花、昆虫、風景など

日常感じる季節の諸々を、花、昆虫、風景などを通じてアップしていきたいと思います。

ある林業家のHPを訪ねて

2005年04月22日 | Weblog
林業経営の立場からのH氏のご意見には賛成できる部分が多々ありました。
特に手入れが行き届いている人工林では動植物の多様性が見られるという点と、人工林がその多様な動植物と共生していると言う考え方には深く共鳴しました。

ここ数年、台風や集中豪雨の影響により各地で山腹崩壊が多数見られ、また洪水が各地で発生して市民生活に大きな被害が及びました。
原因の一つとして人工林の手入れ不足に依る土壌の痩せがあげられると私は考えています。
土壌が少なくなり保水力が落ちて、地下水位の急激な上昇下降が引き起こされることにより、斜面の安定が崩れて崩壊を引き起こすのです。
今では植林が山の崩壊を誘発しているような極論さえ聞かれるようになりました。

しかし、たとえ針葉樹の人工林であっても適地の植林で手入れを十分にしさえすれば、下草も繁り土壌も発達して斜面の地下水位の急激な変動も避けられるはずです。
勿論そのためには経営の成り立つ林業でなければなりません。
規模的にそれが可能であることが必須の条件であることも有りますが、林業の公共的側面を考えるなら、法的手段を持ってでも放置人工林をまとめて管理するシステムを考えることも必要な時期にきているのかも知れません。

勿論法的に制限を加えるとするなら、水源税のような形で国民から等しく山林保全のための負担を求めることも必要になってくるかも知れません。

戦後の木材不足から片っ端から植林を進めたという政策上の問題もあったかも知れませんが、植林は日本の財産です。
この狭い国土に唯一自給できる資源です。
先達が力を注いできたこの資源を無駄にするわけには行きません。

難しい問題が沢山あると思いますが国土保全のためには今しなければならないことが多く有ると感じました。