晋の明帝は幼い頃からとても聡明であった。ある日、父帝の膝の上に坐って遊んでいた時、側に仕える人が、長安から使者が来たと告げた。そこで、父帝が明帝に、「長安と太陽とここからどっちが遠いか、答えなさい。」と聞いた。
明帝が、「太陽のほうが遠いです。」と答えると、
父帝がまた尋ねた。「どうしてだ。」
明帝は答えた。「私たちは長安から来た人を見られるけど、太陽から来た人などこれまで見たことがないからです。だから、太陽のほうが長安より遠いということが証明できるのではありませんか。」
父帝はこれを聞いて、大いに喜び、大臣たちに息子を自慢したいと思った。
次の日、大臣たちを招いて宴会を開いた。父帝は前日明帝が言ったことを大臣たちに話して、もう一度同じことを息子に尋ねた。ところが、この時、明帝の答えは違った。「太陽のほうが近くて、長安は遠いです。」
「おまえ、どうして昨日と違うことを言うのだ?」父は慌てて言った。
明帝は悠然として答えた。「私たちは顔を上げれば、太陽を見ることができますが、長安を見ることができません。だから、太陽が近くて、長安が遠いということが明確に証明できるのではありませんか?」
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