今朝も「GPS作戦を継続 古紙持ち去り抑止策」というニュースが流れていたのだが、今や、GPS作戦は東京、埼玉、神奈川、愛知と、各地に広がってきた。自治体も、(資源)持ち去り禁止条例の制定、監視パトロールの強化、そのうえのGPS作戦なのだろうが、、、 イマイチ釈然としない部分もある。資源の回収ルートは多様化している、自治体の、古紙回収量減少を、そのまま単純に「持ち去り」とむすびつけていいのかどうか。「持ち去り」分をどう試算しているのかが不鮮明。だからGPS作戦で追跡までするのか?! 資源の「持ち去り」「抜き取り」を容認はできないので、不正行為は正してほしいとはおもうが、行政が率先してやることなのかは疑問が残る。(他にやることはあるだろうと、、、)とはいえ、古紙回収業者、古紙問屋、製紙メーカー等の古紙関連業界は、不正の廃絶に向けて、しっかり連携して取り組むべきだとおもう。
東京都は、2010年に「古紙持ち去り問題対策検討協議会」を立ち上げ、2011年に「古紙持ち去り問題根絶に向けた取組」を取りまとめている。その報告では、2009年の都内の新聞古紙の持ち去り量は4万2675トン、持ち去り率を27.3%、被害額は推計15億円としている。(東京都リサイクル事業協会調べ)
しかし、2009年は、国内の紙・板紙国内消費は27,194,127トンで前年より約310万トンも大幅に下落している。そして古紙回収量も21,663,919トンで前年より約100万トンの減少。一方、皮肉なことに、回収量は減っても、古紙回収率は79.7%と前年より4.6%増加である。この「古紙回収量」は、(製紙メーカーの)古紙入荷量+古紙輸出量+古紙輸入量から出しているので、古紙持ち去り分も含まれている。(持ち去り業者も、古紙問屋、製紙メーカー、輸出商社のいずれかに持ち込む。)
23区の場合、古紙の持ち去りが横行し始めたのは、行政回収が始まってから。古紙輸出による需要の拡大もその頃から。需要と供給のバランス、それまで民民でまわっていたものから、行政による古紙の回収、古紙輸出による買取価格の高騰、そういった諸々のことが組織的な持ち去り業者を生んだのか。23区の古紙回収量は、行政回収の開始でいっきに回収量は増加するものの、その後、行政回収量は2001年度をピークに下降傾向、集団回収量は微増・横ばい傾向が続いている。行政回収の形態も、当初の直営から、徐々に委託形式となり、今や、行政回収を廃止して、集団回収にだけにしている区も数区ある。23区の古紙回収量の減少は、回収形態の変化、紙・板紙消費量の低迷、古紙持ち去りがどれだけ影響しているのか、その他の要因は考えられないのか。各区とも、さまざまな「持ち去り」の対策は実施していたが、その効果はどれほどの効果があったとみるべきなのか?!
しかし、古紙の「持ち去り」対策も大切なことかもしれないが、
23区は、年間 100万トンもの紙類を清掃工場で焼却している。
新聞ひと束をGPSで追跡もいいのだが、
燃やされている「資源化可能な紙類」の救出作戦も実施してほしい!!
「混ぜればごみ、分ければ資源」紙類は紙から紙にリサイクルを
持ち去りのGPS作戦も大事だが、
紙ごみ100万トン焼却からの救出作戦はゼッケイカナ、ゼッカイカナ、
●古紙回収率の計算式
☆古紙再生促進センター「古紙回収率とは」より
東京都環境局 平成23年6月7日
■行政・回収業界・製紙メーカーの連携による古紙持ち去り根絶に向けた4つの行動
●家庭系古紙回収の流れ
☆環境局「行政・回収業界・製紙メーカーの連携による古紙持ち去り根絶に向けた4つの行動」より
●23区の紙類回収実績の推移
関連(本ブログ)
■23区版 ~事業系古紙の資源化ルート拡充に向けて~ 現状年間100万トンの紙ごみ焼却はNG (2014年04月06日)
■23区版 ~事業系古紙の資源化ルート拡充に向けて~(その2)(2014年04月10日)
■古紙持ち去り GPSで特定へ(2013年06月11日)
■古紙持ち去り GPSで追跡 西東京市(2013年05月24日)
■行政・回収業界・製紙メーカーの連携による古紙持ち去り根絶に向けた4つの行動(2011年06月07日)
■23区の清掃事業年報 【リサイクル編】 『平成24年度 資源回収量【確定値】』から~(2013年09月07日)
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参考
公益財団法人古紙再生促進センター
■2013年古紙需給統計(2013年1月~12月)2014年3月
古紙需給統計データからグラフ作成
●紙・板紙の生産推移
●古紙・パルプの消費推移
●古紙回収率・利用率の推移
●紙・板紙の輸出・輸入推移
●古紙の輸出・輸入推移
古紙の回収率は、書籍や、書類のように、長期保存するものも多く、未回収分が2013年で約20%あり。生産量や消費量の推移が、そのまま回収量とリンクするわけではないので、わかりにくい、
●古紙の発生・流通経路(2013年)
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●日本の紙・板紙の生産量など(2011年)
新聞をとる人が減っているとは聞くが、5年で、新聞用紙が46万トンも減っている。
●紙の生産量内訳
●板紙の生産量内訳
紙のうち、紙から紙にリサイクルできないものとしては、使用済みのトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの衛生用紙、その他の紙や板紙(段ボール)などは、汚さなければ、ごみと混ぜなければ、ほとんどが再び紙にリサイクル可能。(特殊な加工紙や製品は除く)
●紙生産量 品種別内訳 2013年
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