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大阪市 大阪市水道局発注の工事に係る不適正施工問題について(第2報)--大阪市水道局発注の 工事に係る 不適正施工問題 報告書--

2018年02月16日 14時18分56秒 | 溶融炉、スラグ

 

大阪市

 

問合せ先:水道局 工務部計画課(06-6616-5710)

平成30年2月16日 14時発表

 大阪市水道局では、外部通報があった22件の水道工事につきまして、平成29年11月10日の報道発表以降、引き続き調査を進めてまいりましたが、このたび、その後の調査経過と再発防止策を報告書として取りまとめましたので、お知らせします。
 当局といたしましては、引き続き調査に全力を尽くすとともに、その結果を踏まえて厳正に対処してまいります。
 お客さま及び関係各位に多大なご心配とご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。

1 調査経過

(1)通報があった工事22件

 当局では、外部通報があった22件の水道工事のうち、掘削調査等を行った工事現場(工事名称:沢之町2丁目外150ミリその他配水管布設工事)において、当局の仕様書どおりに材料が使用されていないこと、水道管の配管形態が当局の承諾を得ることなく変更して布設されていたこと、土中にアスファルト殻が放置されていたことが判明しました。
 また、この事実確認を進めていく中で、すべての工事において、受注者から当局に提出されていた「材料メーカーa社の納品伝票(写し)」が偽造されていることが判明し、これらは、同一の下請負業者(K社)が材料メーカーからの「納品伝票(写し)」を偽造し、受注者は下請負業者(K社)から提出された「納品伝票(写し)」を当局にそのまま提出していたことが確認されました。
 このことを踏まえ、残る21件の工事についても受注者等へのヒアリングにより事実確認を進めてきた結果、当該工事のすべてにおいて、当局の仕様書どおりに材料が使用されていない事実が判明しました。
 また、配管形態の無許可変更やアスファルト殻等の放置についても、残る21件の工事で同様の不適正な施工が行われていないか、工事記録写真の再確認や掘削調査により確認を進めてまいります。

(2)追加調査(通報があった工事22件以外の工事)【下表を参照】

 22件の工事に関わって「納品伝票(写し)」の偽造を行っていた業者(K社)が、平成24年度以降に完成した配水管工事のうち受注者又は下請負業者として関わった工事19件について調査を実施した結果、すべての工事で同様の偽造が判明するとともに、そのうち「材料メーカーa社の納品伝票(写し)」が提出されていた17件について、当局の仕様書どおりに材料が使用されていない事実が判明しました。なお、「材料メーカーb社の納品伝票(写し)」が提出されていた2件については現在、調査中です。
 さらに、偽造された伝票に記載された購入先(材料メーカーa社およびb社)から材料を購入している工事33件にも対象を拡大して調査を実施したところ、現時点で「材料メーカーa社」から材料を購入したとされる6件の工事で同様の偽造が判明するとともに、その全件について、当局の仕様書どおりに材料が使用されていない事実が判明しました。なお、「材料メーカーb社」から材料を購入したとされる27件については現在、調査中です。
 これらの不適正な施工内容や提出書類の虚偽記載について、厳正に対処してまいります。
 なお、残る全ての配水管工事578件においても、同様の偽造が行われていないかについて、引き続き、調査を進めてまいります。

調査全体の枠組み

【表 調査全体の枠組み】

(3)不適正な材料使用に伴う影響について

 不適正な施工が判明した工事において、当局の仕様書どおりに材料が使用されていない事実が判明したため、水道水質と道路の路面への影響の有無について確認しました。

1)水道水質

 布設された水道管自体に何ら問題はないため水道水質に影響を与える心配はなく、水道水は安心してご使用いただけます。
 また、当局では、遠隔監視装置により日々の水質・水量・水圧を連続監視しておりますが、これまで、今回の不適正な施工に起因するとみられる異常は確認されておりません。

2)道路の路面

 これまでに書類の偽造が判明、又は疑義が生じている74件の工事について、道路の路面の状況を現地にて目視点検を行い、異常がないことを確認しております。
 今後とも引き続き、実際に埋戻土等として使用された材料、配管形態の無許可変更やアスファルト殻等の放置に関する調査と並行して目視点検を実施してまいります。

(4)職員への調査状況

 業者(K社)が受注者又は下請負業者として関わった工事ならびに材料メーカーa社から材料を購入したとされる工事の合計47件の工事の監督職員として従事した66人を対象に、監督職員による不正への関与の有無についてヒアリングを実施しました。
 その結果、監督職員による不正への関与は確認されませんでした。

2 再発防止策

(1)課題の整理

 配水管工事の契約、着手から施工、検査に至る一連の業務について現状分析を行うとともに、施工監理体制の現況把握に係る職員ヒアリングならびに業者ヒアリング結果等も踏まえ、今回の不適正な工事施工に関して明らかになった課題は以下のとおりです。
1)課題ア:「納品伝票(写し)」の偽造
  • 「納品伝票(写し)」の提出のみでは、当該書類の真偽と実際の購入形態の正確な把握には限界がある。
  • 現場では材料の目視判別はできない(メーカー見解)ため、現場において材料の適否の判断には限界がある。
2)課題イ:工事関係書類の提出に対する業者指導の不徹底
  • 工事記録写真が不足していた場合、その前後の施工(配管)状況や管路の使用材料の集計表等を参考に履行を確認するなど、履行確認に必要な工事関係書類の提出について業者への指導が徹底されていなかった。
  • 工事関係書類の履行確認に関する作業手順が統一されておらず、受注者指導にばらつきが生じていた。
3)課題ウ:施工能力・施工管理能力を有する受注者の確保への懸念
  • 不適正な施工が判明した配水管工事では、受注者による下請負業者の施工管理能力が不十分であったと言わざるを得ない。
  • 布設する配管に十分な耐震性を持たせる必要があり、他の土木工事にはない特有の技能が求められるため、配水管工事トータルの施工管理能力を有する受注者を確保していくことが課題である。

(2)再発防止策

 当局では、不適正な施工実態の判明を受け、次のとおりの再発防止策を実施します。
 なお、再発防止策は、今後、新たに契約する工事については特記仕様書等に明記するとともに、既に履行中の工事については協議録により順次対策を実施しています。

1)工事関係書類に係る不正行為の防止(課題アに対する対策内容)
  • 「納品伝票(写し)」の原本照合を実施
  • 疑義が生じた場合に土壌の成分分析等が行えるよう、埋戻土等のサンプルを採取
  • 受注者に材料メーカー等の出荷証明書の提出を義務付け
  • 出荷証明書を用い、材料メーカー等へ定期的に内容照会を実施
2)水道局の施工監理体制の強化策(課題イに対する対策内容)
  • 受注者と下請負業者間で取り交わされる注文請書等の原本照合と契約内容の審査を徹底
  • 配置技術者が施工管理・工程管理を適切に行っているかについて、定期的にヒアリングを実施
  • 施工監理の業務プロセスの中で、工事品質を確保する上で重要なポイントを設定し、履行確認ができなければ次の工程に進ませないこととする。特に、工事記録写真が不足の場合、破壊検査を含め厳格に対応
  • 書類による履行確認を補完する手段として、現在の月1~2回の抜き打ちによる現場チェックの頻度増加
3)施工能力・施工管理能力を有する受注者を確保するための制度変更(課題ウに対する対策内容)
  • 入札参加資格要件の追加検討(「追加することが望ましい建設業許可」および「配置技術者に一定の実務能力を求めるための資格要件」)
  • 「総合評価型」の入札手法の導入検討

3 今後の予定

 当局といたしましては、将来にわたり二度と同じようなことを繰り返さないために、再発防止策を徹底するとともに、埋戻土等に使用されている材料に関する調査を引き続き進めてまいります。なお、不適正な施工事実が確認された場合、厳正に対処するとともに、これに伴い当局に生じた過払いについては、その差額を受注者に請求してまいります。
 また、通報があった工事22件のうち、工事施工中である3件については、埋戻土等の材料の入れ替えを行っているところです。一方、工事が完成した残る19件のうち、アスファルト殻の放置が確認された工事現場(沢之町2丁目外150ミリその他配水管布設工事)については、埋戻土等の材料の入れ替えを全面的に行うとともに、他18件については、配管形態の無許可変更やアスファルト殻等の放置について、工事記録写真の再確認や現地での掘削調査により確認を進めてまいります。

【報告書】

 

 

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