トランプが共和党の大統領候補になるのはほぼ間違いないようだ。今年11月の本選でトランプが勝つ可能性もどうやら否定できないようだ。一種の”かぶき者”と呼んでよいトランプになぜこんなに人気があるのか?という疑問はあれど、これはこれで長くなるので別の機会にしたい。トランプが再度アメリカ大統領になる可能性がある中で日本の安全保障のパラダイム転換についてコメントしたい。
・日本から米軍が撤退することなど仮定の必要なしと思っていた。
トランプがNATO脱退や在韓米軍の引き上げを(ほんとうにそれが出来るかどうかは別として)主張しているのはよく知られるところ。日本への米軍駐留もかなり疑問を持っていることも報道されている。
日本から米軍が撤退することなど、私の生きている間はあり得ないことと考えていた。つまり在日米軍の存在は所与のこととして思考してきた。しかし、トランプが再度アメリカ大統領となることにある程度の現実性がある今、そしてアメリカが(人種的にも歴史的にも)その親戚筋のヨーロッパを防衛するNATOを脱退するなどという話が出ている中、他人に過ぎない韓国や日本との安全保障条約からアメリカが脱退するということはあながちあり得ない話ではなくなってきている。
これはかなりのパラダイム転換である。
・ほんとに本気でアメリカが日本を守るか?という疑問は前からあった。
日本や韓国のためにアメリカがロシアや中国と核ミサイルを本気で撃ち合うか?という疑問は前からあった。普通に考えたらそんなことしないだろうと思うのが自然だ。当たり前だが、NATOに加勢するのも韓国・日本を防衛するとの条約を締結するのも”アメリカを守るため”という目的のためにそうするだけであって、韓国・日本が友好国だからそうするわけではないだろう。誰だって自分を守ることが最終的な目的なことは当たり前だ。それに加えて日本への米軍駐留は日本の軍国主義を抑止するためといういわゆる”瓶のふた論”での目的はあった。
・戦後もう70年ほどがたちアメリカで”大日本帝国”の悪夢の記憶はもう消えたのか?
時間がたてば”大日本帝国”の記憶もやがて消える。トランプが次の大統領選挙で当選するかは別としてもアメリカが世界の警察であることが経済的にできなくなる日もやがて来ることは間違いない。それはあまり遠い先のことではないということをトランプの作り出した情勢は我々日本人に気づかせたのではないかと思う。
もし米軍が日本から撤退したら日本は今の憲法を維持できるのか?米軍撤退の日はそんなに遠くないのかもしれない。(2024/2/21)