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2020年に発表された論文によると、幼少期に他者との比較のためにSNSを使うと自尊心が低下するらしい。
理由としては、SNSの普及により他者との比較がしやすくなったことで、SNSで見かけた人々に影響を受け判断基準や理想だけがランクアップし、現実と理想のギャップに苦しむようになるからだという。
幼少期と人口の層を絞ったのは、その人口層がより影響を受けやすいからである。
インターネットというものが広く普及してから、だいたい10年。
膨大な量の人間関係や人間に関する情報は、SNSという場所に一挙に集中することになった。
親族・知人・仲のいい親友や身近な知人から、遠い国の言語が違う人や考え方がぶっ飛んでる実力者・成功者、果ては治安の2文字を知らない群がりまで。
SNSは非常に扱いやすく、それが理由でSNSはあらゆる人口層に普及し、またあらゆる人口層の情報が集まることとなった。
もちろん、その集まったところから情報を抜き出し観察することだって簡単だ。それを説明してといわれれば、返し方に困るぐらいには簡単で馴染んだ行為なのだ。
その膨大な情報量と扱いやすさは、時に牙をむくことがある。
幼少期の人間は自我や自立心や自尊心が発育段階であり、『自分はどうあるべきか』という自問自答をまだ見つけられないぐらいには右往左往している。
故に、幼少期の人間は衝動にかられやすく、何を信じなにを疑えばいいのかもわからず行動し、結果的に『周りからの影響を受けやすい』という評価となる。
そこから幼少期の人間は自分の周囲の環境から学習し、成長し『周りからの影響を受けやすい』という評価を撤回していくのだが、この周囲の環境にはSNSという場所も当てはまってしまう。
SNSには膨大な量の人間関係や人間の情報が一挙に集中している。
自分に合う情報もあれば合わない情報も、考えもしないような情報もたくさん存在している。自分の身近にあるような人間からぶっ飛んだ考えを持つ実力者・成功者、果ては治安の2文字を知らない群がりまで、いとも簡単に知れてしまう。
私たちはそれらを『自分はどうあるべきか』という考えをもって扱っているが、もしそれらに『周りからの影響を受けやすい』幼少期の人間が接したらどうなると思う?
自分には合わない、考えられないような判断基準・理想を、『周りからの影響を受けやすい』がために自分に当てはめてしまうのだ。
そしてそれは自分には合わない、考えられないような判断基準・理想であるため、現実の自分との大きな差が生まれてしまう。
この理想と現実の差分が大きければ大きいほど、自尊心に結構なダメージを与えることになる。
どれぐらいか。
『周りからの影響を受けやすい』という評価が撤回できなくなるぐらいには。
別にこれは幼少期の人間だけの問題ではない。
諸事情により『周りからの影響を受けやすく』なった人間も同上の可能性がある。
非常に扱いやすいから忘れがちだが、SNSにあるのは私たちが古来から困難としてきた人間関係だ、人間の情報だ。
努々、油断なされぬよう。
参考文献
Silje Steinsbekk,Lars Wichstrøm et al. (2020) The impact of social media use on appearance self-esteem from childhood to adolescence – A 3-wave community study.
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