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「まるいもの」について、適当に書いています。まるいものとは、自転車、モーターサイクル、クルマ、カメラ、CD/LPとか。

■発想の転換が魅力のヘッドパーツ、ウッドマン・アクシスSL COMP SP(WOODMAN AXIS SL COMP SP)

2011-11-15 21:04:36 | ダート

 今年(2011年)のサイクルモードインターナショナルで、最も身近に魅力を感じた物が、今回紹介するMTB用ヘッドーパーツ(ヘッド小物)。

 ヘッドパーツというのは、フロントフォーク、フレーム、ハンドルを繋ぐ部品で、基本的に要求されるのは、それぞれの確かな固定とスムーズな回転だ。
 また、この部分はフロントホイールに加わる前方向からの衝撃が思い切り伝わってくる所で、製品の耐久性やフレームなどへの衝撃分散能力も、細かく言うと問われてくる。

 そして、現状、MTBの世界においては、アメリカのクリスキングというブランドの製品が「一番問題ない」と言われている。質量はともかくとして、とにかく壊れない。この箇所は驚くほど壊れやすく、自分の場合など新車状態から1ヶ月で傷めた経験もある(標準で付いてきたノンブランド品)。それだけに、各社から低抵抗や確実なホールド性、または結構な重量物になるため軽量な製品など、びっくりするほどの種類が発売されている。そんな中で、クリスキングのヘッドパーツは、とにかく壊れない。フレームが割れても壊れない。マシンを乗り換えても、また使い続けられる、などと圧倒的名声を獲得している。

 しかし、5台もMTBを所有する自分は、ひとつとしてこのクリスキングを使っていない。
 なぜか? 単に、「誰でも付ける間違いのないお約束」、が嫌いだからだ。ただのへそ曲がりである。天邪鬼である。偏屈である。でも、嫌なものは嫌。
 逆に、「絶対にクリスキング」という、クリキン党もいる。そんな彼らのBIKEはぜーんぶクリスキング。ショップスタッフさんに聞いてもこの傾向は同じで、「間違いないよ!」の声が多い。
 それでもかつては、日本の丹下精機というところが「テクノグライド」というグレートなヘッドパーツを出してくれていて、一時期はクリスキングかこのテクノグライド、という時代があった。結構な国産贔屓である自分は、もちろん迷わずテクノグライドを選んだ。
 当時から乗っているマシンのうち、2台がこのテクノグライド採用車なのだが、そのうちの1個を不慮のミスでダメにしてしまったのが、ヘッドパーツ泥沼に嵌る発端に。

 テクノグライドも当時はクリキンさんと並ぶスペックだったので、まあ壊れないのだが、本当にもったいないミスで内部に打ち込まれているベアリングの中身を高熱で溶かしてしまったのだ!
 自転車でベアリングを使うパーツには、交換が容易なものや完全に嵌っていて取れないもの、内部パーツのボール(ニードル形状もある)1個1個まで取れるものまで多種多様。テクノ~は、完全に嵌っていて交換が不可能なタイプだった。そういうことで、これが付いている車体は、ヘッドパーツ全体を交換する必要に迫られた。
 しかし、である。この時、既にクリキングレードのテクノグライドは製造を止めていて、流通在庫のみ。カラリングまで壊してしまったものと同じ、となると探すのは容易ではなく、フレーム自体をしばらくお蔵入りすると共に、代わりになるヘッドパーツを探し始めた。

 だが正直、冒頭にも書いた通りとにかく選択肢が多い。それにも関わらず、「間違いないのはクリスキング」なわけだから、有力候補を見付けるのはとにかく難しい。今回紹介する、ウッドマンのアクシスSL COMP SPに出会うまで、軽く10年はかかった。

 この製品をピックアップしたのは他でもない。幕張の展示会場で開発者ご本人から熱意ある説明が聞けたからだ。構造的には、多分珍しいのだろう。下ワンと接する下玉押しの形状が通常のものと逆さになっていて、その構造と、下ワンの接触部の形状により、泥・水の侵入を防ぐようになっている。
 下図を参照してほしい。一目瞭然だと思う。


 また、専用品を使いながらもベアリングが交換可能なタイプで、その交換パーツをラインナップしている事。もちろん永年ではないのだろうが、ある程度の期間はメーカーで保障を受けられる体制になっている。ハードな状況下に置かれるパーツにとっては、とてもありがたい事だ。
 そして、本人から聞けた話(正確には国内代理店のスタッフの翻訳アシストあり)では、なんとベアリングの構造が上と下で違う、という。現物を見せながらの説明で、確かに「TOP↑」の文字が確認できる(こちらのURLからも確認可能)。上側はリテーナー(保持器や保定装置などと訳される)にボールを嵌めた状態の一般的な構造で、同じ型番の下側は、なんとリテーナーレス。構造としては珍しいと思う。上下でグリスの粘性も変えているという事で、これは下側の方が路面からの衝撃が多く、それを等しくきれいに分散させる為の策という。

 おもしろいではないか。こういった薀蓄がたっぷりで、しかも開発者自ら熱く語られてしまうと、気持ちを惹かれないわけにはいかない。前述の、泥水が入りにくい下玉押しを反転させた構造も含め、テクノグライドの後任にはこれを充てることにする。
 もちろん、カラーバリエーションが多い、というのも選択の有力ポイントになるだろう。ただ、自分は色選択のセンスがまったくないので、また失敗するかもしれない。


 参考に、テクノ~は、ムラサキカラーのフレームにオレンジを組み合わせていた。もちろん、評判はすこぶる悪かった……。後日、写真をアップしたいと思う。グスッ。


この方が、ウッドマンの創業者、フィリップ・バン・ホウト氏。毎年、サイクルモードには足を運び、自身で積極的に魅力アピールに努めているという。土日にブースに立つ事が今までは多く、今年はたまたま平日から詰めていたのでお会いできた。気さくでとても暖かい人柄。

 ちなみに、自分はこのウッドマンの商品を既にひとつ使っている。フロントフォークとハンドルバーを繋ぐ役目の、ステムという部品。かれこれ10年近く使っているが、具合いい。

やかん


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