2000年に発表された論文によると、家庭環境は子供の外交性や知能などの発育に影響するが、その度合いはそこまで大きくないらしい。
具体的には親の過干渉・過保護が外交性に、両親の適切な育児などが知能に影響を与えるらしいが、その割合は全体の1割程度となるらしく遺伝子やその他偶発的な影響のほうがはるかに大きいとのこと。他にも要因は多数存在するが、文章が冗長になるので割愛。
しかし、これは家庭環境に的を絞ったときの結果であり、家庭環境を含めた総合的な環境が性格や知能などの発育にどう影響するかを決定づけるものではないとも。
確かに、子供の発育に関する相当数の要因や度合いは子供の親が決められるものだ。それは性格や知能の発達にも言えること。
だが「家庭環境が悪かったから、こんなに醜くなった」や「両親が過保護だから、だらしなくなった」なんて発言が、一概にそうとは言えないのも事実。
家庭環境による影響は、享受する子供が外向的か内向的かにもよって大きく変わってくる。
家庭以外にも享受する環境はいくつも存在し、それらの変遷や威力は親がどうこうできるものではない。
一定以上の自我が形成されれば、事情はより複雑になる。
これらの傾向や知識をもとに、虐待などの度が過ぎた事例も含めて「個別に対処する」のが、この種の問題解決や把握にちょうどいいのだ。
参考文献
Kazuhisa Nakao MD, PhD,Jyo Takaishi MD et al. (2000) The influences of family environment on personality traits.
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