Ishiguroの最高傑作ともいわれる、本書は一読して大変恐ろしい本です。クローン人間として生まれた人々が、一般から隔離されて育てられ、成人後は臓器提供用として利用され、2回程度の提供ののちには死去するという物語です。もう少し詳しいあらすじはウィキにありますので、そちらをご覧ください。
彼は"Klala and the Sun" で人造人間を取り上げていますが、本書ではさらに進んで生身の人間を取り上げています。当初作品全体の環境設定がわからず、面白くないので読むのをやめようと思いましたが、彼は優れたStoryteller、最後まで読まされました。終わりの部分は全くやりきれない気分になります。