花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

寒梅

2018年11月20日 09時06分51秒 | 趣味

来年の吟題を決める頃です
一題は「落花」(徳富蘇峰)に決めています
練習を始めましたがやはり初歩の私には難しいと思えます
もう一題を「寒梅」(新島襄)に決めようか考えています

もう随分以前のことになります
我が家で会合をしたとき先輩でいつもご親切に優しく接して下さっていた
Kさんが座の終わりにこの「寒梅」を皆の前で吟じて下さいました
私にとってはすぐ傍で詩吟に接した初めての機会だったのです
それは感動でした
あの細い身体で堂々とずっしりと重く響いた声に出会ったのです
そして思ったのは私共の趣味とする琴も三絃も演奏の前には必ず
調子を合わせるといった前準備をしなければなりませんが
ところがどうでしょう 
詩吟はいきなりあんなにも堂々と大きな声が出てきます
感動ですとも
それ以来私も詩吟を習ってみたいと思っていましたのに
こんな高齢になって始めてしまって
そのKさんは詩舞もされて殆ど毎年のように日本武道館に出場されて
いたようです

でもそのKさんは既に他界されて
私が最後にKさんを病院にお見舞いに行ったとき言い残したことばがあるのです
それは「私も詩吟を頑張るから」と言いたかったのに
言わないままで帰ってきたことは心残りなことでした
それなのに
その夜のことです Kさんのご主人から連絡をうけました
「今意識がなくなりました」と急変を知らされたのです
私はひとりとり残された寂しさはやる瀬なくて
でも仕方がないのです
これまでのご懇情を感謝するしか出来なくて
だからkさんを想い来年の吟題に決めようかと思っています







野牡丹の花が冷たく感じる今朝に
透明な色彩で咲いています