人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

本番間近

2025年03月18日 | 舞台
 命が喜ぶ舞台を創りたいといつも念じている。
 付和雷同せず参加者みんなで相和して創る舞台。

 敦賀朗読なぎの会の山本周五郎作品と、美浜朗読さくらの会の芥川龍之介作品。
 どちらも生徒さんたちの公演だ。
 ㏋のスケジュール更新も出来、準備は整いつつある。

 稽古現場は熱がこもってきて気を緩める間がなく、脳疲労はピーク。
 本番直前の仕事も入ってジタバタしているうえに右膝も不安定だ。

 雑事が片付かず追い詰められていると感じるのは希望への扉が開かれる前兆だと思うことにしている。
 乗り越えると決めればよいだけ、という声がするのだ。

 バタバタだが諸々進展があった今日、久しぶりに早瀬浦を買いに御用達酒店へ。
 仏壇前に飾っただけでホッコリと癒される。

 早朝ゴミ当番に行こうと玄関を開けたら、牡丹雪がハラハラと舞い地面が真っ白だった。
 そろそろまた冷えてきた、明日も早朝から深夜まで稽古が待っている。
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奮闘

2025年03月11日 | 徒然
 今日は貴重な一日休日なので頑張って納税(Eタックス)に挑戦。
 6時間踏ん張って何とか最後の送信ボタンを押した時は疲れ果ててガックリ。
 この6時間を読書や昼寝にあてていたら体や心がどんなに喜んだか・・・。

 それでも自分を褒めながら買い物へ。
 マーケットの中でまたしても右膝に激痛が走り歩けなくなってしまった。
 今日一日の激闘を振り返り人間を辞めたくなった。

 <カサブランカと新た昨日届いた水仙>

 前回のブログで「すべてに突出している中国は~」と書いたが、行き詰まっているというのが現実だ。
 ただ、それを認識して道を探ろうとするか、勘違いしたまま突き進むかで結果は大きく変わる。
 
 少なくとも日本は、このままでは行き詰まる。
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壊れた世界でどこを向く

2025年03月04日 | 徒然
 昨夜はおでんで幸せなひと時を過ごせた。
 頂いたおでんが鍋の中でコトコト温まっていく音と匂いが様々な憂いを忘れさせ、小さな喜びの偉大さを実感。

  <札幌の味のある雛飾りと我家の独り雛>
 雑然とした中に一人涼し気に座る我家のお雛様は、京都名匠の作品。

 ホワイトハウスでの大ゲンカの時トランプは駄々っ子のように「オバマが悪い、バイデンのせいだ」とひたすら連呼していたそうだが全く日本語に訳されなかった。
 石破首相がトランプに「あなたは神に選ばれし人だ」と持ち上げた言葉も翻訳無し。

 商人レベルの小人が今のアメリカ大統領なのか。
 長きにわたって「民主主義のため」と称して戦争への介入を続けたアメリカに残っているのは、今や軍事力だけ。
 欧州では「アメリカは疾(とう)の昔に世界の覇権国ではなくなっている事に気づいていない」と断定する向きもあるようだ。

 軍事も経済も何もかも突出している中国はこの状況にどう対処するのか・・・今日の羽鳥モーニングショーでの玉川氏の解説は分かり易く面白かった。

 ガキじみた為政者達のせいで小説やドラマそのままに世界は壊れていく。
 ルールが失われた時、日本はいったい何処を向くのか。
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人格の香り

2025年02月25日 | 徒然
 雪を視る度、日本中の保線係が今夜も徹夜で作業してくれるんだなと思う。
 その雪も峠を越えたというが本当だろうか。

 雪かきを終えてストーブを点け、テレビを見たらラーメン特集をやっていた。
 それで朝食に高菜炒めを沢山入れたラーメンを作って食べた(美味)。

 視覚効果というのは、こんなに人を動かすんだなと改めて体感・・・怖い。
 影響された自分が情けない。

 今読んでいる小説に「知ってどうすると聞く事は、生きてどうすると聞くのと同じ」という台詞があった。
 何故山に登る?何故走る?何故やさしくする?何故嫌われる?何故、何故、何故・・・。

 何故には必ず原因と理由(わけ)がある。
 不幸や幸福に流されずに何故の理由を考える時、やっと人は自ら成長するのだろう。

  <甥っ子の育てた新鮮な大根と目玉付きの人参>
 なんだか素朴で葉の香りまで伝わってくるようだ。

 各地でサクラ開花のニュースが聞こえ始めた。
 枯れ木にも毎年どこからか若芽が出、花が開けば香りを放つ。

 しかし人の人生は一回限りだ。
 だからこそ夢を見、花を咲かせ香り高く生きたい。

 世界の分断が進み強大な権力を持つ者が現れるが、孤立すれば焦りが芽生え、滅ぶ。
 素朴とは程遠い彼らには香りはない。
 人格から香りが失せる時、周りに人は居なくなる。
 
 香るような人格者にまだ会ったことがない。
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光源のように

2025年02月18日 | 徒然
 重くてジュクジュクした雪に変わり、箒では掃きにくくなった。
 福井県の今年の花粉は「少ない」に変わり、トランプ大統領も日々言動が変わっている。

 「善人だけが集まっても、組織を形成すると必ず悪を行う」
 今読んでいる中国歴史小説の一節に納得。

 組織という枠組みに入った途端、善良だった魂が数合わせゲームの中で変わっていく。
 たしかに現実はそう示唆している。

 大谷が始動しスポーツ界が息を吹き返した感がある。
 ”イケメン”とか”美しい”を超えて世の中を照らす彼のような、変わらない存在もある。

 いつも変わらず静かにそこにある、光源のような存在に憧れる。

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生きるとは夢見ること、死ぬとは夢から目覚めること

2025年02月11日 | 徒然
 朝晩の冷えが厳しく、案じた通り指先が次々にバレーボール選手に逆戻りした。
 
 ACジャパンというCMをよく見る。
 大小の企業がお金を出し合って新聞やTVなどの媒体に無料で広告を打つらしい。
 掲載してあげる代わりに、媒体側はいつどのCMを出すかを決める権利があるという。
 地方で手作りした町おこしCMなどが時々TVでも流れるのはそういうことらしい。

 だからフジテレビ系列で沢山見かけるのかと納得。
 番組には元々スポンサーCM枠があったのにどの大企業も退いてしまったから、その空白の時間を埋めないと番組自体が成り立たないのだ。

 <頼りなげな朧月>
 月は高く昇るから、広く山河を照らして大局を見ることが出来る。
 そして、登った後は必ず欠けてゆく。

 枯れ木は毎年芽を出すが人の一生は一度限り。
 消滅へ向けて命は欠けてゆき、没した時誰もが善なる魂として覚醒する。

 否応なしに時は刻まれ明日はやって来る。
 月のようにまた満ちることはない。
 

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証人として忘れない

2025年02月04日 | 徒然
 起き抜けに外が明るいなと思ってカーテンを開けたら予報通り路上は真っ白。
 あぁやっぱり昨日の内にあれこれチャリで走ってやっておくべきだったと後悔しても始まらない。

 超大型といわれるスギ花粉もドタキャン状態。
 赤切れでバレーボール選手のように絆創膏だらけだった指先に逆戻りしそうだ。

 <企画展パンフレット>
 日曜日に実録フィルム映画『ワルシャワ蜂起』(無料)を市の施設ムゼウムで観た。
 戦争の実態を1時間半見続けるのは修行だった。

 武装ドイツ兵の前を歩く群衆の列に「どこへ連れていくんだ?」「あの中に母さんはいないよな?」「居るわけないだろう!」と、隠し撮りしている兄弟の不安の囁(ささや)きが重なる。

 1944年8月1日午後5時「ドイツなんか三日でたたき出してやる」と明るく蜂起した美しい街ワルシャワの市民部隊は、63日間も闘い、ついに生き残った数百人が廃墟の街を捨てて逃走する。
 最後は水もない飢餓との闘いだった。

 エンディングに流れる無言のフィルムに、あの群衆の無残な死体が映し出され、その群衆が一つではなく沢山あった事、生きたまま埋められ焼かれたた人々が沢山いた事が
ぼかし修正無しで繰り返し映る。
 席を立ちたくても何かが「証人として最後まで観よ」と肩を抑えつける。

 撮影した兄弟のうち兄は隠し撮りを発見され逃げ遅れて殺される。
 「兄さん!!」という絶叫がこだまし、戦争の実態はショッキングに脳裏に刻まれた。

 ワルシャワが復興するのは、複雑な大国間の政治に阻まれ長い年月を経た後だった。

 無残にも勇敢にも、最後まで誇り高く戦争の犠牲になった人々を忘れないために、毎年8月1日午後5時、1分間の静寂が都市全体を覆う。

 ムゼウムの外に出て直ぐ「敦賀も戦禍で焼け野原になった」と思った。
 上映中も世界中の戦争ニュースが重なった。

 だから忘れてはいけない、彼らを支え続けたのが細やかな日常の喜び・・・美味しい、懐かしい、好い匂い、暖かい、綺麗であったことを。
 
 油断するな、夜眠っている間に世界は大きく動いている。
 だから忘れるな、今この瞬間の輝きを。
 
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古巣にて

2025年01月28日 | 舞台
 俳優人生のスタートから師としてお世話になった亡き舞台照明家:日高勝彦氏を偲ぶ会に先週参加した。
 <富士山、煙の競演?>
 インフルエンザの猛威と、会場の乾電池のアトリエ(稽古場)がそう広くはないせいで、皆さんマスク着用だったから誰が誰だか分からない。
 それでなくともコロナ以来東京の舞台から遠ざかってきた私は、目が合うと「知り合いかな!?」と見つめ合うこと暫し。
 どうも知り合いらしいと互いに感じる方もいらしたがお名前までは出てこず、笑顔で軽く頭を下げる挨拶を繰り返した。

 日高さんの愛弟子:葛生君と、敦賀市民劇『熊谷ホテル物語』で見事なピン(細い照り)を出してくれたご子息の日高勝郎さんが、私を見つけ飛んできてくれたのが嬉しかった。

 日高さんが生前愛した珈琲店のご亭主が、やさしい味の温かいコーヒーを皆さんにサービスしていた。
 日高さんご愛飲と思うのも加わって美味しい~♡(ホッコリ)

 時折マスクを取って談笑なさる方もあり、TVで拝見した演出家や綺麗な女優さんなどもいらして華やぐ。

 故人の写真も沢山あったがボロボロになった台本が何冊か机にあったので読んでみた。
 照明のキュー(きっかけ)出しがほとんど無いのに驚いた。
 その少ない鉛筆書きを見て、俳優たちとの信頼関係があればこれで十分なんだなぁと感じいった。

 会場を貸してくださった劇団乾電池代表:江本明氏は毎日ご近所の子供たちに読み聞かせ朗読をなさっていて「今朝もやってたんだよ。」と葛生君が教えてくれた。
 昔東京で活躍し今は敦賀在住の演出家:家高さんが到着して柄本さんと再会した時は、みな微笑ましくて笑い声をあげた。
 白髪が目立つ二人の再会は月日の重さと暖かさを漂わせ、私がFO(静かに去る)するまで肩を抱き合うように語り続けていた。

 <いつまでも忘れません>

 会場は下北沢駅の近く。
 「本多劇場を目指すべし」と教えられていたのだが、右も左も分からない上に工事中の所が多くて戸惑った。
 東京駅も新宿・渋谷周辺もいまだに工事中が多い。

 敦賀を出発する時は「東京かぁ、疲れるだろうな・・・」と危惧していたが結果はその逆だった。
 日高氏を同志として愛し、舞台を愛してやまない人たちとの触れ合いの中で、心から癒された一日になった。 
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まるで坩堝(るつぼ)

2025年01月21日 | 徒然
 北朝鮮の兵士たち、現職大統領逮捕の行く末、アメリカ新大統領のグリーンランド問題と歴史の分断。
 私利私欲と不老不死を願う愚かで卑小かつ個人的な権力者の思惑が揺れの振れ幅を大きくし、世界全体を坩堝(るつぼ)に化している。
 そして“権力者“によってその坩堝(るつぼ)に放り込まれた東西南北の弱者たちが理由(わけ)も分からず毎日毎日亡くなっていく。

 情報空白地帯で育った北朝鮮の若い兵士たちは自爆用の手榴弾を持つまさに死兵だ。

 君たちは最後に何を叫ぶのか。
 その声を聴く人はいるのか?
 その人は君の声を聴いて欲しい人なのか?

 ウクライナ義勇兵だったオーストラリア人がロシアで処刑されたかも知れないという。
 捕虜は国際法上人道的扱いを受けるのが鉄則だった時代も終わったか。

 <何種類もの小さなアラレの坩堝・・・これは素朴で楽しく美味しいが・・・>

 トヨタがアルコール検知機能を車に搭載するという。
 発明技術としては素晴らしいが、機器に依存すれば人間の善悪の判断は質が低下し車のコストも上がる。
 そのコストは巡り巡って免許を持たない私にも万人にも「防犯コスト」として跳ね返ってくる。
 
 アメリカ大統領の「外国の関税を上げてその分を国民に分配する」というやり方も同じで、結局はアメリカ国内のあらゆる商品に転嫁されて自国民の負担を増やすことになる。  

 富裕な人たちは些細な負担など歯牙にもかけずに生きてきた。
 ただ派手な発言に酔い、喝采を煽っているだけだ。

 因みにトランプ氏が所有権を主張するグリーンランドは、北極海と北大西洋の間にある世界最大の島だ。

 「1721年から1953年まではデンマークの植民地で、79年5月以降国家としての特殊性からデンマーク王国の一部として自治政府が置かれ広範な自治が認められてきた。
 2009年には政治的な権限と責任がデンマーク政府からグリーンランド自治政府へと移譲された。
 大部分が北極圏に属し、北極海の小島オーダークや、そのさらに北方で2021年に確認された岩礁は北極点に最も近い、
 すなわち世界最北の陸地であり地理学上、アメリカ州の一部として分けられることもある。」

 天辺(てっぺん)が大好きなトランプ氏なら欲しがるだろうな。
 北の果てから世界を睥睨(へいげい)して軍事基地を造れば脅威となる。

 地球という星は今、何もかもが枠を外し暴走している。
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当事者の声

2025年01月14日 | 徒然
 毎回雨で消えていた雪がついに10センチほど積もり、しばらく家の門から外へは転びそうで出られなかった。
 このところやっと長靴無しでも買い物に出られるようになったが、次の寒波が思いやられる。
 
 シニアになってからパソコンを学びゲームアプリの開発で世界的にも話題となった若宮正子さんは高齢社会対策大綱検討会で、
 「私たち高齢者も極力心身ともに自立しなければ、と自覚はしておりますが」と前置きして。
 「一見健康そうに見えてもシニアは足腰が弱り、難聴、調書などの字が小さくて読めない、80歳以上は家族の同伴がないとスマートフォンを買えない、など沢山の不自由を抱えています。でも私たちの社会は、高齢者のみならず様々な分野の“当事者の声”を聴く力が著しく衰えてしまっているのではないでしょうか。」
 と警鐘を鳴らす発言をなさった。

 為政者たちが当事者の声を聴(訊)かないのは何百年も常態化していて皆泣き寝入りしてきた。
 まずはその事実に気づかねばならない。

 亡くなった詩人:谷川俊太郎が『耳をすませば』という素敵な詩集の中でこう詠(うた)っている。
  「 ひとつのおとに
   ひとつのこえに
   みみをすますことが
   もうひとつのおとに
   もうひとつのこえに
   みみをふさぐことに
   ならないように」

 だれもが当事者である事を忘れないようにしなければ。
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2025年初頭ブログ

2025年01月07日 | 徒然
 今日はブログ初日、生徒さんたちの稽古も初日。
 さして寒くもなく皆さんも元気だったので有り難かった。
 作品の読み込み方もそれぞれ頑張ってくれていると感じホッとした。
 
 <新年の三連カレンダー>

 昨年の師走始めにAmazonから、買った記憶のない品が届いた。
 振込用紙も何も入ってなかったので「?」。
 私はマーケット以外のカードは一枚も持っていないアナログ人間なので、詐欺師の方でも送った後に「?」だね。

 あちこちで「こういう場合決して受け取ってはならない」と警告された。
 まっこと物騒な世の中だ・・・。

 前回のブログに中国の12干支での「已」には成長が止まる意味もあると書いたが、今年こそ立ち止まって考える人類最後の年になるのかも知れない。
 人心も戦争も食糧も、人間のせいで限界に達しようとしている。
 今立ち止まらなければ地球上の全ての命は絶滅へと一気に進むかも知れないのだ。

 「已」年であることの意味を改めて考え始めている。
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巳年

2024年12月31日 | 徒然
 ネット情報によると
 【中国の漢字「巳」は「止む」を意味する「已」(い)。
  中国伝来の十二支はもともと植物が循環する様子を表し、6番目に草木が成長しきった状態を表す「已」がくる。
 即ちこれまでの努力が実を結びはじめる年だといわれ、草木の成長が極限に達した状態を表している。】

 なんとも芽出度い年ではないか。
 
 今日も雨の気配が囁きかけるように近づき、空がにわかに陰る。
 それでも時折雲が割れて陽の光が差し、胸も晴れる。

 何が起ころうと、希望を諦めずに迎えたい新年。
 地球のすべての命が癒しへと向かいますように。

 

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原始の力

2024年12月24日 | 舞台
 鼓童公演『山踏(やまふみ)』を京都で観た。
 世代交代が完了した今年の鼓童は力強くサービス精神も旺盛になっていた。

 最初の演目終了までの10分間は入場お断りとのことだったが会場を間違えたと知った私は焦った。
 本当の会場は京都駅からかなり遠いらしい。
 で、慌ててタクシーに乗り「飛ばして!」と叫んだ。

 しかしその運転手が凄かった。
 信号のない脇道や後続車の前をすれすれ横入(よこはい)りして走り、開場3分前に会場まん前の交差点で下してくれたのだ。
 
 5千円近い代金だったからさすがに「お釣りは要らない」とは言えず、チップは百円(冷静な私)。
 京都芸術大学内の劇場:春秋座二階席の最前列ド真ん中の席は思った通り見晴らしの効く好い席で、3秒前に着席できた!。
 
 <この日は満月だった>

 拍手の仕方やタイミングは人それぞれ。
 余韻を聴かずに叩く「拍手の為の拍手」が多いのは、参加型のお客さんが多数になったという事か。
 舞台へ自分の感動を伝えたい想いがフライング拍手に繋がっている。

 私は余韻を楽しみたい派だが右隣りが子供(中国の若い家族連れ)だったから笑顔で我慢した次第。

 そのうちその子も静かに舞台を見守り始めた。
 笑いや拍手を織り交ぜた賑やかな観客席が、武芸の陰陽の力で静かに抑え込まれてゆく。
 
 肚(はら)に響く打音が演者の体力の極限を超えたと感じた時、懐かしい原始の記憶が波濤(はとう)のように蘇(よみがえ)る。
 その軽やかともいえる奇跡的変化を何度も体感した舞台だった。

 今日はイヴ。
 こんな日にも戦禍のやまぬ彼の地に、あの原始の響きを届けたい。
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防犯コスト

2024年12月17日 | 徒然
 このところ疲れが取れずぼんやりすることが増えた。
 で、沢山いただいた柚子で昼過ぎに(!)柚子湯に浸かってみた。
 そういえば夕方寝も暫くしていなかったので少し寝てみたら小一時間グッと眠れて頭もスッキリ。

 健康のための伝承行事は家中を香(かぐわ)しくし、心身ともに温めてくれた。
 <柚子湯のイメージ(我が家の風呂にこんな風情はない)>

 面白いコラムを読んだ。
 「性善説なら田舎の無人販売所に“リンゴ10個で300円”とあれば、その通りにリンゴを得て支払ってゆく。
 だが中には悪い奴(ハッカー)がいて誰も見ていないからとリンゴをごっそり持ち、籠の代金もすべて持ち去る。
 やられた方は防犯に金をかけ、結果リンゴの対価は跳ね上がる。これが防犯コストである。 
 ハッカーのような、制度の穴を狙う犯罪者を頭いいなぁ!などと感心する輩は、犯罪のツケを自ら払わされていることに気づいていないのだ。」

 防犯コスト・・・たしかに他国の戦争犯罪は自分には無関係だとニュースを見ている内に、マーケットのあらゆる値札が高値に変わってしまった。

 制度は使う私たち次第で善にも悪にもなり得る「生き物」だ。
 性善説で作られた規範の中で、誰もが詐欺師にならないか試されている。
 
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死兵

2024年12月10日 | 徒然
 関ケ原の合戦で小早川秀秋は動かず、豊臣側が崩れるきっかけとなった。 
 その時、越前敦賀城主:大谷吉継は、
 「裏切り者を崩せ。突けや。雑兵雑輩には目もくるるべからず。金吾(小早川秀秋)を討て。金吾を地獄に落とせ。汝らが地獄の羅卒(らそつ)の先駆けをせよ!
と喚(わめ)き叫びつつ鬼神のごとく敵陣へ乗り入れ大谷勢は死兵と化した。」(司馬遼太郎:作『関ケ原』より)

 死兵とは背水の陣で死に物狂いで戦う兵士の事である。
 大谷軍は自らの意志で死兵となって闘ったが、今この瞬間にも他人の意志で闘わざるを得ない兵士たちは地上に無念を残しながら夢中で闘い死んでゆくのではないか。

 ”夢中では夢と気づかず、夢の中と気づくには目覚めねばならない”
 目覚めるには、現実社会と闘うという選択しかない。
 尊い事だがとても難しい・・・それこそ死兵となる覚悟が要る。

 一度崇拝された人間はその蜜の味を忘れられず狂気へと走る。
 その狂人たちの欲心が今日も世界を壊してゆく。
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