ジャニーズ事務所の性加害のニュースが大きく報じられている。この問題と”批判”の関係について述べたい。
今回の問題が長く広範囲に継続した理由についてマスコミによる批判の弱さが指摘されている。それについて大いに共感する。”批判”されない、”批判”を受け入れない組織・人間は必ず失敗するのだ。今回の問題は長くいろんなところで指摘されていたにもかかわらず大手マスコミは自分の利益のために”批判”を行ってこなかったことはきびしく責められるべきである。
第2次世界大戦中の大本営がまさに批判を受け入れない組織であったし、原子力発電を推進してきた「原子力村」もまた批判を受け入れない組織であった。そして批判を受け入れない組織は必ず大きな間違いを犯す。悲惨な戦争と敗戦、福島の事故という形にて。
自分の周りにイエスマンばかりで固めて批判を受け付けない”何とかのドン”のいる会社や団体の不祥事は多数あった。今回のジャニ-ズの不祥事もそれに連なるものなのだろう。
日本学術会議の会員任命に関してある人達の任命を政府が拒否するということがあった。政権に対して批判的な人たちを任命を拒否したのであろうと類推される。これもまた同種の事象と思われる。日本学術会議の会員任命拒否の件は実はかなりの問題なのだ。
リーダーである人々は自分の耳に痛い言説をも受け入れて思考すべきとなどいうことは全く当たり前のことなのだが、組織で権力を持つとどんどん批判を受け入れ無くなってしまうという現象は(悲しいかな)人間には避けられないものなのだろう。そして失敗・敗北・事故・不祥事は繰り返される。(2023/8/30)