人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

冬の朗読会in美浜 終了

2020年12月08日 | 朗読
 40日間の闘いが終わった、そう思った。
 間に合わないという思いに急き立てられるように稽古に明け暮れた日々だった。

 どれだけ練習したら見切れるのか・・・見切れない自分に疲労困憊していた。
 最後の三日間は開き直るしかなく、結局いつも通り原点に返って楽しむと決めた。

 そして、
 5分の休憩を挟んだ1時間半の朗読会は終演後の観客の表情で凡てが報われ、舞台俳優としてまだ暫くは表舞台で生きてゆこうと思えた。(脳天気な私)

 そんなギリギリの想いの私を、今回も沢山の仲間がサポートしてくれた。
 コロナ対策を施した会場は完璧だったし、挿入音楽を出して下さった舞台部ボランティアのベテランも抜群のタイミングだった。
 見事な草花も2カ所に大きく活けられて、手作り感満載の温かさで会場を包んでくれた。(写真に残すのをすっかり忘れていた!)

 激動の幕末に短い生涯を終えた福井藩士・橋本左内は、多くの人々の尊敬と信頼を得て未来の日本を背負うはずだった英傑である。
 その橋本左内の早過ぎる死から始まる山本周五郎の作品『城中の霜』と出逢えたこと自体が今回の大きな収穫だった。
 向田邦子の珠玉の短編2編と共に立案・企画して下さった美浜図書館員の方々の力量に頭が下がる。

 夜半、灯油ストーヴを炊きながら昼の稽古録音を聞いていた時(これが一番辛い作業だった)、何処からかビオラを弾いているような音がしてフッと気が緩んだ。
 何のことはない、ストーヴに乗せてあったヤカンの水が湧き始めた音だった。
 今夜もまた湯たんぽ用のお湯を沸かしながら、楽屋見舞いの銘酒を頂き同じ音を聞いている。

 煩悩に悩まされる稽古の日々、終わってみれば虚脱感・・・だが、終演直後に味わう極上の達成感が常に私の背中を押し続けてきた。
 頭の中には、既に来年春の舞台の構想が蠢(うごめ)いている。
  <新カレンダーが今年の横に登場>

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言葉の威力

2019年11月20日 | 朗読
 テレビで、ある哲学書の朗読を聞いた。
 見事な朗読だったので、中身が私にもスッと入った。

 言葉は不思議なものだ。
 力を持って迫るかと思えば空虚に空回りする。
 だからこそ、魅力的で危うい。

 最近聞いた雄大で魅力的で、哀切な言葉、
 「海は、口を閉ざした貝が流した涙でできている」

 週の半ばに白浜の秘湯えびね温泉へ行った
   

 
 帰りにお茶したインフィニート(無限)ホテルのロビー。
 美しい白浜の海も、涙で出来ているのだろうか。



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終活スタート

2019年08月13日 | 朗読
 夏の雲は千変万化。
 目を離すとアッという間に形を変え、色を変える。

 特に黄昏時が美しい、雲と月と星の共演・・・。
 就寝時には、7月には見えなかった天の川らしきものも見える時がある。

 テレビでは甲子園野球が始まり、毎日感動的なシーンが続く。
 若いって凄い、彼らの存在そのものが美の塊だ。

 ミニミニ朗読会が終了した。
 お盆準備でお忙しい中、沢山の方がいらして下さった。
 二日間同じ演目なのに、二回とも聴いて下さった方が何人かいて驚いた。
 しかも二回目には家族や友人を誘って来て下さった方もいて、本当に嬉しかった。

 実は私にとっては終活のスタートを切る朗読会だった。
 独りライブでは反体制の一人漫才をやってきたが、今後は “傷みの記憶 ”を語り継ぐ夏の無料朗読会も毎年やっていこうと思っている。

 例え目を背けたい無残な記憶であっても、心揺さぶる朗読であれば受け取ってくれる人はいるはずだと信じている。

 終わって、もっともっと精進せよという過去からの伝言を聞いた気がする。
 次代への架け橋になるべく、スタートを切った実感がある。

 遅れていた盆飾りを、貰い物オンパレードで完成!
 


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最後の課題

2019年08月06日 | 朗読
 なにもかもが速乾!
 食器、洗濯物、抜き取った雑草、そして私・・・。

 私以外は有り難い事だ。
 面白いようにセッセと洗い物をしている。
 結果が出るのが早いと手も体も早く動く。

 止めているのが庭の草取り・・・。
 こればかりは10日のミニミニ朗読会までは一時ストップして、稽古三昧の日々だ。

 欲を手放す。
 寺院が集中するラオスの古都ルアンプラバンでは、誰もが助け合い、みな争わずに施しと祈りの日々を送っているという。

 欲を手放す・・・
 常に、稽古で最後にぶつかる課題である。

 <不思議人Mr.時広からの写真には、世界の素直な心が反映されていて、美しい>
 
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朗読とは

2013年07月30日 | 朗読
 夏のアイテム(扇風機、アイスノン、キンカン)がフル稼働し、蝉しぐれも
日暮れ過ぎまで喧しくなった。マーケットには各店の水仙饅頭が出揃い、
私の所にもお中元が届くようになった。

 アー夏なんだなぁ。

 ところで、葉桜がうっそうとするこの時期になるとカラスが我が家の庭で
朝礼を始める。困ったもんである。陽が昇る朝5時頃前後にカラスに起こ
されるのだ。物凄い勢いで喋り合うのでうるさくって目が覚める。

 そういえば、と思い出して“カーテン「ジャッ!」作戦”をやってみたら
今年も効果抜群。一気にシーンとなり、桜の枝やブロック塀の上でキョロ
キョロしている。何度かジャッ!っとカーテンの開閉を繰り返し、飛び去るのを
確認して再度床に入る。ところが・・・

 昨年と今年のカラスの違いは、この効果が1時間弱しかもたない事。
 浅い眠りが深くなりかける頃にまたしても「アー、アー」「ブルブルブル」
「ボバボバボバ」「オッアー」などと喧しく朝礼が始まり、夢から覚める。
このところ朝の貴重な3時間に、夢をいくつも見るはめに。なんとかしてよー。

 月曜日は一日雨。
 初めて小学校の先生たちを前に朗読講座を開いた。初々しい先生方が多く、
皆さん感性豊かで驚いた。結局私の方が勉強になった楽しい二時間半だった。

 私は、朗読は映画や演劇と同じく、文学作品を母体とした表現形態の一つ
であると考えている。決して本の解説や紹介にとどまらず、感覚を総動員して
原作の豊かさを伝える自己表現であると。

 さらに朗読は、自分とは違う人生の様々な感じ方や行動の仕方、またそこに
至る心の軌跡を、我が事のように疑似体験出来る素晴らしいツールでもあると
考えている。

 読書とは一味も二味も違う、子供たちの心を解放するツール(手段)として、
大いに学校教育の中で活用して頂きたい。
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講師:人村は今・・・

2013年07月24日 | 朗読
 週末は、劇団伊勢秋の本舞台『日本の始まり ヤマトタケル物語』演出の為
伊勢へ。これから11月頭の本番まで伊勢通いが続く。
 まずは大道具さんとの打合せ。迷っていた舞台セットプランを確定できて、
ホッ。夜は初稽古。ご遷宮の年なので各種行事が沢山あり団員たちは超多忙。
今公演は、なるべく皆が参加できるワークショップ形式で参加人数の不揃いを
乗り越えようと考えている。

 三日間の稽古を終えて土曜深夜に帰宅。室内は思った程熱気がこもっていない。
伊勢も海があるので朝晩は涼しくよく眠れた。芝居の事で脳みそがフル回転し、
ストレスもすっ飛んだ。魔の第四週に突入だ、と気合入れて(?)爆睡。

 明くる日曜から嬉しい知らせが相次ぎ、元気回復。
 まずは日・月曜に葉書DMのほとんどを投函。同時にメールアドレスのわかる方
たちにも一斉メールでお知らせをした。これは確率が悪そうだ。
 と思っていたら火曜日に一通、予約の返信が。有難い!

 月末までに本番が二つあるので、それぞれの準備の仕上げをしたり、月に一度の
朗読講座の、全く違う三つの講習内容をまとめたりと、水曜夕方まで資料本と首っ
引きで過ごした。講座は本日水曜夜から木・金と三連ちゃんだ。
 一時スランプだった人村だが、最近は朗読も含めた「表現」への対し方が変わって
きていて、少し波に乗りつつある。


途中脱線したが、ガチンコで想いを伝えた(伝わったとは言えない・・・)講座の地、美浜で。

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ベル・カルチャーサロン

2007年09月11日 | 朗読
 『残暑に贈る、涼しいお話』―私にとって嶺北で初めての朗読講座の、第1回発表会のお題だ。怪談奇談集である

 福井は、木の芽峠を境にして嶺北・嶺南と呼び分けられる。嶺北には福井市を中心に主だった市町村があるが、嶺南は人口も少なく、方言も含めて文化的に京都に近いので、福井県の中では異色な地域である。その最も大きな町が人口約7万のわが町、敦賀。私はこれまで、敦賀を中心に嶺南で活動してきた。

 それが、縁あって昨年から、嶺北福井市のショッピングシティベル内にあるベル・カルチャーサロンで、朗読講座を始めたのだ。有り難い要請があったからだが、今後嶺北で活動するための足がかりにもしたくて受けた。劇場人口の増加には、舞台に立つ人たちを増やすのが一番。一度舞台の楽しさを体験すると、他の舞台に対する興味も倍増するからだ。
 新しい出演者、新しい観客・・・私にとって魅力的な要請だった

 敦賀では、7年前から講師をさせて頂いている“朗読なぎの会”があり、年に1回の公演がある。こちらは図書館後援なので市のバックアップがあり、使用させて頂く劇場もスタッフ付で無料だし、器材も設備も揃っている。比べてベルは、会社側の協力があるとはいえ自主公演に近い。会場のショッピングシティ内“あじさいホール”は、奥行きがあってなかなか良い劇場だが、大道具関係の設備が不備で、スタッフも外注せねばならない、と条件が悪い。若い参加者が比較的多いので参加費は抑えたいのだが・・・。

 そこで今回は、思い切って有料にしてみた。若い人たちは、派遣やパートをしながら自立を目指し、やりくりして講座を受けてきた。そんな彼らに多大な負担をかけたくはないし、今後も継続して舞台に親しんでもらいたいと思ったからだが、アマチュアの公演が、500円とはいえ有料というのは・・・。

 内部で少し動揺はあったが、結果、若い人たちは無理をせず来てくれる友達に売り、ゆとりのある世代は各自チケットを買い取って招待をする、という形に収まった様だ。良かったか悪かったかわからないが、払った以上はちゃんと見ようという効果も出たのか、お客様には小さいお子さんもいらしたが、実に静かに聴いて下さった。有料にも関わらず、フリーのお客様も何人かいらっしゃったようで、出入り自由になりがちな無料公演より有効だったかなと思っている。

 稽古不足で心配した舞台だったが、本番に強いアマチュアの馬鹿力が全開し、面白い公演になった。終演後のお客様のいいお顔・・・それが何より「次へ」のエネルギーを運んでくれる。

                         

 今年も様々な舞台を重ねて早や秋である。残すは『祇園ライヴ』、そして『熊谷ホテル物語』の大舞台。
 武者震いして、ファイトとつぶやいた
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