一人ディズニー見聞録

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「ディズニー・ワールド・ビート 2022」 外国人シンガーの魅力

2022-08-12 07:34:00 | コンサート
8/6(土)にサントリーホールで行われた「ディズニー・ワールド・ビート 2022」を観に行った。3年ぶりに開催されたディズニーソングのジャズコンサートは自分にとって、初めて外国人シンガーの唄を聞くコンサートでもあった。

自分がディズニーのコンサートに行くようになったのは、コロナ禍になってからだ。当時は外国人の入国制限が厳しかったため、多くのディズニーソングのコンサートでは、日本人シンガーがディズニーソングを唄っていた。

日本人シンガーの公演しか観たことがない自分にとって、初めて外国人シンガーのコンサートで盛り上がれるかが不安だった。英語の歌詞や外国人特有のノリ(言葉で表現するのは難しい)を初見で理解して、シンガーたちと同じノリを共有するのが難しいと思っていた。

しかし、その不安を一瞬で吹き飛ばして、シンガーと観客の距離が縮まって一体感を生み出す出来事があった。それは、外国人シンガーたちが日本語を話したことだ。

例えば、今公演で音楽監督兼バンドリーダーを務めたブラッド・ケリーさんが、第1部の3曲目が終了した後、流暢な日本語でMCを始めた(通訳なし)。突然の出来事に観客席が一瞬どよめいたが、ブラッドさんの話す自然な日本語でのMCに、観客席からは大きな拍手が送られた。ブラッドさんの日本語MCに対する称賛の拍手は、ブラッドさんと観客との距離が縮まり、一体感が生まれたとも思えた。

また第1部で、今回の全国ツアーでシンガーを務める4人の外国人が登場した際に、ブラッドさんが4人の紹介と過去に来日したことある人には、訪れた場所と好きな日本食を聞いた。その時、彼らは日本語で訪れた場所や好きな日本食を答えていて、とても親近感があった。

その中でもシンガーのアネット・ムーアさんは、過去に長崎のハウステンボスで1年間歌手活動していたことがあるため、好きな日本食は「長崎ちゃんぽん」と日本語で答えて、会場は盛り上がった。外国人の口から「長崎ちゃんぽん」が発せられた時は、今コンサートのハイライト、ではないが、印象に残る場面の1つになった。

さらに、第1部のハイライトとなったブラッドさんのクイズコーナーでは、出演者と観客との間に大きな一体感が生まれた。ブラッドさんに選ばれた会場内のお客さんの1人が、有名なディズニーソングをバンドの演奏を聞いて当てるこのコーナーでは、ブラッドさん以上に日本語が話せるピアノ担当のジョナサン・カッツさん(長年に渡り東京で活動している)が通訳となり、丁寧で分かりやすい日本語でクイズの内容やヒントなどを出して、解答者並びに会場の方をサポートしていた。外国人で日本人並みに日本語が話せる人の言葉は、日本人との距離を無くして、一体感を作り出してくれると感じた。

そして、第2部ではジョナサンさんが作曲した『アメイジング・グレイス』と『夕やけこやけ』を合わせたオリジナル曲を外国人シンガーたちが唄った際、『夕やけこやけ』を日本語で唄ってくれたのだ。日本人に馴染みの歌を外国人が日本語で唄ったこの場面は、第2部並びに今公演で出演者と観客との間に最も大きな一体感が生まれたように思えた。それは目に見えるものではなかったが、会場の雰囲気からそれを感じることができた。

今まで日本人シンガーのパフォーマンスしか聞いてこなかった自分にとって、外国人シンガーはとても魅力的だった。見た目やパフォーマンスはもちろんだが、それ以上に日本語を話したり、日本食を嗜むといった日本の文化を理解して実践しているところが、彼らの魅力だと思った。パフォーマンス以外で観客との一体感を生み出せるのは、外国人シンガーの特権なのかもしれない。

「ディズニー・ワールド・ビート 2022」は、ディズニーソングとジャズの相性の良さ、ビッグバンドの迫力に加えて、外国人シンガーの魅力を知ることができたコンサートだった。


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