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将軍塚 青龍殿(山科区)

新たな観光スポットとして人気を集める、市街全景を見渡す東山の頂。

京都市山科区厨子奥花鳥町 
         「将軍塚 青龍殿」  (古都探訪 162)



将軍塚青龍殿(しょうぐんづかせいりゅうでん)は、平成二十六年(2014)に完成した青蓮院の別院で東山山頂に坐す。



元々建物は大正二年(1915)に天皇即位を記念して、北野天満宮の前に建立された「大日本武徳会 京都支部 武徳殿」だったものだが、老朽化により取り壊しの危機にあったものを、青蓮院が歴史的遺産の継承を決意し、5年をかけ将軍塚へと移築再建した。



見どころは何といっても、青龍殿の再建に伴い新築された大舞台で、それまでも夜景スポットとして人気が高かったものの、より開けた眺望で京都市街を見下ろせるようになった。



但し運悪くこの日は晴れにもかかわらず大規模な黄砂飛来で、京都市街をクリアに見渡すことができなかった。



尚将軍塚の由来は、桓武天皇と和気清麻呂(わけのきよまろ)が、この地から京都盆地を眺め平安京遷都を決めたとも伝わり、甲冑を着せた将軍の像を埋め、都の安泰を願ったことからその名がついたとされる。



青龍殿を取り囲む庭園は、室町時代の手法で作庭され、庭園内には約200本のサクラをはじめ、モミジやシャクナゲ、サツキ等が植栽され四季を通じて楽しむことができる。




回遊式庭園には、枯山水や周囲の山々を取り込んだ借景も取り入れられ、ダイナミック且つ繊細な風情で訪れる人を魅了する。



新型コロナにより約1年間古都散策を自重していたが、未だ終息の予兆もないまま2度目の春を迎え、人出の少ない新しい名所をと今回は此処を選んだ。



一日も早く光明が差すことを、今はひたすら祈るのみ。

         photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ

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