだろう、
映画に続ける気満々だろう、と予想をしていたが、映画の告知はありませんでしたねー。
せっかくあれだけ凝ったセットを作ったんだから活用すればよかったのに。
映画があったら、わたしは見に行く方に傾いていましたよ。
まあ視聴率はいまいちだったようだが。
でも今の時代、もう高視聴率なんて期待出来ないんだから、そこは諦めた方がいい。

シーズン2を期待します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする