京都市北区
「上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)」(古都探訪 56)

寺伝によれば上品蓮台寺は、聖徳太子が母の菩提寺として建立し、宇多法皇が中興したという由緒正しき古刹。
境内には平安時代を代表する仏師・定朝(じょうちょう)の墓や、謡曲「土蜘蛛」で知られる源頼光朝臣塚などがあり、また蔵書には京都最古の絵巻物である、国宝、紙本着色絵因果経(えいんがきょう)を有す(現在は京都国立博物館に委託保存)

山門を潜り境内に入ると、先ず目を奪われる正面のしだれ桜。


その清楚で存在感の在る出で立ちに暫し見入ってしまう。

対面にはもう一本、やや背の低い紅しだれ桜が在るが、そちらはまだ三分咲き程度。

本堂とのコントラストも映え、この時期参拝客で混雑する他の神社仏閣には無いしっとりとした風情を感じるのも魅力。

下向きに咲く花弁は上品なしとやかさを兼ね備え、時折風で揺れるさまは、まるで舞妓の都おどりのよう。

境内にはソメイヨシノも数多く植栽され、市内の数々の社寺に負けず劣らずの名所といえる。
photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ