よく人と比べちゃいけないって言いますけども、私は人と張り合って生きてきたわけではないけども、演奏力の見方に関しては比較対象として見る事があります。単純に批評したいわけじゃなくて、自分の演奏を向上させるための一貫というか。勿論誰かにどうこう言うわけでないので問題無いと思っています。
昔、私たちが住むエリアで有名らしい高校生のリサイタルへ、恩師に連れて行かれた事がありました。先生の後輩の門下生だったのかな?皆絶賛していて、そんな中私は全く良さがわからなかったんです。以前にもちらっと書いたかどうか忘れましたが、上手いとは?ってやつです。
人に上手い下手とジャッジする癖が無かったのもあり、だけど周りに合わせて自分の感性を否定するような嘘も吐けず(頑固)、先生に「どう?」と聞かれたので、聞かれたら答えないといけないので仕方なく馬鹿な私が絞り出したのが「好みではないです」という答えだったんです。そしたら「好みでなくても上手いでしょ?」と半分呆れられて。
なんて言えば良かったのかなって。その先生からは私はプライドが高いと思われていて、初めて言われた時にびっくりして、えっそうですかね?って答えました。そうですねってならないところがプライドが高いんですかね?
プライドにも色々種類がありますからね、職人気質からくるものだとか、そもそもただ加害性のある発言をした人がそう言うことで転嫁したいだけとか。長くなりそうなので次回書きます。
話は戻り。今思えば、自分にそれ相応の実力が無いから相手の凄さがわからなかったんだなと。ピアノを聴いてもそうで、全員同じような演奏に聴こえるんですよ。自分がそこまで弾けないから、違いもわからなかったんでしょうね。今でこそアルゲリッチの水の戯れは凄いよねとかって思ったり、ちょっとした音のタッチの違いがわかるようになりましたが、昔は全く。なんかとっ散らかってるなみたいな音楽の流れみたいなものは感じても、技術面に関してはさっぱりでした。
そんな感じで🎻もわからなかったんでしょうね。好き嫌いはばっちり感じてましたけども。
その時の彼女の名前がなんだったかなと、苗字だけなんとなく思い出したんですよ。そこで検索したらすぐに出てきて、年代や地域やらで簡単に特定出来ました。海外に留学して帰ってきたみたいです。
YouTubeで数年前の演奏を聴きました。ソロではないので少し雰囲気が違うかなと思いましたが、それでもあの頃聴いたようなキリッと強い音を出す奏者でした。
今になって、奏者の認知度は関係無く技術的にどのくらいの演奏力かというのがある程度わかるようになり、ああ自分もやっと追いついてきたのかと日々の訓練の成果を感じました。まだまだなんですがね。ある意味スタートみたいなもの?いや〜遅過ぎる😅
スポーツ選手なら引退してる。
そういえば音楽家ってあまり弾けなくなってもクビにならないし、知名度でやっていけるからいいですよね、その辺結果がダイレクトに目に見えるスポーツ選手はシビアな世界だな。絵画や創作などの芸術は衰えとあまり関係無いからこれもまた長く続けられますよね。精神面の問題はあるでしょうけど。
それぞれ自分のスタイルで好きなように活動出来るのが日本の良いところだと思います。良くも悪くも甘いというか。私のような人間でもちょこっと活動出来てるくらいなんですから。
日本はクラシックが大衆文化ではないからその方がいいんでしょうけど。
だからこそ、愛好家でも音大生でも音楽家でも全然いますけど、あの人は下手だとかと名指しで評判を落とすような事しか言わない奏者がいたら、相当コンプレックスの強い人だし、業界の印象を悪くするだけでなんのメリットも無いと思うんですよ。酷い事言われましたされましたっていう被害面は発信しないと泣き寝入りするか悪化するだけだから言った方がいいですけど、単純に気に入らないから悪く言ってやろうみたいな感性の人間は、不思議と演奏も響かなかったりするもので。性格が良いから良い音楽を奏でるというわけでもないんですが、雰囲気といいますか、子どもの純粋な演奏と煩悩にまみれた大人の演奏って全然違うじゃないですか、そんな感じ。ただ自分に酔ってる人、楽しさだけで弾いてる人、研磨して成果を披露したい人、レベルがどうとかでなく演奏自体が違いますよね。
上手い下手とか気にせず自分の音楽が出来てる人って、他人の事はどうでもいいみたい。淡々と自分の利益重視でやる事やってるか、人が好きな奏者だったら、音楽家なんて一緒に組める仲間をどれだけ作れるかが鍵みたいなもので、相手のプラス面を見つけてどうやって相乗効果を出すかみたいな、自分にも相手にもメリットになるように考えてるようですからね。故意に人の評価を下げたところで自分の評価が上がるわけではないってやつですね。そりゃちゃんと仲間になれば言うべき事は言わないと全体がプラスになんないですから、喧嘩するくらいの方がいいのかもしれないですけど。
日本人って、少しでも自分の事を良く言う人間をすぐに自意識過剰だとか天狗だとかとレッテルを貼りたがりますが、私から見れば誰の邪魔もせず水も差さず、自己完結している自信家タイプの方が音楽家?アーティストらしいなと思いますけどね。自信があって人を馬鹿にし出すとただの性悪天狗になってしまうけど、名前沢山言えますけども(笑)、本当の自信って俺凄いだろドヤァじゃなくて、自分の中の確固たるものを築いている人というか。仮に自信が無いと口では言ってもそれはどちらかというと謙虚に振る舞っているだけで、本気で無かったらそもそも人前に立たないですから。アナウンサーや芸能人が人見知りですとか気が弱いと言っているようなもので。
演奏家ってある程度自分に酔ってないとやってけないんだろうなって。音として酔っ払いみたいに酔ってる人は聴いてられないですけど、たまにいますけどね、最初から最後までアパッショナートのちりめんビブラートみたいな、まあでも、そういう人も含めて、そっちの方が独自のスタイルで楽しそうに見えるんじゃないですかね、聴衆側からしたら。
普通って結局馴染めるけど埋もれちゃいますから。
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