あべっちの思いをこめた雑記帳

病室から

 病室にいると体が休まる、無限大なくらいに眠れるから不思議だ。普段はさほど忙しくもしていないし、睡眠も十分なくらいに取っているから、考えてみてもどうしてこれほど眠れるのか自分でもわからない。
 病室にいるときは、本読みや難しいパズル解きや川柳短歌などを詠んでみたいと思わないから、これもやっぱり不思議だ。時間がない時は、あれもやりたい、これもやりたいと気ばかり走って、そのうちの半分もできずにいる。そんな日々を送っているのに、こうして時間がありあまるときには、のほほんと寝過ごしている。

 時間とともに楽しんでいるのはもっぱら音楽。ICレコーダーに吹き込んである音(オト)を聞いている。歌の入ってない歌謡曲や演歌や童謡唱歌など。その数およそ400曲。普段これだけの音楽を一気に聴くことはないので、今はやたらと聞き放題というところか。

 時間とともに楽しんでいるのはもう一つ。日本列島瞑想旅行だ。地図の上で行く旅行もタダで楽しく、どこへでもフリーパスで行ける。瞑想旅行はさらに面白い。現実では考えられないようなことが、当然のように起こりうる。紅葉を見ていたら雪が降ってきたり、お寺の石段を上っていたら崩れてきたり。大きな温泉宿に着いてみたら宿泊者は自分一人だったり。アハハハ。

 住み慣れた自分の町を見おろす。歩いている人は蟻さんだなどとうそぶいてみる。
 師走の外はさぞかし寒いだろうな。
 富士山がきれいに見える。


  今日もまた富士山がきれいに見えますよ看護師の声部屋まで届く
               平成29年12月 「NHK短歌」1月号


                       「つれづれ(131)病室から」

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