1965年に発表された論文によると、複数人の行動範囲を狭めるだけの圧力がある環境下にて、反乱で得られるメリットが確定した場合、対象は圧力に抗い始めるという。
この場合のメリットとは平たく言えば「先に反乱したメンバーが比較的安全であり、反乱を起こすことでメンバーと同じ立ち位置になれること」であり、反乱形成の経過から、メリットが確定した場合複数人の行動範囲を狭めるだけの圧力よりもメンバーからの圧力に屈するっことを選んだ、とたとえたほうが適当かもしれない。その証拠に、メンバーが圧力に屈している場合、メンバーからの圧力は生じず、対象も圧力に屈服し続けたという。
この実験はかの有名なミルグラム実験の追記である。ミルグラム実験てのは、あれだ。被験者が壁越しの人に問題を出して、ミスったら壁越しの人に電撃を与えて、ミスするたびにどんどん強くなる電撃に壁越しの人は悶え始めて、でも試験官が続けるように促すから、最終的にどんなに倫理感ある人でも電撃ポチポチしちゃうアレだよ。雑な説明でごめん。
今回の研究とミルグラム実験の違いは、被験者側が試験官側とつながりを持つ2名を混ぜた3名で構成されており、特定のタイミングでその2名が命令に背くという条件で施行されたこと。被験者側の2名からの圧力が発生したことで、また圧力に屈することで2名からの指示を得られるであろうと理解したことで、被験者は試験官からの圧力に抗ったという。
ちなみに、被験者側からの圧力を自覚していた被験者はごくわずかであり、大半は「ヤツが抗ってなけりゃ、先に俺が動いていたぜ」と述べている。個人の認知をゆがめてしまう集団心理の特性が見え隠れしている。
ーーー「……結局、圧力に屈してんじゃん」なんていわないこと。
参考文献
Milgram, S. (1965). Liberating effects of group pressure.
P.S 書いてから気付いた、実験施行した本人による追記だこれ。
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