2014年に発表された論文によると、SNS上の文体で表現された感情であっても人間は共感でき、また表現された感情に伝染されるとのこと。
具体的には、ポジティブな表現をSNS上から減らすと人間はネガティブになり、ネガティブな表現を減らすとポジティブになるとのこと。
SNSという「文体で表現された」「不特定多数に向けた」感情に、少なからず人間は影響を受けてしまう。
これはつまり、対面で身振り手振りをふんだんに含んだ会話を介さずとも、文面とそれが作る時系列が感情を動かせてしまうということでもある。
感覚としては、小説が引き起こせるそれと結構似ていると思う。
それともう1つ。
SNSという「文体で表現された」「不特定多数に向けた」感情に、少なからず人間は影響を受けてしまう。
これはつまり、SNSを介した感情の伝染が可能であるともいえる。
効果量から察するに伝染の割合は微々たるもの(何億何十億の投稿の0.001%が対象)だが、母数がバカでかいので無視できない効果量だ。
人間の共感能力とは、よくできているものだな。
この現象自体はどうとでも使える、SNSでなくとも使える。活用先があるかはわからないが、是非。
今回得られた知識をもとにSF短編を思いついた。
特定の集団が感情をかき乱す文体をSNSに投稿して、感情で動く人々を扇動し社会に混乱を招き、その渦中でひたすらに事実を訴える人が感情に押しつぶされる、なんてストーリーなんだけど……。
あら? もう現実にあるのか、意外だなぁ。
参考文献
Adam D. I. Kramer, Jamie E. Guillory, and Jeffrey T. Hancock (2014) Experimental evidence of massive-scale emotional contagion through social networks.
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