日々雑感

2021 4月現在の最悪といわれる日韓関係について

韓国国内で日本政府を訴えた裁判にて日本政府の「主権免除」についての判断が韓国下級審で割れて話題になっている。日本政府の「主権免除」を認めた判決は上訴されるようなので、韓国の上級審で「主権免除」を認めない方向へ修正されるであろうと私自身は思っているが(理由は韓国のナショナリズムが日本の「主権免除」を許す判決を許さないであろうというもの)、とりあえずは成り行きを見る他はない。
韓国の保守と革新の対立は日本人の理解を超える部分があるようだ。また韓国での司法の役割は日本とはかけ離れているようである。
もし結局、日本の「主権免除」を許さないということなれば、本当にICJへ提訴されるのであろうか?一体今後何年かかるのだろう?

過去の人権侵害等があってもそれについては”寝た子を起こすな”風の論理があり、リベラル志向の当方としてはこの論理はあまり好きではないが、少なくとも”最悪”日韓関係の原点としての「従軍慰安婦」問題について言えば、日本側にて寝た子を起こしてしまい、それが1990年代の韓国のナショナリズムの高まりと共にだれにも制御できないほどになってしまったの感はある。
この件についてはやはり寝た子は起こさなかった方が良かったのではないか?
日韓関係を必ずしも良好にしておく必要はないとは思うが、喧嘩を無理にする必要もないからだ。

「従軍慰安婦」問題の原点を見ると、先に提起したのは日本側のようだ。1991年に大分県大分市(私の故郷である。)の医師夫人が韓国にて「従軍慰安婦」訴訟の原告をつのったのが皮切りであると秦侑彦氏は述べている。また来日した盧泰愚大統領(当時)が浅利慶太との対談で”「従軍慰安婦」問題は日本の言論機関の方がこの問題を提起し、我が国のの国民の反日感情を焚き付け、国民を激憤させてしまいました。”と語ったとのことだ。(これは同様に秦侑彦氏がこの発言が掲載されている文芸春秋の発行日付とともに書いているから盧泰愚大統領のこの発言は事実なのであろう。)

日韓には戦争をしなければ決着しないような竹島問題があり(戦争をするにはあまりもちっぽけな島だ。)、この「従軍慰安婦」問題があり、韓国自身でも制御できなくなっている反日ナショナリズムにて次々と生み出される”旭日旗”問題等の反日運動に福島の事故原発処理水問題が加わって今後300年たっても和解は無理だと思われる。

「従軍慰安婦」問題を提起した日本の”良心的諸氏”も、人権救済が目的であり日韓関係を悪くしようという悪意はなかったのだろうが、このような事態に立ち至るとは全く予想していなかったであろう。その意味ではほぼこれから永遠に継続する”最悪”日韓関係の”原因”を作ってしまったにのは(結果論としては)失敗であったと言える。

参考文献: 秦侑彦 「慰安婦と戦場の性」 新潮選書
この本にそれなりの批判があることは了解しているが、「慰安婦」についてわかりやすい本ではある。比較的冷静な記述と思われる。

この本に”過去をよく反省しているドイツ”にも占領地域に500以上の「慰安所」があったとの記述があり、興味深い。この点を今後追いかけてみたい。ドイツが占領地域にて強制的に集めた女性に売春を強制したということがドイツの公的機関の資料に掲載されているという記載が他の文献にもあり、事実のようである。

(”ドイツが過去をよく反省している。”という論評は信じがたい。韓国にて日本を批判するときによく見る。ドイツ人自身は第2次世界大戦時、ドイツが強制的に集めた女性に売春を強制したことをあまり知らないようだ。
少なくともポーランドやロシアやナミビアの人に”ドイツは過去をよく反省しているか?”と聞けば、答えはNOであろう。) 




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