花、昆虫、風景など

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河川流域浄化計画企画書(案)

2008年03月31日 | Weblog
1:河川の現況

最近の河川については工業廃水のみならず家庭雑排水の大量排水、ゴミの投棄により富栄養化が進みアオコの発生を招いている。
更には底質の酸素濃度の低下を招き、ヘドロ化している現状がある。
これにより、河川生物の死滅が心配されるが、汚染により既に死の川と化した河川もある。


2:生活への影響

河川の汚染は上水や農業用水、工業用水などとしての利用にも大きく影響を与える。
一時臭い水道水が世間をにぎわしたことがある。
農業用水としての利用では富栄養化した水を利用することによる、施肥計画の立て難さと言うことがある。
工業用水についても自前で浄化するという手間を要する場合もある。

最近では水道水に対する不満はなくなったようであるが、これは水道事業者が多額の投資をして水の浄化に努めたからに他ならない。
河川水の汚染の現状は変わっていないのである。
このように取水した水が直ぐに利用できる状態ではなく、利用できるまでに多額の設備投資を必要とすると言う現状は普通ではない。


3:排水の現状

過去、排水については色々な基準が設けられ現在では工業用水、家庭雑排水を問わず可能な限り浄化して流すというのが当たり前になってきてはいる。
一時流域下水道の建設が進められた。
下水道や集落排水、コミプラなどの事業も進められた。
工業排水についても厳しい基準が設けられ、排水そのものの浄化は進められてはいる。

しかし必ずしも浄化されているとは言い切れない現状がある。
多額の投資と時間をかけ、建設した施設であるが、維持管理に多額のコストがかかっている。
その為、管理の不徹底も発生し、折角の設備も機能していない現状も見受けられる。
管理が徹底し、基準通りの排水を維持している所であっても、実は完全に浄化されている訳ではない。
そこには常に経済性という市場原理がついて回る。
そのため、基準の中に入っている汚染は除きようもないのである。

基準通りに完全に浄化されない水が人口集中地区については、実は河川の自己浄化能力以上に排水されている。
おまけに不法投棄されるゴミがそれに重なる。
河川は汚染にあえいでいるのが現状である。


4:河川浄化への提案

水質が汚染された河川をいかにして浄化していくか。
最良の方法は生物を利用する方法であると思われる。
その為に一つの提案がある。

先ず河川敷にその土地にあった一年生の植物を植えること。
河原や堤防がない場合は水草でも良い。
これにより富栄養化した河川をいくらかでも緩和することが出来る。
そしてそれらを回収する組織を流域に作ること。
これは流域に生活する住民の水の浄化に対する意識を高める為である。

回収した植物の残骸は全てペレットに加工する。
ここからが新しい提案である。

ペレットボイラーは既に開発されている。
これを使って発電をするのである。
先ず火力発電、そして次にはその廃熱を利用した温度差発電。
これらのシステムも既に開発されているものである。
出来た電気を使ってプラスティックや鉄、アルミなどの廃棄物を原料として再利用できるよう加工する。
ここがこの提案の最重要な所である。

植物のペレット加工については出来れば最下流で行うのがベストであるが、地域の現状にあわせて最適な方法を採用すればよい。
河川敷で刈り取った植物は流れに任せて下流に流す。
下流ではそれらを回収する設備を整えておく。
ペレット工場は回収施設と共に設置する。
発電所をペレット工場と共に設置しておけば燃料の運搬は不要である。


5:施設の規模の設計について

河川流域は河川によってその面積が様々である。
当然そこに発生する植物の絶対量は流域面積に支配される。
そこで発電施設の規模は流域で採取可能な植物の量によって設計されるべきである。
ただ発電設備は生産されるペレットのカロリー計算から始まるため各河川独自の計算となるとはいうものの、温度差発電の規模が確定している為、イニシャルコストを考えると発電機にあわせて河川を選択する方法を採るのが当面は妥当であると考えられる。
その為発電能力にあう河川を選択することを先ず考えなければならない。


6:今できることは・・・

今当面できることと言えば、河川の調査と、材料の違いによるペレットのポテンシャル・燃焼効率を知ることであろう。
これらをベースにして河川における発電量を計算すれば、処理できるゴミの量も計算できる為、河川流域浄化計画も立案できると言える。