住宅総研Vivien研究員の業界REPORT

リクルート住宅総研の研究員が住宅業界の最新動向をレポート。
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MilanoSalone 2011報告⑨ Canonが最優秀賞を受賞、カネカも有機ELで登場!

2011年04月13日 | Milan 2011
今年は展示場所をトルトナ地区に移したキャノン、その中心会場であるSurperstudio PIUで大規模な映像インスタレーションを行った。
「NEOREAL WONDER - キヤノンデジタルイメージングの世界」のクリエイター達。(トラフ建築設計事務所・WOW) 会場に入ると・・・光線が大空間を行き交っている!
   
横から見たり、前からみたり、下から見たりと映像の光が走る中を彷徨い、その光が空間に張られた糸に映っている事に気づく。
その糸が、壁にテーマ‘WONDER’と光の文字を映し出す。
  
他の壁には、日本の風景が様々な表情で流れていた。カップルが日本の夕焼けに見とれる・・・そこに居るみたいに。右は日本のネオンサインを万華鏡のように。
 
これらの映像を実現したCanon製品、プロジェクターやカメラが並ぶ。主催者であるキャノン総合デザインセンター酒井正明所長(右)と桐山登士樹プロデューサー。
「3年間のトリエンナーレ美術館を経て今年トルト―ナに出たのは、よりコンシューマーを意識したから」と桐山氏。
 
4年目のサローネ参加で、日本企業のプレゼンスを牽引しているCanon。
酒井氏は「社内的には‘あなたにできない事をやります!’と言って説得してます」と、世界から集まるデザインのプロ達への企業ブランディングの重要性を語ってくれた。
帰国後このインスタレーションが、期間中に開催された「ELITA DESIGN AWARD 2011」にて最優秀賞を受賞という報告も入った。
日本が誇るグローバル企業、技術だけでなくデザイン、クリエイティビティの高い企業として世界に発信されることだろう。

同じSurperstudio PIUで同じくCanonのクリエイター、トラフ建築事務所の鈴野浩一代表が「カネカもやってるので是非、見て下さい」と案内してくれた。
のれんを潜って・・・ 
カネカは有機EL照明(OLED)のパネルメーカー、5色の展開が特徴。それを天井からゆらぎを感じさせる姿に散りばめ「夜桜」を表現。
上からの光を、鏡のテーブルに写りこませて幻想的な空間に・・・夜桜に付き物の日本酒も。
  
外人達「Fantastic!」 日本人らしい繊細で美しいインスタレーションに感動!
  
 
こちらの回廊は縦使いのOLEDパネルを色紙で覆い、カワイイ花の蕾のよう。

そんな幻想的で日本的な空間を満喫して外へ出ると・・・
いきなり車(MINI)が宙吊り!? これも大胆で面白いが、アングロサクソンな感じ!

MilanoSalone 2011報告⑧ TORTONA地区/TOSHIBA

2011年04月13日 | Milan 2011
Milan Design Weekに開催されるFuori Saloneと呼ばれる、見本市会場以外の街中イベントは今年775カ所。
中でも注目イベントが集まっているTortona地区は見逃せない。 (右、スキンケアNIVEAクリームのサンプリング&無料送迎ByニベアBlueの‘Vespa’「乗りたかったが時間無く断念!」)
  
Tortona地区には日本企業の出展も多い、見本市会場のビジネスモードとは違ってデザイン&アートなインスタレーションで企業ブランドイメージの向上を狙う。

まず昨年、大評判だった東芝の会場へ向かった。『Luce Tempo Lugo(光・時・場)』とタイトルバナーがSavona通りに、入り口でまず息を呑む!吸い込まれるような白いアプローチ・・・上からのLED光が下の水に映る
 
約100年前の壁(だけ残っている所がイタリアらしくて素敵な場所!)を活用し、その向こうに空間を作った。手前には池を配し夜はLED光を反射させるらしいが昼の自然光も白い砂利と共に美しい。

 
今回東芝が起用したクリエイター田根剛氏(Parisの建築事務所DGT)。田根氏を囲んでTAMONの篠田社長、東芝デザインセンンターの伏屋参事。
壁の向こうのメインスペースに入ると・・・暗い夜に「雨が降ってる!」、金属チェーンにも見える輝く雫が天井から降り注ぎ四方を囲んで‘光の建築物’のよう。
   
冷んやりとした静粛な空気、敷き詰められた砂利に雫が落ちる音、雫に光る微妙に変化する色(5000ルーメン太陽光の明るさで高速点滅しているらしい)・・・佇んでいるだけで五感が目覚める。
雫に触ると、水と共に跳ねる光を楽しめる。若い田根氏の活躍に注目していたインテリアデザイナーのアシハラヒロコさんも見学。右、照明デザイナーの岡安泉氏がテクニカルサポート。
  
東芝は3年目のサローネ展示により、各国のマスコミからも評価が高く期待されるようになってきた。
今年も外国人来場者から「とても美しい!日本的で静寂な空間だ」と驚嘆の声が聞かれ、私も感動しながら誇らしい気分になった。
ブランディングと共に今後ビジネスではイタリアにLED照明の現地法人も立ち上げる。ローカル企業が強い(欧はPhilips、米はGE)照明市場であるがLEDによって参入のチャンスは広がり東芝の動向が楽しみだ。


夜は美味しいシチリア料理の店に、現地人Tachiniの紹介でサローネ仲間と繰り出す。「13 Giugno」Via Goldoni, Vittoria店(他にBrera店有り)
  
ミラノには意外と魚介が美味しい店が多い。ワインが進むお料理!(昨年、暴飲暴食で失敗したので今年は慎みながら)
  
   
夜が更けてくると、ピアノ生演奏に生歌まで入ってイイ雰囲気に・・・