「北風が勇者バイキングをつくった」という諺がノルウェーにあるらしい。
世界中でCOVD19パンデミックに襲われた2021年。記憶に残る素晴らしい音は北風がつくった。
とにかく札幌から5月に放たれたYou The Rock★の復帰作が圧倒的だった。
初回限定盤付属のインスト盤と合わせて1.2フィニッシュで2021年のベストに上げたい。
本体Tha Blue Herbでは相方Boss The MCのリリックをより劇的に響かせるべくシネマティックな方向に、ソロではDJツールとして機能すべくミニマルなトラックへと作風を披露していたO.N.O.が其々の方向性の合力ともいうべき新しくフレッシュな方向性を示したトラックを繰り出してきた。
そのトラックはYTR★のポエティックな面もパーティな面も引き出し、地獄を見た男の生きざまを刻み込んだ。
#2 「ON FIRE MORE LOUD ACTION」でのクソォ…という咆哮。
#4「GO AROUND」の文脈・発音から覗かれるダブル・ミーニング。
YTR★の培ってきたスキル・経験、全てをさらけ出す魂の叫び。
リリースされた2021年最後に錦鯉がM1優勝した年に発表されたということと併せて2021年という年を振り返る度に思い出すことになると思う。
裕さんへ。2022年はアナログ・レコードで出して欲しいデフ。
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もうひとつ、ベテランの見せた貫禄・挑戦という意味でも2021年のKo-Taの活躍を書いておきたい。
ミニマル~ディープ・テクノを職人のように90年代から作ってきた彼がインテリジェント・テクノと呼ばれたような90年代のテクノを想起させるテクノを出してきたのは驚いた。
実は最初の緊急事態宣言が東京に出された時から聴かせてもらっていたのだけれど、誰もいなくなって空っぽになった新宿の街のBGMであるかのようにイヤホンから響いて、緊急事態宣言下の生活に彩りを与えてくれた。
その衝撃も冷めやらぬ内にDJ NOBUのBittaからリリースというのはまた別の意味で驚いたし、それが他に類をみないようなレフトフィールドな音だったのでさらに驚いた。
もともと民族音楽の要素を仄かに活かしてきてはいたけれど(Rav.名義での諸作など)、ダンスフロアの公式を逸脱するようなBPMで繰り広げられる赤道直下のSeefeelのようなトラックは先のRev.と同様に型にハマってしまったDJに対する挑戦のようにも思えたし、それが月に1度は地元釧路でパーティをロックするDJが冷笑的になることなく出してきたところに頼もしさも感じたりした。
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そして年始のリリースだったので「これも2021年か」という気持ちも多少あるんですが、キャリア30年を誇るCMJKの1stソロ・アルバムも今年でありました。
【過去記事】
年始によく聴いていた上記の音はどれも通年してよく聴いておりました。奇しくもどれも「北」に生まれ育ったミュージシャンですね。
重鎮Moritz Ozward御大の新作も素晴らしかったです。
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