大王製紙「製紙排水を利用したバイオマス燃料製造設備設置について」から抜粋
ここのところ、プラスチック削減対策で製紙メーカーの話題も増えているのだが、、、
今日は、大王製紙で「大王製紙、工場排水からガス回収 19億円で新設備」というニュースも、、、「製紙国内4位の大王製紙は25日、主力生産拠点の三島工場(愛媛県四国中央市)で、排水からバイオガスを回収する設備を導入すると発表した。投資額は約19億円。工場で必要な熱源として外部から購入している重油とバイオガスを併用することで、年間の生産コストを数億円減らせる。2020年10月の稼働を目指す。」となっている。
大王製紙のプレスリリースをみると、住友重機械エンバイロメント株式会社の嫌気性処理システム(バイオインパクト)の技術を利用したもので、国内最大級の嫌気処理設備となる予定とのこと。バイオマス燃料製造設備で取りだしたバイオガスは、三島工場内にある石灰焼成キルンで使用する重油の代替 燃料として有効利用するようだ。
製紙メーカーも、独自に石灰を焼成するキルン炉を持っているんだとびっくり、、、知らないことばかり多い、、、いろいろ調べていたら、大王製紙、ペーパースラッジもガス化炉なのか、「ペーパースラッジガス化技術開発」(平成22年2月3日)というのもあった、この技術開発でも「ガス化を行い、発生させたバイオマス由来ガスを石灰焼成キルン用重油の代替燃料として使用するためのシステムを開発する。」と、まるでサーモセレクトガス化溶融炉のようだ、、、製紙メーカーも様変わり、、、そういえば大王は、環境展などダイオーエンジニアリングも出展していたな~
<報道関係各位>
2018年9月25日
大王製紙株式会社
製紙排水を利用したバイオマス燃料製造設備設置について
~国内最大級の嫌気処理設備として2020年稼動予定~
大王製紙株式会社(東京都千代田区)は、クラフトパルプ製造工程で発生する排水からバイオガス※1を取 り出す設備を三島工場(愛媛県四国中央市)に設置します。この設備は、住友重機械エンバイロメント株式会社(本社東京都品川区)の嫌気性処理システム(バイオインパクト)の技術を利用したもので、国内最大級の嫌気処理設備となる予定です。
本設備で取り出したバイオガスは、三島工場内にある石灰焼成キルン※2で使用する重油の代替燃料として有効利用します。これにより、①CO2排出量削減(年間約15,000㌧)、 排水負荷低減などの環境負荷低減効果、及び②操業コスト低減などが期待されております。
三島工場では、従来よりクラフトパルプ製造工程で発生するパルプ廃液(黒液)
※3を黒液回収ボイラーで燃焼し、エネルギーを回収するバイオマス発電を行ってきました。その黒液に加えて今回の事業は、メタン成分を含んだクラフトパルプ排水からメタンガスを取り出すことにより、更なる再生可能エネルギーの有効利用を図るものです。
本事業は再生可能エネルギー活用の先導事例として、経済産業省の「平成30年度再生可能エネルギー熱事業者支援事業補助事業」に採択されています。また、愛媛県のバイオマス活用推進計画における推進事業の一つとしても認定されており、官民一体で進めていく事業です。
今後も大王製紙グループは、再生可能エネルギーの有効利用を通じて、環境負荷低減の取り組みを継続していきます。
※1 有機物を発酵さたときに発生するメタンを主成分とするバイオマス由来のガス
※2 クラフトパルプ製造工程で使用する石灰を焼成して再利用する設備
※3 〃で木材から繊維を取り出した時に出る廃液でバイオマスの一種
≪事業の概要≫
総工費 約19億円
設置場所 大王製紙三島工場(愛媛県四国中央市)
重油削減量 約5,000kl/年
稼動時期 2020年10月予定
【本件に関するお問い合わせ先】
大王製紙株式会社 生産本部エネルギー企画部
担当:藤田 TEL0896-23-9068
住友重機械工業株式会社
製紙排水を利用したバイオマス燃料製造システムを受注 ~国内最大級の嫌気性処理設備として2020年稼働予定~
2018年09月25日
住友重機械エンバイロメント株式会社(本社:東京都品川区 社長:真鍋 教市 住友重機械工業100%出資)は、大手総合製紙メーカーである大王製紙株式会社(本社:愛媛県四国中央市 社長:佐光 正義)より、バイオマス燃料製造システムを受注しました。
本設備では、大王製紙(株)三島工場のクラフトパルプ製造工程で発生する排水を嫌気性処理により浄化し、処理過程で発生するバイオガスを重油の代替燃料として工場内で有効活用することで、重油換算で年間5,000kLのエネルギー回収を実現します。
当社の嫌気性処理システム(商品名:バイオインパクト)は、お客様のニーズや課題に応じ、プロセスの最適化などカスタマイズを行っています。今回は、クラフトパルプ排水への適用にあたり、独自開発の微生物制御技術に改良を加えた専用設計の「バイオインパクトKP」を納入いたします。
クラフトパルプ排水は、メタノール成分を含み有機物濃度も高いため、一般には蒸気や電力など多大なエネルギーを使って浄化しています。嫌気性処理への転換により、これらのエネルギーが不要となることから、年間15,000トンにおよぶCO2排出量削減や操業コスト低減、余剰汚泥抑制など、大きな経済的・社会的メリットも期待されています。
なお、本事業は再生可能エネルギー活用の先導事例として、経済産業省の「平成30年度 再生可能エネルギー熱事業者支援事業」として採択されています。また、三島工場が立地する愛媛県のバイオマス活用計画推進事業としても認定を受けています。
住友重機械エンバイロメントは、今後も嫌気性処理システムの提案を通じ、製紙や化学系排水、各種濃厚廃液などの未利用バイオマスの利活用を促進し、地球温暖化防止や循環型社会の形成に貢献してまいります。
- システム導入イメージ
- 完成予想図
- ※連続蒸解釜:木材チップを釜に入れ、蒸気で温度を上げ、蒸解薬品で蒸解を行い、クラフトパルプを連続的に取り出す設備
- ※バキュームエバポレーター(真空蒸発缶):装置内を減圧して沸点を下げ、効率良く黒液を濃縮する装置
- ※好気性処理:排水中の有機物を微生物に空気を吹き込みながら分解するもので、工場の排水処理に使用されている