人の鼻の下、唇の上のあの凹んだ場所を、「人中(じんちゅう)」という。
漢の武帝がある日、群臣との大宴会を開いていた、その時、武帝は突然言い出した。
「人相見の本によると、人中が一寸あれば、百歳まで生きられるそうだ。」
これをそばで、聞いていた東方朔という人が、大笑いした。
武帝が尋ねた。「お前が笑ったのは私の話が非常識だからか?」
東方朔が答えた。「陛下のことを笑ったのではございません。ただ、あの彭祖という人物のことを笑ったのです。聞くところによると、彼は八百歳まで生きたとのことです。もしその人相の本のとおりだとすれば、彼の人中は8寸の長さがあったはずでございます。さぞかし長い顔であったのでございましょう!」
《丁聪“古代中国幽默”》
注)1寸=3.03cm
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