米製薬大手ファイザーの幹部は10月11日、新型コロナウイルス対応に関する欧州議会の公聴会で、自社の新型コロナウイルスワクチンが昨年市場に出回る際、伝染を防ぐことができるかどうか把握していなかったと述べました。感染拡大防止に寄与するか否かの検証が行われていなかったことがファイザー側から証言されました。
武漢コロナウイルスに対するワクチンの有効性に関しては、ワクチン接種開始当初から様々な疑義が示されていました。それも免疫学や感染症、ワクチンに関する様々な専門家からです。そのような疑義に対して、推奨側はワクチンの有効性は実証済みであると断言して、その有効性に対する疑義にまともに対応しようとはしませんでした。少なくともマスコミ上で有効性に対する疑義への誠実な対応はなかったと記憶しています。
ワクチンの安全性に関しても接種開始当初から様々な懸念が示されてきました。特に妊婦や乳幼児、アレルギーを持つ人々は大変に不安であったであろうし、事実それらの人々への接種がもたらすかもしれない深刻な影響を危惧する専門家も多数ありました。しかしそれらの声は荒唐無稽な反ワクチン陰謀論と一緒くたにして退けられてきました。
反ワクチン陰謀論としては、ワクチンによってマイクロチップを埋め込まれる、ワクチン接種者がワクチンをまき散らし非接種者にも接種されるなどのようなおよそ科学知識のかけらでもあれば信じ込めないような荒唐無稽なものも多数あります。このことにより陰謀論を信じる者は知的に劣るものというレッテル効果があるのではないでしょうか。そしてワクチンに対する素朴な疑義や懸念をこのような陰謀論扱いすることで、ワクチンを素直に受け入れる人々を「知的で科学リテラシーを有する」人々、ワクチンに懸念を示す人々を「知的に劣り科学リテラシーのない」人々とするレッテル効果があるように思います。このことは、少なくとも一定の「自分はリテラシーにかける知的に劣る」とは思われたくない人々にそのような疑義や懸念を「デマ」だと思わせる効果はあるのでしょう。
Wikipediaによると、陰謀論とは何らかの状況に対する説明で、「邪悪で強力な集団(組織)による陰謀が関与している」と断定したり信じたりするものだそうです。様々な陰謀論がありますが、それらは検証不能で、検証不能であるがゆえに荒唐無稽なものも多々あります。
その一方で、陰謀論とされたものの中には重大な真実を含むものも多くありました。水俣病などの公害病などは発生当初は陰謀論扱いされてきましたし、北朝鮮による国家ぐるみの拉致はその最たるものでしょう。拉致などという極めて野蛮な人権侵害に、一部マスコミによって「地上の楽園」とまで持ち上げられた国が関与した、という指摘は荒唐無稽そのものでした。北朝鮮による拉致の可能性も含めて真相を解明しようとする努力は、「地上の楽園」である北朝鮮を貶め、共産主義を攻撃しようとする右翼の陰謀であるという陰謀論にすりかえられたのです。
したがってある言説が「陰謀論」と決めつけられるならば、何らかの不正を企む人々が隠蔽したい、かれらにとって「不都合な真実」がその言説に隠されている可能性を考えなければならないのです。ワクチンの有効性に関する疑義は陰謀論、ワクチンの安全性に関する懸念は陰謀論、のような「陰謀論」の連呼があるとき、私たちはワクチンの有効性や安全性に関する疑い持つべきなのです。なぜそこから人々の目をそらしたいのかという意図を考えるべきなのです。「陰謀論」の連呼は、そこにそのように連呼する人々が隠蔽したい何かがあるかもしれないから。
そして有効性に関する疑念が実は事実であったことが明るみになった今、ワクチンに対する疑義を「反ワク陰謀論」と決めつけていた人々は次のいずれかであることになります。(1)ワクチンの有効性が確かでないことを知らないにもかかわらずにその有効性を断言し、その有効性に疑義を唱える人を反ワク陰謀論にはまった愚かな人呼ばわりしていた、(2)あるいはワクチンの有効性が確認されていないことを知ったうえで、すなわちワクチン有効性に対する疑義が正当であることを知りながら、それらを反ワク陰謀論扱いしていた、のいずれかです。(1)の人は単なるおバカのように見えます。ただ、多くのマスコミ等はこの範疇ではないかと思います。マスコミには(彼らがそう考える)その道の権威のレクチャーを垂れ流す傾向があります。これについてはまたの機会に論じたいと考えています。マスコミの影響力は衰えたとはいえいまだ強いものがあり、単なるおバカと言って笑って済ませられるものではありません。(2)は効果の疑わしいワクチンを多くの人々が摂取することにより何らかの利得のある人々、つまり不正に積極的に関与した人々と考えざるを得ません。その人々がマスコミにそのようにレクチャーしたのでしょう。
それではどのような不正があったのでしょうか。この不正によって儲かる人々を挙げていくと、ワクチンを製造する製薬会社、その株主は筆頭でしょうか。一部の医師や医療機関もそうでしょう。製薬会社は実際には医師による処方がなければ売上がないので、医師と製薬会社の関係はきれいなものではありません。多くの研究者はその所属機関によって支給される研究費だけでは研究を行うことができず、公的、民間の資金に頼ります。その中でも製薬会社の研究費は莫大であり、医、薬学系、バイオ系の分野ではその研究費にからめとられているような研究者も少なくないようです。今回厚生省の方針決定に関わった多くの医療技官もこのような研究者であったのかもしれません。あるいはワクチン接種に関わった医療機関でしょうか。
ここで注意しなければいけないのは、怪しいと思える人を挙げることはできてもその不正の全貌は現時点ではわかりようがないということです。点と点を結んで物語にしてしまうと、陰謀論と決めつける人々の思うツボです。重要なことはそこに大きな不正が潜んでいることを認識することです。特に今回のようにその不正が私たちの健康に直結するような場合には。
現在多くの人々が3回目あるいは4回目以降のワクチン接種を控えているようです。このように自身の判断で接種を控えることができる人はその判断を大切にすべきです。一方、それが社会のための善であると信じて接種を続けている人もいるでしょう。これまでに本ブログで「日本人の強み」として捉えてきたことがむしろ弱みとなっているのかもしれません。これについてもまたの機会に論じたいと思います。
今回のワクチン不正によって、マスコミを使った扇動、デマによる誘導の一端が見えたように思います。私たちは真実を知らない側にいます。しかし今回は、自分の専門分野からは離れるものの、自然科学分野である程度馴染みのある分野であるため、ワクチン不正という大きな仕掛けに潜むデマに引っかかりを感じることができ、またマスコミがそれをどのように報じるかを見ることができました。報じるというよりも、虚偽による誘導、扇動という方が当たっているように思いますが。そしてその引っかかりは、前の米国大統領選やロシアウクライナ紛争に関しても同様に感じたことです。次回からそのパターンについて述べたいと思います。