京都は茶事が基本にあるからなのか、演出がきれいに
はまっています。たまに出先で店に入ると、演出意図
のわからないおばけが君臨していて、感想求められたり
したりなどすると、楽しくありません。
きれいにそろっているところに限って、何も言わなくても落ちるところに
落ちて、交流がすでに成立しているものです。無駄に客を悩ませない。
おもてなしです。
こちらは一見秋色の茶わん蒸しの容器。
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でも蓋を取ると、くず餡で茶わん蒸しの上に透明な衣をかけてあります。
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秋の中にある暖かさを茶わん蒸しの料理の温かさに託して、見た目は
やはり夏を意識した仕掛けになっています。ここですんなり落ちる場所
が決められています。
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そんなことひとつの演出でも嬉しいので、つい写真を撮ります。
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特別で高価なものは特に無く、季節のもので充分。
何なら、何食べたか後で思い出さなくてもいいのです。
むしろ、覚えていないくらいがちょうど良くて、楽しい膳を見て
楽しく過ごしたことだけが残るくらいでいい。
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つい、天ぷら付の昼食になり
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こちらも形が面白いので、撮影。
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碗とご飯が出てきます。
この碗のデザイン、上七軒という北野門前の地域に伝わる紋のようです。
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ごはんの上にはちりめん山椒。
余計に構えず、要所に閃きを入れて合図とし、互いに尊敬できる
空気を仕事で培ってきた風土はきっと日本中どこにでもまだある
のでしょう。北野あたりはそんな場所のひとつです。
【今回小うるの登場はなし】
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