花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

のらくろ兵隊の目覚まし時計

2015年06月05日 14時11分34秒 | 母を想う
母が亡くなって気持ちの落ち着くまで随分時間がかかりました
愛しい人の思い出の品を身に付けたくなるのは皆さんそうだと思います

私は母の腕時計を身に付けたくて時計のベルトを調整してもらうために
近くの時計屋さんに行きました
思へばあの頃は何処に行くにも主人が一緒にいてくれました
悲しい目に逢うと人は消え失せそうに見えるからではないのでしょうか

私はその時計屋さんに事情を説明しましたがそのベルトの調整が出来るまで
涙が出て仕方がなくて傍にあった“のらくろ兵隊の目覚まし時計”を手にしました
本当は何でもよかったのです
“あの人は泣いている”と周囲の人に気付かれないで時が過ぎていくなら・・・・

家に帰れば目覚まし時計は幾つもあります それらを承知のうえで
「それ 買うか?」主人は何故それを買うか理由が解ったようです
お願いだからそんなに優しくしないで下さい
私また新たな涙が出てしまいました

あれから27年経ちました
のらくろ兵隊よく働き私を勇気付けてくれました
彼はいつも「トテチテタ タッタカタッタア タカター」と大きなラッパの音楽に続いて
「ボク ノラクロ 起きる時間だよー 起きろ―」
と大声で何度も何度も叫んでいました
お喋りをする目覚まし時計なのです

のらくろの時計を見る度にあの時の涙を思い出します
長い間ありがとう  もう大丈夫だから


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